表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人形 go home  作者: 森平
2/12

第02話「人形金策をする」

第02話「人形金策をする」




 というわけでやってきました、冒険者協会。ちゃんと道順を覚えていて一安心。

 それにアリッサちゃんの家からそれほど離れていなかったので、できるだけ誰にも見られずに移動できたと思うよ。


 しっかし、すごいね。さすが冒険者の集まる場所だけあってこんな夜中でもやっているみたい。

 24時間営業ってステキだよね! いや、本当に24時間やっているかは知らないんだけど。


 夜だっていうのに、さっきからプレートの全身鎧を着た男の人とか、ボインボインなきわどい格好の女の人とかが出入りしている。


 あれが冒険者か~。すごい威圧感というか、強そうだよね。俺が目の前に飛び出そうものなら、一瞬で両断されちゃいそう!

 うわっ、あの人の持っている両手剣なんてメチャクチャごっつくてすごい! あんなに刃が波打っていてまともに切ったりできるのかな? 重量だけでも脅威になりそうだけどさ。


 なーんて、見ている場合じゃないよね。俺もこれからあの人達の仲間入りをするんだから。

 心配なのは入った瞬間に殺されちゃったりしないかなってことなんだけど……大丈夫だよね? ね?

 ともあれ、悩んでいてもしかたないので突入!! 男は度胸だ!


 たのもー!


「……うぇぇっっ!? ちょ、あ、あれ、人形!?」


「リビングスタチューの亜種か? それともゴースト系のモンスター……?」


「は、はは、人形が空を飛んでやがる……! 俺、飲み過ぎたかな……」


 俺が中に入るなり、聞こえてくるそんな冒険者の皆さんの声。

 そんなに注目しないでよ、照れるだろ? まぁ人形だからしかたないけどさ。

 とはいえみんな様子を見ているだけで、すぐさま俺を討伐しようとする人はいないようだ。

 もっと冒険者って血の気が多いのかと思っていたけど、案外理性的? それとも未知の存在に対してとりあえず様子を見ている感じなのかな。


 でも、これはチャンス!

 俺はこれ幸いと、真っ直ぐに受付カウンターっぽいところへ向かうことにする。


「ふぇっ!? あ、え、えっと……え?」


 前まで行くと、受付をしているお姉さんが可愛らしい声を上げた。


 っていうか、このお姉さんすごい美人! 制服の上からでもハッキリわかるくらい、胸が激しく自己主張しているよ……!

 さすが冒険者協会の受付のお姉さん。レベルが高いね!

 しかも流れるような水色の髪がとっても神秘的で、やっぱりここは異世界なんだなぁって思っちゃったよ。緑がかった瞳もエキゾチックでステキだしね。


 ってことで、こんばんは!


 お姉さんを観察していてもしかたないので、俺は片手をあげて挨拶をする。


「え、えっと……こんばんは? その……お人形さんが、冒険者協会に何の用かしら……?」


 もち、冒険者登録をしに来ました!


 なんて言っても伝わらないので、俺は近くにあった『冒険者の手引き』って小冊子を手で指し示す。


「も、もしかして、冒険者登録したい……とか?」


 イエス、ザッツライ!


 今度は激しく頭を上下させて頷くと、小さく悲鳴を上げて仰け反る受付のお姉さん。

 なぜだ。それはさすがにちょっと傷つく……。

 でもわがままなおっぱいがプルンプルンしているから許す!


 それにしても、俺の意を汲んでくれるのが上手だよね、このお姉さん。

 俺もこうして誰かに意志を伝えるのって人形になってから初めてだから、ちょっと不安だったんだけど。


 ん? よく見るとこのお姉さん、耳がとがっているような……。

 はっ、まさかエルフとか……!? おぉぉぉおぉぉ、すごい、本物だよ! 異世界に来たって感じがするね!!


「ひっ、あ、あの、そんなに近づかないでください……」


 おっと、ごめんなさい!


