僕と彼女
くるくる回った
同じ道をぐるぐると回って
同じところにこんにちは
「誰かいませんか」
誰にも聞こえないの
彼女はまたふらふらしてたんだ。
僕は彼女の事を認識出来ない。
認識しようと考えて、考えるだけで僕…いや、彼女の自我が壊れてしまう。
僕らは表裏一体なんだから――。
僕は彼女と生まれた時からずっと一緒。
でも幼馴染みって訳じゃないし双子でもない。
誰もが持ってる二重人格って言ったら良いのかな。
彼女は働き者で好奇心旺盛なんだ。
それに比べて僕は怠け者で何事にも意欲がない。
他人から見たら何時もは怠け者。
気が付いたら欲―彼女の意と言うべきか―のままに動いている。
操られてる訳でもないんだけど僕は彼女に逆らうことなんて出来なかったんだ。
ある日、怖い夢を見た。顔も知らない女の子に追いかけられる夢。
何処かの本で読んだことがある。
追いかけられる夢は彼女が不安・圧迫感を感じているんだって。
でも、起きたら彼女は笑っていた。
僕も気が付いたら笑っていた。
「君はどうして笑っているんだ?辛いんだろう?」
空虚な心に語り掛ける。
返事なんて返ってくる筈もない。
彼女は何時だって行動で示してくるんだ。
それを僕が認識しなければならない。
でも彼女を認識しようとすると頭痛がするんだ。
彼女は何か秘密を持っているのだろうか?
あまりの恐怖に記憶の引き出しを閉じてしまったのだろうか?
僕は無理にその引き出しをこじ開けようとしているのだろうか?
ぎりりり…僕と彼女は歯ぎしりをする。
これは僕の意思だ。何も無意識でやった訳じゃない。
何故僕は彼女を認識出来ないんだ。
一緒に居ながらどうして彼奴は雲の上の存在なんだ。
結局はそこなんだ。
気付けばいつもそんなことを考えている。
僕は彼女を知りたかっただけなのかも知れない。
彼女は一番近く、そして一番遠き人。
彼女はきっと僕を理解している。
だけれど僕は彼女のことなんか知らない。
知ることを拒まれている。
僕は幾度転ぼうとつまずこうと貴女を追い続ける。
そして貴女の想う理想の僕になれるようにしてみせたい。
だが彼女は不機嫌なままだった。
そしてある説を建てた。
…ははっ、そうか。
分かったよ。偽りの僕が居るから彼女は心を閉ざし続けるんだね。
そして僕は彼女に影響されてきたようだ。ふふっ。
なんでだろうな、笑いが止まらないんだ。
泣きたいのに涙が出てこないんだ。
僕が泣くことを君は拒んでしまったのかい?
全く…反抗期かな?
彼女には失望した。
彼女自身もそう思っていることでしょうね。
僕には失望しました…って。あはは。
僕は僕で君は君。
自律神経の調整を頼むよ。僕はもう知らない。
あれからふて寝でもした。
なんて目覚めが悪い。
彼女を知ろうとした、知ったかぶりをした。
そしてこうだ。
彼女を教えてくれないか?
意識<無意識
東方でそれを知ったんだけどなんだろうね、この後味の悪さ。
いっつも終わり方がわからない