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カタカタカタカタ
休みたい休みたい今日に始まったことじゃないけど休日ぐらい休みたい
「三原っち今日も頑張ってるねぇ……あげるよこれ」
「なんですかこれ?」
「えぇ!? 前に三原っちが好きって言ってた大手まんぢゅうじゃん!!」
「見れば分かります」
「じゃあなんで聞いてきたの!?」
「どういう風の吹き回しですか? と聞きたかったんです中原課長」
「あぁそゆことね……それは、簡単なことだよ三原っち頑張ってもらおうと思って!!」
「はあ、そうですか……でしたらありがたく貰います」
「よろしい……じゃっ頑張ってねぇ」
頑張ってもらおうと思うんだったら帰らせてくれ!!
私が働いているこの『荒御魂商事』は所謂グレー会社だ
まあ今はそんなことどうでもいい……なぜかって今はとにかく寝たいし休みたいんだ!!
しかし困っている同僚を放って置けるはずもなく呼ばれて来てしまった
分かっている程よく使われていることぐらい
だからとっとと仕事終わらせて帰って寝る!!
十九時間後
「おう三原まだ残ってんのか……じゃっこれも頼むわ……納期が今日の十時までなんだよマジで頼む三原にしか頼めないんだよ、俺たちだけじゃ間に合わなくてな頼むよ」
「分かったから頭を上げてくれよ横谷……でも少し待ってくれないか?」
「何かあったのか?」
「他にも六人に手伝いを頼まれててもうすぐ終わるから」
「了解……手伝ってもらうんだから三原は何か欲しいものあるか? なんでも買ってくるぞ」
「なんでも……なんでもいいんだな、だったらメロンパン……新作メロンパンが絶対欲しい!! なんでもいいんだろ頼むからな横谷!!」
「分かった新作メロンパンだな待ってろ」
一時間後私は急いで全ての頼まれた仕事を終わらせた。
その後すぐに横谷がメロンパンをたくさん持って帰ってきた。
「お〜い三原買ってきたぞ〜!! 調べた限りの新作はあらかた買えたが何個買えなかったから美味しそうなメロンパン七個買ってきた!!」
横谷が買ってきたメロンパンを食べることに
「ありがとう横谷……それじゃあいっただっきま〜す」
そして私が八個を食べた時
「んぐっ!!」
ドンドン
「三原まさか喉詰まらせたか水、水……水がないぞ!?」
あっ意識が……
「三原……おい三原……み……」
プツン
「ようこそ三原和孝さん、私は天界で輪廻転生を司っている神の人柱……見習いの元人間のミタマです。さあ三原転生させますので能力を選んでください!!」
「転生……しなくてもいいですから……眠らせてほしいです」
「遠慮しなくていいから……さっ早く早く」
そのやりとりを十回ほど繰り返して私は強気に
「私はしなくていいと言っているんです!! 早く墓に戻らせてください!!」と言った。
すると分かってくれたのか
「あぁもう分かったわよ!! はいどうぞ!!」
と言って物語で見るようなワープの穴を作ってくれたのでそこを通った私はようやく永く眠ることが出来ると思い安心していた。
「なんなのあの人間!? せっかく私が転生させてあげるって言ってんのに……ふっふっふ、嫌がらせとして食屍鬼として転生させてやる!! 『墓に戻らせてください』って願いは叶えてやってんだから別に何したっていいよね!! しかも殺されて眠られても困るから超強くしてから転生させてやるわ!! これで私をコケにしたあいつの願いが叶わないのはいい気味よ…………はっ、あぁぁぁぁまたやっちゃった私の性格がこんなだから一人前の神になる通過儀礼の"異世界転生の儀式"を何回もやらされるんだ!! 性格なんてどうやって変えればいいのよ!!」
私はなぜか目が開いたが真っ暗だな。
ゴンゴン
