表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

4話目 「崩壊へのカウントダウン」

監獄生活1日目PM:12:00


ロッカーの使用について

 少し時間が経ちお昼となった。暦がいるクラスは騒がしい人がいれば、何もしないでボーとしている人もいる、暦は、相変わらず本を読んでいた。


 (こんな状況下で読むミステリー小説は、本当に不思議な感覚になるな。今自分たちが密室の殺し合いをしている中、本の中では密室殺人の推理か・・・)

 そんなことを思いながらページをめくった。そのとき、もう聞き飽きたぐらいの放送が入ろうとしていた。

 「はいは~い!みなさん、ぐっとあふたぬ~ん!アキちゃんが12時をお知らせするよ~。12時と言ったらお昼ご飯の時間だよね~。」

 俺はこの放送を聞いた時、一つの可能性を考えた。

 (今の時間は一応授業中だがお腹が空くころだ。しかし、学生の中には学食を利用している人がいたり、教師は職員室で食事をしているから、教室にはもってきていない。そう、今教室内にある食べ物は少ない状態だ。あいつらはきっと俺たちに食べ物の奪いをさせたいのだろう。)

 そう考えた。

 「みんな~、お昼ご飯は持ってきているかな~。今の君たちは成長するためにたくさん食べないとだよね~。でもね、僕のほうからは用意していないから教室内の食べ物をみんなで仲良く分けて食べてね。」

 アキからの放送は俺の考えていたことと完全に一致していた。さらに、このことを聞いたほかのクラスメイトはもちろんざわつき始めた。

「ざけんな!閉じ込めるだけじゃなくて飯もなしかよ!!」「俺は朝飯くってねぇんだぞ!!」「飢え死にするしかないじゃない!!」

 主に男子の叫び声が多かった。男子は学食を利用するのが多いからだろう。俺自身はコンビニでパンを少し多いと思いつつ4つ買ってきといた。

 「はいはい、予想通りの反応ありがとね~。だけど、そんなにお腹空いているなら奪っちゃえばいいじゃん。そもそも、君たちは一応殺し合いをしている途中なんだけどな~。じゃぁ、ぼくもごはんを食べるから失礼するよ。」

 やはり、アキたちは俺たちが食べ物の奪い合いをして、そのまま殺し合いに移行してくれたらなと考えているようだ。

 「じゃ、みんなごはんにしようか。何か持ってきている人は机の上においてくれ。こういう時こそみんなで食べようかじゃないか。」

 アキからの放送を聞いていながらもそのような言葉を言ったのは、やはり田中先生だった。しかし、食べ物がない状況だと一番立場が低くなってしまう田中先生の言葉に、今回はみんな異論があるようだ。

 「先生、私たちお弁当少ないからあげたくないです」「なんでわけないといけないんですか!持ってきてないやつが悪いじゃないですか!!」

 先生に対しての異論は女子からが多いようだ。しかし、女子の言葉の中には持ってきてないやつらに火に油を注ぐような結果になってしまっている。

「おい!さっき持ってきてないやつが悪いっていたの誰だよ!!」「そうだそうだ!俺たちはいつも学食なんだぞ!!」「そんなの知るかこの大飯ぐらい!」「なんだと!!」

 先生はきっと生徒のことを思っていた言葉かもしれないけど、結果としてはクラス内の亀裂を広げてしまったようだ。

「みんな落ち着け!今争ってどうする!」

 いきなり教室にそんな言葉が響いてきた。言ったのはこのクラスの学級委員の松崎だ。今のクラスの争いを何とかすることができるのか、少しだけ俺は期待をした。

 「今、何について争っている。それは食べ物についてだ。学食の人たちは食べ物を持っていない。しかしお金を持っている。なら食べ物を持っている人と、交渉して買うというのはどうかな」

 ・・・期待外れ、何が言いたいのかわからない。さらに状況が悪化した。はっきり言って論外のことしか言っていない。この状況だとお金がどんなにあったとしてもただの紙屑だ。誰もそんなことはしないだろう。

 「おい松崎、お前の言い分飲んでやるよ。お前は持ってんのか」

 そういったのはクラスの中で一番ガラの悪い渡辺だ。

 「僕は持っている。もちろん、持っていない人との交渉には応じる。できる限りの安値で済ますよ。」

 「そうか、じゃあお前の飯全部くれよ。タダでな!」

 渡辺は松崎にそう言ったとき、松崎の首にナイフを突き立てた。しかし、ほかのやつらには見えないようにしているようだ。

 「おっと騒ぐなよ、騒いだら殺す!」

 渡辺の脅しにより松崎は自分の弁当をすべて渡した。こればかしは松崎は自分の首を自分で占めたようだ。これを見て、俺はできる限り周りのやつらにパンを持っていることをばれないようにしながら過ごさないと自分が生きてくことが困難になりそうだ、と思った。

そしてやはり思った。

 「こんなくそうるさい教室、さっさと出てやる・・・全員殺してでもな」



 暦本人は実際に声に出ていないと思っているが、小声だが暦の気持ちは声に出てしまっている。周りがうるさすぎるため、誰にも聞かれなかった。この状況で暦は正常に生きていけるのだろうか・・・

4話目です。

この回は教室内の食べ物の状況、それによる争いという感じの話です。

後書きはハーメルンとこちらでは全然違うので今日ものある人はハーメルンでも読んでみてください!

なにかあったら感想書いてくださるとありがたいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