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第5話 スタイリッシュ勇者、見参!①

 光が静かに収まり、俺は目を開ける。



 夜の森の中。



「ガルルル……!」

 


 目の前にはでっかい狼みたいなモンスター。


 俺は剣を握りつつ、戦闘中!

 

 俺の剣、刃こぼれした両手持ちのグレートソードで、重くてゴツい。

 主人公っぽくないデザインというか、オークとかが使ってそうな武器。

 

 うーん……まあいいか。

 なんか意外と普通に持ててるし。


 よしっ!


 

 ――って、いきなり戦闘中!?

 転生のタイミング鬼かよ!



 でも、周りを見ると……うお、美女が三人!



「たああああッ!」


 長剣から放たれる雷の一撃!

 デカ狼、痺れて動きが止まる!

 

 剣士のレイチェル――金髪ロングでキリッとした顔立ち、白い軽量鎧に黒いニーハイブーツが眩しいリーダー格。

 カッコよすぎてマジ推せる。



「やるね、レイチェル! 私も負けないよ!」


 風を纏った矢が木に向かってバシュン!

 岩のようなデカい木の実が狼の頭に直撃!

 

 弓使いのミリー――緑髪ツインテで軽装の革鎧とショートパンツで、活発さが際立つ少女。

 笑顔がキャピっと愛らしい。好き。



「レイチェル、ミリー、無茶しすぎですよ」


 癒しの白い光が仲間を優しく包み込む。

 二人のかすり傷がみるみる回復!

 

 僧侶のエルフィナ――ピンク髪をゆるく結ったおしとやかな癒し系美少女。

 おっとり癒しボイスと純白ローブがマジ聖母。


 レイチェルとミリーが叫ぶ。

 

「タケル! シルバーフレイムでトドメだ!」


「やっちゃって!」

 

「えっ、シ、シルバーフレイム!?」


 なにそれ!?

 めっちゃクールな技名!

 

 右手を見ると銀色の炎がチロチロ。


「うお!?」

 

 これ、前回赤ドラゴン焼いたやつじゃん!


「タケルさん、怪我しないでくださいね」


 エルフィナの心配そうな目、ガチで心に刺さる。

 

 あれ? 彼女の握る水晶の杖って……セリィナと同じ?


 まあ杖なんてどの世界でも大体似たようなデザインか?

 

 とにかく、みんな激カワ!

 こんな可愛い子たちとパーティ組めてるなんて、今回の俺、どんだけイケメンなんだよ!


「う、うん! 任せといて!」

 


 ――いや、待て。

 前回みたいにやらかしたらヤバい。

 ここは慎重に……。

 


「ね、ねえ、みんな! この狼、敵だよね? やっていいんだよね?」

 

 レイチェルがポカン。

 

「えっ、当たり前だろ! 急に何言ってんだよ!」

 

 ミリー、クスクス。

 

「早く! いつもみたいにね!」


 エルフィナ、微笑む。

 

「今日のタケルさん、なんだか面白いです」


 よし、許可ゲット!

 スタイリッシュにキメてやる!


 俺のデカい剣の刃に銀の炎が迸る。


「シルバーフレイム・オーバードライブ!」


 即興技名叫んで銀の炎がバチーン!

 デカ狼、ギャオッと黒焦げ!


 俺、デカ剣を肩に担ぎ、レオン風キメポーズ!


 こ、これは……スタイリッシュすぎる……!

 


 レイチェル、拍手。

 

「タケル、さすがだね!」

 

 ミリー、目キラキラ。

 

「シルバーフレイム、最高! ホントかっこいいよね!」

 

 エルフィナ、頬赤らめ。

 

「タケルさん、勇敢で……とっても素敵です……!」

 

 おお、全員ガチデレ!?

 ハーレムスタートって、今回の転生ガチャ、神引きすぎる!




 ――戦闘が終わって、森の開けたとこで野営キャンプ。


 星空がキラキラ輝き、焚き火がパチパチ鳴る中、美女トリオと輪になってガッツリ談笑中。

 

 前回同様、背伸びせず、ありのままの自分で話してるからスラスラ喋れる!

