ここと周辺の謎
完成させる、ビジョンが見えてないのでどうなるのか分かりませんが、温かい目で見てほしいです。
2050年夏 高日本国/内閣:
「このままでは国の食糧供給がままならない。やはり旧大陸への進出が不可欠である。」
長いひげの生やした壮年男性が言う。
「2席に同意だ!そのためにも原住民の説得あるいは屈服も必要である!」
細身の中年男性が言う。
「いえ、3席。倫理的にそれはいけません。なにより、高日本国憲法第50条『過去人への不接触』に反します。」
生真面目そうな若い女が言う。
「4席、そうは言うがこのままでは・・・一年後には食料の取り合い・・強奪戦争が始まる。」
「いまだ十年前の現象は原因不明、国民反乱軍も徐々に増大しています。時間がありません。」
「法を撤回しろ!歴史より今が大事だ!あとそれに!『ガチャ』・・・主席!」
「はっはっはー。三席ーあせるんじゃないよー。つうかぁやっぱり今回も堂々巡りー。だめじゃーん。」
ドアを開ける音とともに、軽い声が入ってくる。
「主席、遅れるなと何度言ったら分かる。」
「ごめーん、ちょっと俺の女たちがさー。ははは。」
「不潔です。なぜこんなのがここにいるのでしょう・・・不思議で仕方がありません。」
「ははは。相変わらず、きついねー。」
声の主は、ここには場違いな二十代、十代にも見える優男だった。
「でもさー。いつも同じことの繰り返しじゃーん?意味なくね?」
「「「・・・」」」
「ま、誰もきれいに解決できる人なんていないよねー。だって、いきなりさー・・・。」
その男は半笑いででも真剣な目で言った。
同時刻/某宮城県立高校2-8教室:
「・・・・・と、こういうだ。年号覚えとけー。んじゃあ次いくぞー。ああ、ここは新課程だな。今年からのところだからテスト出やすいぞ。しっかりやっとけ。つっても、十年前の出来事でお前らも、うっすら覚えているだろうがな。んじゃここを・・・んー荒川に読んでもらおうか・・・っておい。寝てんじゃねーぞっ!と。」
パシーンと軽い音がした。
「・・・・ん・・・おはようございます。」
「はい。おはよう。ずいぶん熟睡だったな。いい夢だったか?」
「ええ、それはもう・・・きれいな胸でした。」
「そうか、よかったなエロガキ。罰としてこの部分のレポートな。」
教室に小さな笑いが広がる。
「・・・キーンコーンカーンコーン。んじゃ、今日はここまで、荒川ー忘れるなよー。」
「うーっす。さて昼かー。今日は、・・『優ー。熟睡だったねー。』・・・なんだ、どうした零。」
昼飯を食べようとすると去年からの友人の山本 零がやってきた。そこそこ可愛い女子だ。
「まったく、不真面目ね。ノート見せてあげないんだからー。」
「健に見せてもらうからいいよ。」
「俺のことよんだかー?」
噂をすれば何とやら、こいつは親友の佐藤 健だ
「おお、いいとこに来た。さっきの現代社会ノート見せてくれ。」
「ほい。それにしても、ぐっすりだったな。」
「サンキュー。でもレポートだよ。」
「これは手伝わないでよ!健。優がこれ以上堕落しないように。」
「面倒だし、やんねーよ。」
「そんなー。」
軽口をたたき、今日も過ぎてゆく。いつも通り平和だ。
いや、これを、現状の世界を平和というのはおかしいか。なんたって・・・
「それにしても、この部分のレポートなら楽だろ。」
「確かに、今現在の話だしね。」
「それでも、面倒なのに違いはないんだよ。」
笑って、お前らしいなと口々に言われる。
「はあ、なんたってこんなことに。誰だよ十年前これやったやつ。」
「本当にね、こんなこと異常よ。」
「まあ、人がやったとすれば、はっきり言って天才だよな。本当に。」
その教科書には書いてあった。十年前、
2040年8月1日
『日本列島タイムスリップ』
そう、日本は過去へ戻ったのだ。