真っ暗なのは目の前に何かあるから……あの女神が戻してくれたとすればここは墓の中か
さて眠るとしよう
スゥ……スゥ
それからどれほど時間が経ったのか外から音が聞こえて目が覚めてしまった。
「はあ、はあ、まさかこんな墓地にまで追い込まれるとは、だが俺はこんなとこで死ねないんだ!! 動く大地」
ドドドド
「その程度の技で僕が倒せるとでも思ったか霹靂の勇者よ。得意な雷魔法を使ってはどうだ!!」
「お前はここの噂を知らないのか?」
「死者が蘇るとかいう眉唾物のやつだろ……ぷっははは貴様バカなのか? まあ試してみろ、無理だと思うがな!!」
うるさいもう少し眠らせてくれ……邪魔をしないでくれ
「もう少しだけ威力を上げる……頼む噂が本当であってくれ、俺だけでは……もう」
頼む……か、ほんと私は頼まれごとには弱いな
ドゴン
「ゔゔぅあぁあ」
「やった蘇っ…………え?」
グチュ……ブチン
あっ間違えた
「いやだやめ……て、た……す……けて」
グチュクチュ……パキパキ
「なっ、なんなんだあの化け物は!? だけどそいつは俺の獲物だ横取りするんじゃねえ!! テメェも殺して報酬アップだな!!」
バタン
この身体上手く操作できないな
「隙だらけだぜ!!」
カン
「なぜそんな腐った身体で刃が通らないんだ……」
おっとっと……少しずつ慣れてきた
眠りの邪魔をされることに比べれば人殺しなんて造作もない私はそう思いこの男も殺した。
最初の助けを求めてきた人を殺したのは狙いを誤ってしまった……と言い訳をしておこう。
腐った身体と言っていたなあの男は……ということは今の身体は屍人か食屍鬼ぐらいか私が思い浮かぶ範囲だと、しかし今の自分の姿が分からない以上確信は持てない。
しかし魔法があるということはあの女神は私の『墓に戻らせてください』という願いしか叶えてないのか、ようやく永く眠りにつけると思ったのに…………ちょっと待てよ、ここには魔法があるってことは今まで思いつかなかったような眠りを体験出来るかもしれないってことだよな!!
だとしても人間の世界に紛れた方が体験出来やすいだろうけど、まずは生き物を殺したんだから、無駄にしないために全てを喰らう
ガブ……ブチブチ……グチュ
そして私は殺した二人を喰らった。
「味覚がないおかげか少し苦手だった血の味がしなかったな。もしかしたらメロンパンがあるかもしれないし味覚は欲しいところだな、喰らった物の能力を奪えるとかがあればよかったんだけど」
すると遠くの方から川の流れる音が聞こえてきた。
私は今の姿を見るチャンスと思ったのと、何か発見出来ると思ったからだ。
私は十七分ほどグチャグチャのっほのっほと歩いた。
そして川で自分の姿を見るとあの男が言った通り腐っていた。
昔プレイしたゾンビゲームに出てくるような化け物だった。
これだと人間社会に溶け込むのは無理だな。
どうにかして姿を変えるか隠さないと……そうだ誰かから奪おう
すると突然あの女神の声が聞こえてきた
『さっきはごめんなさい。私があなたの願いを叶えず不死族として転生させて……しかも勇者以上の強さにしちゃったからほとんど死ねない身体にしたから、喰らった物に変換・変化させる機能を付けたからさっき食べた二人の身体と今の腐った身体を変換させれば人間社会に溶け込めると思う。お詫びも兼ねてるから……もう一度言います本当にごめんなさい』
謝るなら戻してほしいところだが人を殺した以上魂が向こうに行ってるからもう元には戻せないのだろう。
変換させられるなら二人の身体のいいところを貰おうと思い色々変換させた。
そして「あ〜あ〜テス、テステスマイクテス……よし声がまともに出るようになったな」
私はさっそく街に向かってみた。
見つけて読んでいただきありがとうございます!!
眠りたい眠りたい眠たいと感じた時に思いつきましたので書きました