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第10話 天下統一で中華ハーレム!①

 俺が目を開けると……


 

 木造の家、

 馬車がガタゴト、

 漢服っぽい服着た村人たちがウロウロ!


 

 うおお!

 

 こ、これ三国志ワールドじゃん!


 え、まさかのここにきて……


 固定世界からの脱却!?

 

 しかもかなり馴染み深い世界観!


 俺、学生時代に三国志ゲーやりまくったから知識は完璧!

 

 劉備、関羽、張飛を仲間にして、天下統一だ!


 

 腰には再び勇者の剣。

 

 うーん。

 

 ファンタジーすぎて世界観的に微妙だが……

 

 コレはコレでかっこいい!


 

 シルバーフレイムは……


 あれ、ない!?

 

 今回ノースキル!? 世界違うからか?


 まあ……俺の知識と主人公補正で何とかなるだろう。



 ステータス画面は……


 あった!

 

 何かデザインとか隷書体っぽいフォントが渋いな……。


 とりあえずポップアップ!


 

【武将名】竹仲タケル

 

【能力値】武力99、知略8、政治5、統率11


 

 ……野獣かよ!


 正直知略8はちと不安だが……


 武力99あればゴリ押しイケる!


 ない“知”は“武”で補う!


 これぞ主人公だ!



 そして、ふと横を見ると……


 キター!


 まるで天界より舞い降りた絶世の麗姫――リン!


 シルクのように滑らかに腰まで流れる漆黒のロングヘアは夜の帳をまとい、サファイアの星海を宿した瞳は、黒曜石の中に秘められた蒼き炎のごとく鮮烈に輝く。その滑らかな肌はまるでサフランと蜂蜜を溶かしたような、淡いオリーブ色の光沢!


 淡い水色の長衣は、金の糸で花や星の刺繍がキラキラ輝き、まるで夜空の天の川。長い袖と広がる裾が地面をかすめ、ふわりとかかる頭の薄布から金の花形髪飾りが覗く。

 

 どこかエキゾチックな風情が漂う高貴な顔立ちは、神話の女神が人の世に姿を現したかのようだ!


 そして首元には青白い宝玉のネックレス――満月のように輝き、彼女の儚げな美しさを引き立てる。


 一言で表すなら……そう。


【貂蟬もビックリの傾国美女!】


 

 ……でも、待てよ。

 

 このえげつないほどの高貴な雰囲気……。


 

 ハッ!


 ミオの最初の忠告が頭をよぎる。


 王族相手にタメ口=“自殺行為”――!


 リンの気品、王族とか貴族の可能性、マジでありそう。

 

 初手でタメ口はヤバいよな?


 俺、ちょっと緊張しながら慎重に話しかける。

 

「あ、あの、リンさん……さま?」

 

 リン、キョトンとして首を傾げながらクスッと笑う。

 

「タケル、どうしたの? 急に改まったりなんかして。さっきも言ったけど、『リン』でいいわよ」


 あれ? めっちゃ気さく!

 

 でもこの上品な笑顔、隠しきれない高貴オーラ……

 やっぱ只者じゃなさそうだ。

 

「ははっ、そ、そうだったね。リン、俺、三国志知識全開で絶対天下統一するから!」

 

 俺の熱い宣言にリンがお上品クスクス笑い。

 

「よく分からないけど……頼もしいわね。わたくしの国まで送ってくれるなんて、優しすぎる」


 その風鈴のような声に、俺の心は完全ノックアウト!


「あ、あのリン、俺の顔って……イケてる?」


 この確認は絶対必須!

 オーク顔はトラウマだからな!


 リンが照れながら顔赤くしてコクン。

 

「ええ、とっても……素敵だと思うわ」


 だって! 傾国すぎ!


 そういうとリンは手鏡を差し出す。

 

 映った俺の顔――


 黒髪ロン毛を後ろでバシッとまとめた好青年!


