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前回のあらすじ
『メロンパンを食べている時に喉に詰まらせて死んだ三原和孝はようやく永く眠ることが出来ると安心していたが、神の通過儀礼である"異世界転生の儀式"のために転生させられそうになったが断り続けていた。
女神は三原の『墓に戻らせてください』と願いを不死族に転生させることで叶えるという嫌がらせをした。
墓の中で眠っていたが墓の外からの戦闘音で目を覚まし助けを求められその呼びかけに応えた。
だが助けを求めた者と襲っている者両方を殺してしまいその死体を喰らった。
そして三原が自らの肉体を人間社会に溶け込めるよう変えて街に向かった』
時間軸は三原が姿を変えるか隠すか悩んでいた頃の天界まで遡る
「ミ〜タ〜マ〜さ〜ん!! あなたまた儀式で勝手なことをしましたね!! 一度転生先を決めたらもう元に戻せないことを説明しましたよね。私たち神がする仕事に失敗は許されない、だから人間の転生は元人間の神に管理させるという決まりですが……通過儀礼すら突破出来ないようでは、先が思いやられます。それでお詫びは当然したのですよね?」
「しっ、してません」
「あなた前の九回の儀式の時もしてませんでしたよね。結局私が強制的にお詫びと謝罪をさせた形になったので、今回は"もしも"やらかしてしまったとしても自発的にお詫びと謝罪をすると思っていたのですが……今から私が伝える言葉を今から三原様に伝えなさい、分かりましたね」
「…………」
「わ・か・り・ま・し・た・ね!!」
「…………はい」
「よろしい。それと流石に今回で十回目なので三原様を転生させた下界に行って三原様のサポートをしなさい。前の九人に関しては私たちが全力でサポートしていますのでご安心を……"失敗は成功のもと"と地球の下界ではいうみたいですが、ここまでの失敗も含まれるのでしょうか?」
「知りませんよ先生私に聞かないでください」
「そうですねあなたに聞いた私が愚かでした。それではお詫びと謝罪の件ですが…………」
そして私は先生に言われた通りの言葉をあいつに伝えた。
ほんとなんなのよ、あいつのサポートを私がしなきゃいけないのよ!! 私のせいってのは分かるけどいつも通りにしてくれればいいじゃない!!
「それじゃあ行ってきますよ先生!!」
「その前にこれを渡しておきます」
「なんですかこれ?」
「緊急転移装置を搭載したペンダントです。ちゃんとあなたが好きそうなデザインにしていますから安心してください」
「あっありがとうございます(本当に私が大好きなデザインじゃん……どうして知ってくれたんだろう。本当先生たちに何回も迷惑かけてるよね私の勝手な行動でさ、どうにかしなきゃってのは思ってはいるんだけどどうしたら……)」
「あとこのペンダントにはもう一つ機能があります。それは……」
「そっ、それは!?」
ごくり
「いつでも私たちにお悩み相談が出来る機能です!! どんな悩みでも聞きますよ、そして解決出来るよう全力を尽くします!! 私はいつでもあなたたちの味方ですから、それだけは分かってください。失敗は許されない……そうは言っても誰だって失敗の一つや二つ……もっとたくさんします。私だって数えきれないほどしました。ですから失敗出来るうちにたくさんしておきなさい……失敗後のフォローは私たちがしておきますので!! ミタマさん気をつけて行ってらっしゃい、それと楽しんでらっしゃい。天界では知れないこともたくさんあると思うから……それでも三原様のサポートは忘れずに!! 分かりましたね」
「……はい、先生行ってきます!!(そういってもどうせ自分が不利になるってときは私を見捨てるんでしょ……いっつも『私はいつでもあなたの味方だから』そう私に言ったやつらは全員私を裏切ってきた。神だろうが人間と変わらないに決まってる)」
そして私はあいつのサポートのために準備をした後下界に降りた。
読んでいただきありがとうございます!!