 興奮しすぎて、無意識にお姉さんに詰め寄っていたみたいだ。

 そりゃあ、急に人形が近付いて来たら怖いよ。いくら可愛い外見をしていても仰け反っちゃうよ。


 それで、冒険者登録はできるのかな?

 俺は首をかしげながら、受付のお姉さんをジッと見つめてみる。


「え、えっと……この場合はどうしたら良いのかしら。人形が冒険者になるなんて前代未聞だし……そ、そもそも、この子ってモンスターの一種じゃ……」


 困惑気味に、なにやらブツブツ呟いている様子。

 すっごく美人なんだけど、とがった耳がさっきからぴょこぴょこ動いていて、そんな仕草が妙に可愛らしい。


 触りたい……って、ダメダメ、それはただのセクハラだね。でも少しくらいなら……。


「あーもう、どうすれば良いのよぉ……」


 おっと、お姉さんが頭を抱えちゃったよ。やっぱり人形じゃダメだったのかね?


「と、とりあえず、少しお待ちください。上の者に確認してきますので!」


 お姉さんはそう言うと、脱兎のごとく逃げ出した。

 もちろん俺は置いてけぼり。


 おーう……。


 俺は肩をすくめ、小さく首を横に振った。

 わかっていたことだけど人形は辛いね。

 ちなみに周囲の冒険者達は、そんな俺とお姉さんのやり取りを遠巻きに見ているだけだった。

 ありがちなパターン的に絡まれないのはありがたいけど、見世物じゃないのでやめて欲しい。

 いや、いっそのこと見世物になるべきか……?


 そして待つこと10分少々。


「お、お待たせしまし──ひぃっ!?」


 暇だからと周りにある物でジャグリングしていた俺を見て、再び悲鳴を上げるお姉さん。


 そんなに怖いかな、これ? ただペンとかインク壷とかペーパーナイフとか短剣とか振り回していただけなんだけど。

 ちなみに周囲の冒険者にはバカ受け。おひねりまでもらっちゃったよ。これで借金返済にまた近づいたね。


 それはともかく、まずは冒険者登録はどうなったのかな。

 俺が視線──目はボタンでできている──で促すと、お姉さんはおずおずと説明してくれた。


「そ、その、マスターが言うには書類さえしっかりしていれば登録は構わないと……」


 おおう、それは朗報!


「ひゃぁっ!?」


 冒険者登録用の用紙を差し出してくるお姉さんに、俺はグッとサムズアップする。

 もちろん指なんてないから、拳を突き出したのと変わらないんだけれども。

 だから俺は何もする気はないんだし、そんなに怯えないで欲しい。


 で、この用紙に必要事項を記入すれば良いわけだ。

 項目としては名前、年齢、拠点の住所、戦士とか魔法使い的なクラス、得意な武器、エトセトラエトセトラ。

 全部の項目は埋めなくても良いので、そこは助かるかな。


「あ、あの、文字を書けなければ代筆もできますが……」


 それには及ばないぜ、お姉さん。

 そもそも代筆を頼むにも、口頭で伝えられないから意味がないしね!

 ってことで、さっきからジャグリングしたままだったペンを両手で構える。


 名前は……前世の名前じゃなくて、今世の名前で良いよね。つまり『レイオン』と。


「あ、ちゃんと字が書けるんだ……しかもなんか可愛い……」


 おっ、受付のお姉さんがデレたか?