 三国志ゲーの“イケメン若武者”って雰囲気!


 いい仕事してるぞ、ランダム転生!


 よし、とにかく話の流れ的にリンを故郷に送り届ける護衛ミッションだな。


 でもまずは劉備ら見つけて、“桃園の誓いver2.0”!

 

 からの酒池肉……いや、天下統一だ!


「リン、絶対故郷に送るから! その前に仲間探ししよう!」


 リン、ちょっと心配そうに言う。

 

「タケル、ありがとう。でもこの辺りは盗賊も多いから気をつけてね」


 盗賊?

 武力99の俺の前では敵じゃない。

 

 しかも三国志かじり尽くしてる俺は実質タイムリーパー。

 

 歴史をなぞるだけで次の展開がお見通しだ。


 

 二人で村を歩いていると、路地の隅で10歳ぐらいのガキンチョが五人のゴロツキに囲まれていた。


 背の高いリーダー格のゴロツキが、ガキンチョの手から木の棒をひったくった。

 

 ガキンチョ、必死に叫ぶ。

 

「ウーサー、やめろよ! 返せよ!」


「ハッ! お前みたいなチビが『黄金騎兵団』なんて、百万年早えんだよ!」


 他の四人もニヤニヤしながら囃し立てる。

 

「へへ、そうだそうだ!」

「ガキは家に帰って草鞋でも編んでろ!」


 ガキンチョ、悔しそうにピョンピョン跳ねるが身長差で届かない。


 ――好感度アップのチャンス到来!

 

 リンにいいところを見せよう!


「おい、お前ら! ガキンチョいじめんな!」


 俺は剣の鞘を肩に担ぎ、ズカズカと近づいた。


 ゴロツキリーダー、ビクッとして振り返る。

 

「な、なんだテメェ! 関係ねえだろ!」


「関係あるんだよ。俺の目の前で弱い者いじめは見過ごせねえ」

 


 ――ドン!


 鞘を振り上げ、土の地面に叩きつける!


 乾いた土が舞い上がり、ゴロツキたちの顔にかかる。


「ひぃ! 勘弁してください!」

「や、やべえ!」

「逃げろ逃げろ〜!」


 ゴロツキたちは泣き声を上げて一目散に逃げ出した。弱すぎ!


 ガキンチョ、目を丸くして俺を見上げた。

 

「おっちゃん……ありがとう!」


 俺、ニヤリと笑って木の棒を拾う。

 

「おう、ダセえ連中だな、まったく」

 

「昔ね、村の外で見た“金ピカ鎧の騎兵団”がかっこよすぎて……。俺、あれに入りたいって言ったらあいつら、いっつもバカにしてくるんだ……」


 ――金ピカ鎧?

 

 蜀軍にそんな派手なイメージないし……

 どこの勢力だ?


「へえ、じゃあ強くなって返り討ちにしてやらねえとな!」

 

「うん! 絶対強くなる!」


 するとなんかガキンチョが干し肉差し出してきた。


「おっちゃん、これ食う?」


 

 ――!?

 

 前回の食中毒トラウマが発動!

 


「あ、ありがとよ。でも俺、胃腸弱いからパス! 気持ちだけもらっとくわ」


 ガキンチョしょんぼり。

 ちょっと罪悪感。

 

「……美味いのに」


 リン、クスクス笑う。

 

「タケル、意外と慎重ね。でも、本当に正義感強いわね」


 好感度アップ成功!

 めっちゃ惚れられてる!?


「おっちゃーん! 今度戦い方教えてね! 俺、もっともっと強くなるから!」


 ガキンチョが目を輝かせて大きく手を振る姿を見送る。


 

 ――気を取り直して村探索再開。


 俺の知識だと……

 

 劉備は優しそうなリーダー、

 関羽は長い髭武将、

 張飛は豪快大男だ。


 

 村を見渡すと、めっちゃ長い髭のオッサン発見!

