第16話 青春☆魔法学院!⑤
ミラノス・アカデミアの食堂にハーレムパーティ集合!
虹色プディングをはじめ、色とりどりの不思議スイーツがテーブルにズラリ。
まるでアニメの宴会シーン!
浮かぶ燭台がチラチラ輝き、食堂の壁には創設者「セリィナ」の肖像画が厳かに微笑む。
――祝勝会、スタートだ!
「俺の嫁パーティ最強!」
俺が両手挙げて叫ぶと、セーラが金髪ツインテを揺らし、顔真っ赤で吠える。
「このバカ! いい加減にしなさい!」
氷のつららが俺の足元にズドン!
でも、その瞳は少女漫画の乙女のキラめき。
オリビアが虹色プディングを右手に掲げてドヤ顔MAX。
「見て見てー! 私の炎で――」
ボフッ!
左手から炎が噴き出し、プディングの表面が一瞬で焦げる!
「この炙り加減! このキラキラクリーム! アカデミア史上最高傑作だよ〜!」
「コラッ、またオリビアちゃん! ここ飲食スペース、火気厳禁!」
食堂のおばちゃん、鬼の形相。
「おばちゃん、ごめーん! 盛り上げたかっただけー!」
ポニテ揺らして謝罪のテヘペロ。
セーラが額に手を当ててため息。
「……はぁ」
クロエがジト目で呆れ顔。
「バカタケルと変わらないな」
――やっぱオリビア、最高だわ!
エスターがケーキを切り分けようとナイフを持つ。
瓶底メガネを光らせ真剣な表情。
「ケーキの均等分割、角度36度、誤差0.01%で……よし!」
ナイフを入れる瞬間、瓶底メガネが……
ポロッとケーキにドボン!
「ひゃっ! わ、私のメガネ……!」
えっ、このタイミングで外れるのかよ!
正直もう諦めて油断してたわ!
――待て……な、なんだ。
何なんだよこれ……!
瞳が、薄いエメラルドに星空を閉じ込めたみたいに透き通ってる。
光の加減で虹色に煌めいて、睫毛一本一本までが白金色に輝いてる。
それはこの世の理をねじ曲げて降臨した“禁忌の美”だった――
近くにいた男子生徒たちが後ずさる。
「ひっ……エスター様……直視できない……!」
「し、視界が焼ける! これが伝説の……!」
「見えた……女神の御素顔……! 我がヴィルヘルム家の名誉と魂にかけて、貴女の剣となり盾となると、ここに誓う……!」
――新たな宗教の始まりを目の当たりにした。
彼女の周囲は食堂ではなく“聖堂”へと化した。
予想はしてたけど想像の8000倍可愛い!
ま、俺は咄嗟に舌噛んで、余裕で耐えたぜ!
エスター、慌ててケーキからメガネを拾い上げるも、クリームまみれ。
「み、見ないでくださいっ……!」
涙目で手がプルプル震えてる。
ドジっ子パワー全開で食堂中がクスクス笑う。
クロエは紫髪を揺らし、ゴスなジト目で俺を睨む。
「おい、バカタケル、食う前に礼言え」
口の端に虹色クリームがぺったり。
「……ん?」
気づいて、ちっちゃい舌でペロリ。猫みたい。
何事もなかったかのように次のひとくちをパクリ。
「クロエのプリン食べてる姿……子供っぽくて可愛いな!」
「は? 私が? 脳みそ10歳児が誰に言ってんだ」
頬がちょっぴり桜色。
スッと横向くけど、スプーンは止まらない。
「見んな。黙って食え」
──クールで毒舌でゴスで、でもちょっと子供。
このギャップ、反則すぎる。
リリが水色ふんわりヘアを揺らし、薄ピンクの瞳でニコニコ。
「ふふ、タケルくん、大活躍だったね」
虹色プディングをそっと差し出してくる。
リリ、マジで大天使!
そこへ、食堂の隅にいた貴族の女子生徒たちがソワソワと近づく。
リーダー格の銀髪女子が恥ずかしそうに頭を下げる。
「リリさん、昔、意地悪なこと言ってごめんなさい。私、あなたの才能に嫉妬しちゃってたの……」
「リリさん! 私たち、応援してるよ!」
他の女子たちも笑顔で手を振る。
「み、みんなのおかげだよぉ!」
リリ、顔を真っ赤にしてモジモジ。
俺はニヤリと親指を立てる。
――リリの癒しはみんなの心を掴んだ。
ハーレムパーティ……
いや、ミラノス・アカデミアの絆の要だ。
「セーラ! ハーレムリーダー、正式就任! おめでとう!」
俺がセーラの肩をポンと叩く。
セーラが「黙れ!」と氷のスプーンで手をガツン! 痛え!
「全員、俺のハーレム王国で暮らそうぜ!」
俺がドヤ顔で言うと、みんなの反応が一斉に飛んでくる。
「タケルっち、ほんとバカ! マジ残念イケメン!」
「バカタケル、妄想も大概にしろ。口を開くな」
「ハ、ハーレム確率0.0001%です!」
「ふふ、楽しそう~」
ハーレムパーティ、パーフェクト!!
――でも、なんか胸がモヤッとする。
宝玉触ったときのルナティア族やリン……
そして謎の紺色髪少女のビジョン。
帝国が宝玉をかき集めてるって話。
半年後の“赤い月”。
俺、なんか大事なこと忘れてる?
んー。
でもまあ……
今はいいや!
「俺、竹仲タケル! ハーレム王国国王への就任をここに宣言いたします!」
虹色プディングを高く掲げて叫ぶ。
「バカすぎる!」
セーラが氷のつららをチラつかせるけど、口元が緩んでる。
祝勝会で俺のハーレム魂がフルチャージ!