 ちょっと好意的な視線になったことに気分を良くして、俺はさらさらと文字を書いていく。

 年齢は生後約50日ってところなはずだ。ちなみに俺は前世からの名残で1週間とか1ヶ月って暦を数えているけど、この世界には別の暦があるらしい。

 もっとも、前世で使われていた物ほどしっかりした物じゃないっぽいけど。

 まぁ人形の俺には関係ないね。


 クラスはそのまま人形。武器? 人形に戦闘力を期待されても困るよ。

 そして住んでいる所は……アリッサちゃん達ミュウゼル家の人に迷惑がかかっても嫌だから細かくは書かなくても良いか。

 そのかわりこの街──パテローネの名前を記入。


 ということで、必要事項はこれで全部埋まったかな? はい、どうぞお姉さん。


「はい、問題は……えっと、いろいろありそうですけど、大丈夫です。これでレイオンさんは冒険者として登録されました」


 好意的になってくれたおかげか、さっきよりも親しみを感じる口調だね。


「すぐに冒険者の身分証になるカードを発行しますので、少々お待ちください」


 へぇ、冒険者カードなんてもらえるんだ。あ、でもどうやって持ち運んだら良いんだろ?

 俺はお姉さんがカードを作ってくれている横で、クルクル回りながら自分の身体を確認してみる。


 うん、人形に都合の良いポケットなんてないよね! だからといって、念力でずっと持ち運ぶのは大変だよなぁ。

 それにアリッサちゃんのところに帰ったとき、どうやって隠したら良いだろ?


「あの……レイオンさん? カードができましたけど……」


 あっ、ありがとうございます。


「もしかして、どうやって持ち運ぼうか困ってます?」


 うん、めちゃくちゃ困ってる。

 お姉さんの言葉に、俺は激しく首を縦に動かす。そんな俺を見てお姉さんはくすりと微笑んだ。

 あ、ちょっと嬉しいかも。さっきはあんなにどん引きしていたのに!


「じゃあ、身体の中にしまってはどうですか? ちょうどここ……少し縫い目が粗いみたいですし」


 そう言ってちょんちょんっと細長い指で突っついてくるのは、俺の脇から横っ腹の辺り。


 あー、ここね。ママさんに脱水されるときに、1番捻れているところだね。多分ブチブチ音が聞こえていたとしたら、ここが1番怪しいと思う。

 でもさすがに、ここからカードは入らないような……。


 そんな風に考えていると、なぜかお姉さんが俺のことをジッと見つめていた。

 しかもなんかそわそわしているっぽい。


 えっと……なんでしょう?


 そんな風に俺が首をかしげると、少しだけ恐る恐る、お姉さんが口を開く。


「もしよろしければ、私が少し縫い直して入るようにしましょうか……?」


 え、どうしたの急に、さっきまで俺のこと怖がってたよね?

 もしかしてマジでデレた? お姉さんチョロすぎ!

 いやー、俺ってば罪作りだね。さすがアリッサちゃんの作った魅惑のボディ!

 でも、そのアリッサちゃんの知らないところで、勝手に身体を弄っちゃうのはちょっと抵抗があるなぁ……。


「その、少しだけで良いので。良いですよね? ね? バラバラにはしませんから」


 ……へ?


「ちょっと綿を抜いて……うふふ、どんな構造になっているのかしら。動く人形なんだから、きっと中身もうねうね動いたり……」


 ちょっ、こ、このお姉さん、変態だーーっ!! なんか目の色も変わっているよ!?

 もうすでにデレなんて通り越してるんじゃないかな、これって!

 ごめんなさい、遠慮しておきます!


 俺がブンブンと激しく首を横に振ると、残念そうに溜息をつくお姉さん。


「そうですか……。でも、それではカードはどうするんです?」


 うっ……た、確かに、どこかに収納できれば便利だけど……。


「変に弄りませんから。ただちょっとそこの粗い部分を拡げて、代わりに補強するだけです」


 そう言うお姉さんの手には、いつの間にか裁縫道具が握られている。

 針と糸を持ち歩いている辺りさすが女の人だよね。


 うーん……じゃあ、少しだけお願いしちゃおうかな……?


「はい、ではこちらへ」


 頷くが早いか、お姉さんは直ぐさま俺を抱きしめる。

 ぼふって感じで、おっぱいに顔が埋まった……!


 や、やだなにこれ、大きい……! しかもこの柔らかな山脈の頂点に感じる2つの固い感触は……ブラジャーしていない!?

