13th 夢の残滓、終着の焔
夢の残滓、終着の焔
詩:遍駆 羽御
破滅に満ちた人生を一つ 一つ 写真に収めて燃やして
もう 腕を上げる力はない
端から焦げて 一瞬に消えていく儚い桜の色
こんなに綺麗な桃色なのに 影へと変わって消えていく
ああ 目には何も映らない 揺らめく焔にさえ 感じない
何度 夢を諦めて目指して 勧めずに自ら絶望 した過去
いつ 思い出したってカラ ボクの何十年もの 日々は
足踏みしているだけでずっと 独りぼっちでした
濃いコーヒーはコクがある 常識のように語られている
その 濃さを手にしていながら
白煙を上げる コーヒーはとても不味そうだ
ボクの心と体を包む暗闇 それを表す影色だねって笑う
ああ 微笑みは色褪せて 白い髪が嵐の前の風 に揺れた
何度 蒼空を眺めても……ボクの蒼い鳥は見え ないね……
いつ 飛んでくるの? 鳥よ そう待ち続けて月日は残酷
いつの間にか満席だった席は 空席へと変わって
死に神が微笑んでいる
お前の生きた日々は全て 無意味だ
お前の生きた人生で何を 残せた?
ボクはただ……燃えさかる家具を目に移すだけ
心はきっと もう 磨り減って穴が開いてしまった
凍えているのはボクじゃない 心のない抜け殻
ああ 目には何も映らない 揺らめく焔にさえ 感じない
何度 夢を諦めて目指して 勧めずに自ら絶望 した過去
いつ 思い出したってカラ ボクの何十年もの 日々は
足踏みしているだけでずっと 独りぼっちでした
死に神の持つ鎌がボクの首へと振り下ろされる
さよなら 失敗だらけの人生
白い髪 窶れた顔 細い瞳 若さは何処? 何処……