セーラのツンデレリーダーシップ、
オリビアの陽キャ火花、
クロエのゴス睨み、
エスターのメガネドジっ子、
リリの癒しスマイル――
全部俺のハーレム王国に必須だ!
――祝勝会が終わり、みんなで片付けを済ませた後、俺はセーラと並んでミラノス・アカデミアの浮かぶ階段を歩く。
キラキラ輝く城の廊下、星が瞬く夜空。
星見の庭にたたずむ「セレンディア三聖女」の銅像。
レイチェル、ミリー、エルフィナ――
四百年前、宝玉を奪還し、魔王軍と和平を結んだ英雄たちの姿が、星の光を浴びて静かに輝く。
それを見つめるセーラの金髪ツインテの青い毛先が風に揺れて、めっちゃ絵になる。
「なあ、セーラ」
俺がニヤッと振り返る。
「な、何よ?」
セーラがと少し警戒気味。
「なんかさ、セーラってセリィナそっくりだよな。声とか雰囲気とか、めっちゃ似てる」
俺、ふとセリィナとの思い出を重ねてみる。
顔や性格は違うけど、この“圧倒的ヒロインオーラ”……マジでそっくり!
セーラ、ツインテをいじりながら怪訝な顔。
「たしかに私の先祖だけど……まるで会ったことあるような口ぶりね。三百年以上前の人よ?」
やべ、転生の記憶、ポロッと言っちゃった!
「い、いや、なんか、ほら、肖像画見てたらセーラみたいな声してそうだなって!」
俺、焦って誤魔化す。
セーラ、ジト目でガン見してくる。
「……ふん、まあいいけど」
流してくれた。セーフ!
「て、てかさ、王女が先祖ってことは、セーラってお姫様なんだよな? プリンセスがハーレムリーダーかぁ!」
俺がニヤニヤで聞くと、セーラが「ハァ?」って顔でツインテをビシッと振る。
「全然違うわよ。『ミラノス家』と『ミラノス=バルドリオン家』は別。うちはただの『傍系』だから」
「ぼ、ぼうけい?」
セーラ、呆れ顔で続ける。
「とにかく……私は王家とは縁遠いの!」
「へ、へえ、そうなんだ。……でもさ、セーラは俺にとってのプリンセスだからな☆」
俺、調子に乗ってキモいウインク。
「バ、バカ! 何ワケわかんないことを……!」
セーラ、顔真っ赤でツインテをブンブン振り回す。
「ははは……」
……でも、なんか急に試験のときの自分が頭をよぎって、声が小さくなった。
「なあ……ぶっちゃけ、試験のときの俺、足手まといって思ったよ……な?」
セーラが一瞬、視線を逸らす。
すぐに真っ直ぐ俺を見て、小さく首を振った。
「……そんなこと、一度も思ったことない」
静かな、でも揺るぎない声。
「だって、私が班長よ? みんなを置いてくなんて、私が許さない」
風がツインテの青い毛先を揺らす。
「タケルは……ちゃんと最後まで諦めなかった。短剣振りかざして、私たちの前に立ってくれた。それだけで、十分すぎるくらい……」
セーラ、言葉を詰まらせて、俯きそうになる。
「……私、怖かったの。あのとき、みんなが傷つくんじゃないかって。でもタケルが『俺が守る』って叫んでくれたから、私も最後まで戦えた」
顔を上げたセーラの瞳が、星の光を映して濡んでる。
「だから……足手まといなんて、絶対に思ってない。タケルは、私の――私たちの、大事な仲間だから」
――俺、喉が熱くなる。
「……セーラ」
「な、何よ……」
「俺、セーラのこと、ガチで尊敬してる。リーダーとして、女の子として、めちゃくちゃかっこいいって思ってる――」
セーラ、耳まで真っ赤。
「タ、タケル……」
「だからさ、これからも――」
俺、笑顔で一歩近づく。
「ずっと一緒にいてほしい。最高の――“ハーレムリーダー”として……」
「は!? バッカじゃない! ホント信じらんない……!」
セーラ、顔真っ赤でプイッとそっぽ向く。
でも口元が緩み「プッ」と吹き出し笑い。
アルティメット級にかわいい。
「ま、あんたが試験中、相槌しか打ってなかったの、薄々感じてたけどねッ!」
「あちゃ〜! バレてたか!」
俺、拳を自分の頭にコツン。
遠くの方でオリビアたちが俺たち見てクスクス笑ってる。
――楽しい。
こんな爽やかな気分、何年振りだろう。
……いや、リアルでも初めてかもな。
フリーター時代じゃ絶対に味わえなかった。
――俺、この世界でみんなと生きてくよ。
セーラ、エスター、オリビア、クロエ、リリ……
やっと巡り会えた。
――本当の仲間。
セリィナの夢、最高の形で実現してるよ。
ありがとな、異世界転生。
感謝してるぜ……ミオ。
ソムナン君、俺の壺、この世界でようやく満たされたかもしれないよ。
――なんだか、胸が熱い。
ミオに突き放された時の言葉が少し頭をよぎるけど――
俺、今、めっちゃ幸せだ!
♪ 風が運ぶ君のSmile
魔法のSpar 心にFly
未来のSky 輝くDream
君とChase 星のSymphony ♪
――オリジナル爽やかエンディングテーマが脳内に流れる。
「青春魔法学院! 最高ッ!!」
両手を挙げ、叫びながらセーラにウインク!
「セーラ、愛してるぜ☆」
――スカッ!
「あ」