 そりゃあ、確かに前世にあったようなブラジャーは存在していないさ。

 でも、この世界にも胸覆いって感じの女性用下着はあるから、普通女性はそれを着ける。だって、先っぽとか服に擦れたら痛いもんね。

 なのに……このお姉さん、ノーブラだぁぁぁっ!


「んふふふ、じゃあ少しだけ縫い目をほどきますね~」


 あふんっ、ふぁぁぁぁ……! ちょ、お姉さんの手つき、すごい……!

 何この慣れた手つき……手芸とかたしなんでいる人!?


「これでもエルフに生まれついて100年と少々、可愛いぬいぐるみ欲しさに自分で縫って来ましたから、裁縫は得意なんです。だから心配しなくても大丈夫ですよ」


 え、そっち系の人だったの?

 どおりで俺を変な目で見ていると思ったよ! でもまぁ、ぬいぐるみ好きなら変なことはされない……よね? 多分。


「はい、完了しました。これで身体の中に冒険者カードを入れておけますよ」


 お姉さんのおっぱいに埋まること5分少々。どうやら改造手術は終わったらしい。


 ……うん、アリッサちゃんに気付かれない程度に、ちょこっと変わっただけだ。

 それなのにちゃんとお腹の中にカードが入る不思議。この人、すっごく裁縫の腕が良いよ!


「さて、話の続きですが……冒険者としての注意事項がありますので聞きますか?」


 ちょっと名残惜しそうにしながらも、抱きしめていた俺を解放してくれるお姉さん。

 俺もちょっとだけ、このままでも良いかなーって思っちゃったよ。ごめんね、アリッサちゃん。


 ともあれ、冒険者になったんだからまずは注意事項を聞かないとね。

 そして話を聞いたあとは、いよいよ依頼を受けてお金を稼ぎを開始だ。




 で、お姉さんと別れて依頼が張り出されている掲示板の前に到着。

 受付からじっとりと纏わり付くような視線を感じるけど、多分気にしたら負けなんだと思う。

 他の冒険者の人達の視線もビシバシぶつかってきてるしね。


 しかし……うーん、時間的な問題なのか、俺にできそうな依頼が全然ないんだよね。

 モンスター討伐とか人形ができるわけがない。逆に四肢を引き裂かれて綿が飛び出しちゃうよ?

 あ、でも、採取系依頼ならなんとかなるかなぁ。

 ちなみに当初考えていたような、探し物的な依頼はなかった。

 あるのかもしれないけど、多分昼間のうちになくなっちゃうんだろうね。夜中に探し物なんて普通はしないし。


 そう考えると人形であること以上に、この時間に依頼を受けるのがそもそもの間違いなんじゃ……。


 周りを見てみると、依頼の達成報告に来る冒険者ばかりで、新たに依頼を受けようって人はほとんどいない。

 でも、俺はアリッサちゃんが起きている間は動けないんだよね。当然朝になる前にアリッサちゃんのところに戻らないといけないから、それほど時間もかけられないし。


 いっそのこと、今日はこのまま帰っちゃう?


 ちなみに現在の俺の持ち金は、拾った分とおひねりでもらった分から冒険者登録料として銅貨を3枚支払って、14枚ほど。

 さすがにこれっぽっちでは借金の足しにならない。

 銅貨は20枚で銀貨1枚と同価値で、家族3人の1日の食費は銅貨5枚くらいらしい。

 もうちょっと補足するなら、銀貨20枚で金貨1枚。金貨は10枚になると大金貨っていう、金の含有量の多い硬貨1枚と同価値があるそうな。

 さらにもっと価値の高い硬貨もあるそうだけど、そこまで行っちゃうと人形の俺には縁のない金額だよね。


 パパさんが背負った借金は金貨で数枚って言っていた気がする。大金貨までは行っていなかった……はず。

 前世の価値観で言えば、数百万円の借金って感じなのかな? 返せる気はするけど、微妙にキツい金額。

 でもこれくらいの金額で奴隷に落ちるなんてやりきれないよね。


 うーん、せめて銀貨の1枚分も稼いで帰りたいなぁ。

 それに冒険者になって初日だから、1つくらいは依頼を達成してみたい気もする。


 えーっと……あっ、これなんてどうかな?

