表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

勇者が来たけどシリーズ

勇者が来たけど腹痛すぎてトイレから出られない魔王の話

作者: ろーたす

腹痛って、困りますよね・・・

俺は魔王。

この魔界を支配している魔族の王だ。


最近では人間界にも手を出しており、世界を我がものにする日もそう遠くはないだろう。


俺を殺しに来た勇者達は一人残らず返り討ちにしたし、最早人間など敵ではない。



そして今日も、一人の勇者が我が魔王城に攻めてきた。どうやら今回の勇者はこれまでとは違うらしい。


部下に調べさせたところ、現在魔王城で暴れている勇者は、選ばれし者しか抜くことの出来ない聖剣を抜いた光の剣士だという。


「面白い・・・返り討ちにしてくれる!!」








ーーーーーーーーーーーーーーーー





「私はアリアンローズ!どこにいる、魔王!私に恐れをなしたか!!」


しばらくして勇者は俺のいる魔王の間にやって来た。どうやら今回の勇者は女らしい。


「ん、あれ?ここにいるんじゃなかったっけ?」


などと一人で言い始めた勇者アリアンローズ。









腹壊したのだ。

勇者が来るのをいまかいまかと楽しみにしていたら、ものすごい腹痛に襲われ、トイレに駆け込んだのだ。


仕方ない・・・。


『ふはははは、我こそは魔王!!よくぞ我が部下達を倒し、ここにたどり着いたな!!』

「っ、どこから・・・姿を現せ!!」


現せない。


『我が大魔法の餌食ぐうっ、痛・・・になりたくなければ、今すぐ帰るがいい』

「・・・その苦しそうな声、どうやら手負いのようね」


手負いではない。 ただ話してる途中でまた腹痛くなっただけだ。


「しかし、人々を苦しめた貴様に慈悲など与えない」


剣を抜く音が聞こえた。

どうやら聖剣を使うようだ。


「どこにいるのかは知らないけど、消し飛ばしてやる!!」


まてまてまて、今トイレにいるんだってば。


「くらえ─────」

『ふん、後ろががら空きだな』

「ッ─────」


とりあえずそう言ってみたら、アリアンローズは面白いぐらい驚いて振り返った。

当然後ろには誰もいない。


「くっ、いい加減姿を現しなさい!!」

『なんだ?ここごと消し飛ばすのではなかったのか?』

「・・・いいでしょう」


突然アリアンローズに魔力が集まり始めた。

トイレに篭もりながらもそれは感じ取れる。


「お望みどおり消し飛ばしてあげる!!」

終焉神魔創ラグナロク

「ッ───────」


ちょっとやばそうだったので、適当に魔法名口にしたらアリアンローズはびっくりしながら攻撃を止め、防御体勢をとった。


『ぷっ、あっはっはっは!ビビりすぎだろっ!!』

「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


多分、アリアンローズの顔は真っ赤になってるだろう。


「死ねえええ!!!」


次の瞬間、魔王城は消えた。








「・・・ふう」


瓦礫の山となった魔王城の上に立ち、アリアンローズは魔王を探した。


今の一撃で葬ることは出来たのだろうか・・・と。


「・・・?」


そこで彼女はあるものを発見する。

一つだけ無傷で残ってある部屋だ。崩壊した城の中で、不自然な部屋がある。


「なんだ・・・?」


キィィィィィ


その部屋の扉がゆっくりと開く。

そして、アリアンローズは目を見開いた。


「・・・ふむ、よく来たな勇者よ」


何故なら、中にいたのは大便中の俺だったから────


「ッ───────────」

「む、おいまて、ギャアアアアアアアアア!!!」


その後、聖剣を振り回すアリアンローズにひたすら追い回された。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ハッタリが面白かった。 なんだかLOVEが芽生えそうなオチ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