 絶対美髯公!


「ねえ、関羽さん! 俺と天下統一、どうすか?」


 オッサン、左手で髭撫でながらキョトン。

 

「カンウ? 天下? オラただの農夫だぞ?」


 農夫!? その髭ジャマだろ!


 

 ――次、筋肉デカ男発見!


「張飛さん! 一緒に戦おう!」


 デカ男、オロオロしてビビる。

 

「ひっ! 戦い!? 無理無理、自分、学者なんで!」 


 じゃあ、なにそのムキムキ!?

 


 くっ、ゲームのイラスト頼りじゃダメか!


 

 ハッ!?

 

 年代が分かれば時代特定できるかも!


「リン、今って西暦何年? あ、建安とかでもいいけど」


「セイレキ? ケンアン? 聞いたことないけれど……でも一応、共通の暦で言えば『月耀暦381年』よ」


 ゲツヨウレキ!? 何じゃそりゃ!

 

 あ、でもよく考えたら俺……

 

 年代で特定できるほどガチ勢でもなかった!



 ――ひとまず茶屋でリンと休憩。

 


 やべえ、リンの横顔、美しすぎる。

 もう“絵”じゃん……!

 

 こんな美人とカフェデートとか、フリーター時代じゃ絶対ありえないシチュ!


 

 ……落ち着け、俺。

 

 25年間、女性経験ほぼゼロ、デートなんて初体験。

 

 ここで急にガチガチに緊張したらダサすぎる。


 自然体で、自然体で……


 深呼吸して、まずは状況確認から。


「あ、あのさ、リン。俺たちって何でここに来たんだっけ?」


 リンが首傾げて優しく微笑む。

 

「わたくしが襲われている時、あなたが助けてくれたのよ。その後、この村に立ち寄ったの」


 ――おお! 姫救出イベント!?

 

 覚醒前の俺、またまたナイスだ!


「ああ、そ、そうだった! あの時は危なかったね! 助けられてよかった!」

 

 リン、少し遠い目で続ける。


「ふふ、感謝してるわ。病の父に代わって遠い故郷から、別の国へ大事な用事で向かう途中だったんだけど、砂漠の道半ばで襲われて……」


 砂漠?

 三国志にそんなマップあったっけ?


 リンがホッとしたように宝玉ネックレスをそっと握る。


 ――この輝き……

 セリィナと一緒に洞窟で見た宝玉とそっくりだ。


「リン、そのネックレスって……?」

 

「故郷に伝わるものよ。わたくしの国では不思議な力を使う少数部族を匿ってるんだけど……これは彼らの大切な記憶が刻まれているの」


 少数部族……? ルナティア族?


 まさかな!

 

「でも、この宝玉を目当てに襲撃されて……」

 

「あの、ちょっとソレ、見せてくれる?」


 リン、ニコッと宝玉を差し出す。


「ええ、いいわよ」

 


 そっと触った瞬間――


 

 急に頭ズキーン!


 な、なんか脳にビジョンが流れ込んでくる!

 

 これが宝玉に刻まれた記憶……!

 

 

 ――誰かのシルエット!? ケ、ケモ耳!?


 

 う、頭割れそう!


 これ頭爆発死亡フラグか!?

 

 ソッコー手を離してフラグ回避!


 

「――あっぶねぇッ!」

 

「タ、タケル、大丈夫?」


 リンが俺の右手を握り心配顔。


「あ、ああ、ごめんごめん。大丈夫……ってあれ?」


 左手を見ると銀の炎がチロチロ。

 

 うおお、シルバーフレイム復活!!


「タケル……その炎って一体……」


「リン、この炎さえあれば仲間集めなくても故郷に送れるよ」


 ケモ耳ビジョンもルナティア族っぽいし、やっぱ固定世界継続中か!?


 

 まあいい。

 

 乱世だろうが固定世界だろうが、このまま姫護衛ミッション、完遂するのみだ!

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