0048余韻
オープンの翌朝
道の駅はまだ開店前
駐車場には 昨夜の雨でできた小さな水たまり
空気は澄み
山はいつも通りそこにある
昨日の賑わいが
まるで夢のようだ
私は少し早く来て
館内をひと回りする
床は綺麗に拭かれている
棚には 補充された商品
冷蔵ケースのモーター音だけが
静かに響く
ちゃんと動いてる
建物は
もう特別な存在ではない
使われる場所 になった
菫もやって来る
売場の中央で立ち止まる
昨日 ここは人で埋まっていた
今日は静か
スマホを取り出す
朝の光が差し込む店内
投稿は短い
「昨日はありがとうございました
今日は いつも通り開けます」
特別な言葉はない
でも それがこの村らしい
診療所では
葵が白衣を整えている
「昨日 すごかったな」
看護婦が笑う
「はい」
葵も微笑む
「でも 今日も普通ですね」
「それが一番や」
その言葉が 胸に残る
さくらは
出発の準備をしている
百貨店の商品開発部へ
スーツケースの中には
昨日の写真が一枚
完成した道の駅
戻る場所 あるな
小さく頷く
開店時間
シャッターが上がる
今日は行列はない
地元の年寄が一人
ゆっくり入ってくる
「昨日は来れんかった」
「今日でええんですよ」
菫が笑う
私は入り口の外側を眺める
遠くでバスが止まる
日常が戻って来ている
大きな成功でもない
派手な事件も無い
でも確かに
村は一歩 前に進んだ
道の駅は完成した
若者はそれぞれの道を選んだ
それでも
山も川も 診療所も 役場も
変わらずそこにある
その中に
新しい拠点が加わっただけだ
この話は ここまでです 毎日読んでいただきありがとうございます
皆さんの応援がありましたから 最後まで完走できました
この話は 微修正 追加 編集をして 春のチャレンジ2026「仕事」に
題名を変えて再投稿するつもりです また応援よろしくお願いします
ありがとうございました 感想ありましたら宜しくお願いします