 青春取り戻してる感じ、めっちゃ楽しい!

 

 レイチェルが串焼き肉に豪快にかぶりついて、白い歯でニッと笑う。

 

「タケルのシルバーフレイム、ほんと頼りになるね!」


 ミリーが焼きリンゴをパクパク食いながら、ツインテ揺らしてキャピっと無邪気な笑顔。

 

「うん! タケル、戦ってる時キラキラしてた! かっこよかったよ!」


 エルフィナが果物をナイフで薄くスライスして上品につまみ聖母スマイル。

 

「タケルさん、いつも素晴らしい活躍でしたね」


 うんうん、そうそう、これこれ!

 みんなデレデレ! これぞ理想のハーレム!


「ありがとう! みんなで魔王倒してハーレムエンドな!」


 あ、やべ、ガッツリ本音出た!

 

 でも……三人ともクスクス笑ってる。セーフ!


 レイチェルが串を置いて、焚き火見ながらちょっと真剣な目になる。


「魔王、ね。確かに今、魔王軍とは戦争中だよ。でもタケル、魔王ってホントに『悪』だと思う?」


 俺、串焼き肉かじりながらポカン。


「ん? 違うの?」


 この空気、なんか訳アリ?

 でも前回のミスもあるし、しっかり情報収集しておこう。


 ミリーが焼きリンゴパクッと食って、膝抱えてニコッと笑う。


「魔王『ゼルドラス』ってね、ホントはすっごく穏やかで寛容な性格だったらしいよ。昔は人間の国とも交流してたって、古老が話してた!」


 俺、肉落としそうになって慌てて口に押し込む。


「ゼルドラス!? いや、めちゃ悪そうな名前じゃん!」


 ――ん?

 寛容な魔王って……

 前回の魔王と同一人物か?


 いや、まさかな!

 

 エルフィナが果物をそっと置いて、優しく微笑みつつ目を伏せる。


「十年前、魔王城から宝玉が盗まれたんです。宝玉は彼の力を安定させるものでした。結果、力は暴走し、軍を抑えきれなくなってしまったんです」


 レイチェルが拳握って、焚き火に薪をドンと投げ入れる! バチッと火花が散る。


「そう。アレを盗んだ奴が戦争の元凶。私たちはその宝玉を取り戻して、和平を結ぶために冒険してるんだ」


「そ、そうだったんだ。じゃあその窃盗犯、懲らしめてやらねえとな!」


 俺が拳握ると、レイチェル、ミリーが顔見合わせる。


「っていうか、タケルがそのこと知らないのが驚きだよ」


「ね! めっちゃ意外だった!」


 え、なんで?

 イケメンだからって何でも知ってるわけじゃないし。


 俺、シルバーフレイムをチロチロ手で弄びながら頭フル回転。


 ――仮に「ゼルドラス」ってのが前回の魔王と同じなら……

 まだ和平締結はされてない。

 

 つまりここって――過去の世界?


 ――いや、待て。

 和平が破れて、また戦争始めたって可能性もあるよな?


 よーし、さらに情報収集継続だ!


 

「ちなみにさ、みんなはどこ出身?」


 レイチェルが剣を鞘にスチャッと収め、クールに笑う。

 

「私たちは『セレンディア』生まれさ。私たちの国はね、みんなが平等に魔法を使えるんだよ」


 セレンディア! 前回と同じ国! 繋がったぞ!

 

「へえ、魔法の国か! じゃ、王様ってどんな人? ひょっとして『世紀末フェイス』のイカついおっさん?」


 レイチェルが眉を上げてクスクス。

 

「世紀末フェイスって何だよ。ゼラ陛下はまだ二十代後半! 若いよ、おっさんじゃない!」


 おお、「ゼラ王」!

 前回のゼラ王、絶対50オーバーだから、これは「過去の世界」で確定!


 俺の推理、冴えまくり!