 ずばり、コマネキ草の採取で、30本1束の銅貨2枚! このコマネキ草は街の中でも所々に生えていて、集めるのは比較的楽な草だったりする。

 用途は燻すことで害獣の嫌う匂いを放つらしく、農作業をしている人や一部の冒険者に好まれているとかで需要は結構多いみたい。

 だから、街中で簡単に手に入る草でもこうやって依頼が張り出されているとかなんとか。

 それに冒険者になったばかりで生活のできない人でも、この依頼があればかろうじて食べていくことはできる。そんな初心者の為の依頼でもあるらしい。


 どっちにしても、この時間って門が閉まっているから街の外には出られないし、街の外に出ないといけない薬草の採取とかは難しいからね。


 よーし、じゃあこれに決定!

 お姉さん、これをお願いしまーす。


「コマネキ草の採取依頼ですね、少々お待ちください」


 依頼票を持って先程の受付のお姉さんのところへ行くと、早速手続きをしてくれる。


「レイオンさんは初めての依頼ですので、軽く説明いたしますね」


 うん、よろしくお願いします。

 でも、なんで話をしながら俺を撫で回すのか聞きたいんだけれども……。

 あ、やっぱいらないです。目が怖いので。


 ってことで、お姉さんに撫でられたり突っつかれたりしながら、依頼について詳しい話を聞く。

 コマネキ草がどんな形状をしているのかも知らなかったから助かったかな?

 さらにお姉さんが怪しく俺を見つめているので、ここは早々に退散!


 ではでは、採取に行ってきま~す。


 まぁお仕事自体はさっくりと終了しました。だってそこら辺に生えているんだもの。

 さすがに数が数だし群生まではしていなかったので、街のあちらこちらを飛び回らないといけなかったけどね。


 あと、都合6回ほど見回りの兵隊さんに見つかって追いかけっこになったよ。

 娼婦っぽいお姉さん達に4回ほど悲鳴も上げられちゃったね。


 それで時間はかかったけど頑張って3束集めて、報酬は銅貨6枚。やったね。

 これで手持ちのお金は合計銅貨20枚。銀貨1枚相当。




「ぐがー……すー……ぐがー……」


「ん……すぅ……」


 こっそり家に入って、パパさんとママさんの寝室に侵入。ぐっすりおやすみ中みたい。


 良かった、寝ていて。もしアリッサちゃんの弟か妹を作っている最中だったら気まずいからね!

 それにほら、ママさんはまだ若くて美人だから。もし見ちゃったら恥ずかしくて明日から直視できなくなっちゃうかも。


 ともあれ、パパさんの枕元にお金をそっと置いて……っと。

 俺はそのままアリッサちゃんのお部屋へレッツゴー。


「にゅぅ……レイオン……?」


 うわっ!? も、もしかしてアリッサちゃん起きていた……!?


「…………」


 …………。


「ふぁ……むにゅぅ……」


 ね、寝惚けていただけ……かな? うん、大丈夫みたい。

 あービックリした。動いているところを見られたら、騒ぎになっちゃうから……。


「んー……うぅ、レイオン~……」


 あーはいはい、抱き枕が欲しいのね、わかっていますよ~。

 ということでアリッサちゃんの腕の中にIN!


「んふふ~……んにゅ……くー……すー……」


 腕の中に入り込むなり強めに抱きしめてきて、頬ずりまでしてきた。


 あー、アリッサちゃん可愛い!


 うーん……寝ているし、今だけなら良いよね? ってことぎゅーっ!!

 アリッサちゃんが起きるまで抱きしめていてあげるから、良い夢を見てね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