 ミリーが弓の弦をピンッと弾く。

 その右手に小さなつむじ風を作る。

 

「陛下はね、王国にある宝玉を使って、身分関係なく魔法を授けてくれるんだよ!」


 なるほど、前回ゼラ王が俺に魔法与えたのは宝玉の力だったんだ。

 

 エルフィナが水晶の杖を胸にそっと抱きしめる。

 

「数年前、陛下は戦争でご家族を亡くされたんです。孤独の中、先代から王位を継いで、顔つきは厳しくなったけど……いつも国民を第一に考えてくださってます」

 

「本当は温かい人だよ。ま、裏切り行為には容赦ないけどね」


「陛下のためにも、頑張らなきゃだね!」


 ゼラ王のこと話す三人の顔、めっちゃ輝いてる…… 。

 ガチ処刑されたからモヤるけど、すげえカリスマの持ち主だったんだな。


 でも、時代的にセリィナはまだ生まれてなさそうだな……。


 再会は無理か……。


 ――でもとにかく、魔王は今は敵!

 だけどホントの敵じゃないのは分かったぞ!


「よし! 必ずみんなで宝玉奪還してハー……平和な世界を取り戻そう!」


 ミリーが焚き火越しに俺の顔をじーっと見て、ニッコリ笑顔。


「タケルの顔見てると、なんか叶いそうな気がするよね! ほんと、不思議な感じ!」


 エルフィナがコクコク頷いて、聖母スマイル全開。


「私もです。タケルさんと一緒にいると、希望が見えるんです」


 レイチェルが豪快に笑って、俺の肩をバシン!

 めっちゃ痛え!


「だね! 平和な未来のために、よろしく頼むよ、タケル!」


 俺、ニヤニヤが止まらない。

 

「オッケー! イケメンは世界を救う! ってね☆」


 俺のウインクでレイチェルが水を吹きそうになり、ミリーが腹を抱え、エルフィナが涙を流して爆笑。


 ウケてる、ウケてる! 気持ちいい!


「あはは……タケル……ホント、面白いよね!」


 ミリーが笑いすぎて悶絶しそうになってる。


 レイチェルは座ってた木をバンバン叩き、エルフィナは顔伏せて肩プルプル。


 え? 待って。

 そ、そんな面白かった?

 笑いの沸点低すぎない?


 イケメンって何言ってもウケるんだなぁ……。

 

 俺、照れつつ肉をガッツリかじる。



 レイチェルが立ち上がって、剣を軽く振ってみせる。


「ふぅ、笑った笑ったー! よーし、話はここまで! 近くに温泉あるよ。汗流してくる?」


 ミリーがキラキラ目でキャピ。


「いいね! さっぱりしたい!」


 俺、鼻血寸前でガバッと立つ。


「混浴!? やった!」


 エルフィナ、顔赤らめてモジモジ果物持つ。


「もうっ、タケルさんったら。ダメですよ! 先に私たちだけで行きます。でも……一人で行動しないでくださいね。危ないですから」


 レイチェル、真顔で俺をガン見。


「タケル、絶対ここで待っててよ。いい?」


 何? 俺めっちゃ強いのになんでこんな心配されてんの?

 一人じゃ敵わないようなヤバいモンスターいる感じ?


 ミリー、俺に肩ポンして耳打ち。


「タケルの……その……顔、目立つから気をつけてね? なんか、誤解されやすいから……」

 

 俺、首傾げつつニッコリ。


 顔が目立つ……?


 あ! なるほど。

 この顔のせいで色恋沙汰のトラブルになりやすいってことか。


 確かにあの「レオン=アークブレイド」ですらヒロイン同士のいざこざでいつもタジタジだもんな……。

 イケメンはイケメンで色々と大変なんだな。


 今ならわかる。


「うん、わかった。みんなごゆっくり、楽しんできてねー」


 三人は仲良く談笑しながら温泉へ。

 俺、一人で焚き火見ながら全力のニヤニヤ。


 今回の世界マジでアツイ。

 みんな、かわいい。

 


 このチャンス、絶対に大事にする!

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