プロローグ:星船とネクシー
祠の奥に台座があり、壊れた星船の一部が埃にまみれていた。帆の骨組み、星晶が埋め込まれたパネル。おじさんが夢見たものだ。台座の横に古い紙。「ザストラ教団が星を旅する船を作った——ユウイチ」。おじさんの名前だ。「星の記憶を封じ、丘に隠した。次の旅人に託す」と続く。
「俺も星に行きたい」星船に触れると、星晶が強く振動し、祠が光に包まれた。「キーン」と高く鳴り、光が収まると青白い影が浮かぶ。小さな少女、星屑のような髪、透き通った瞳。
「……誰だ?」短槍を突き出し声が震えた。
「私はネクシー、星をつなぐ星霊。この星船に封じられてた。君が触れて目覚めたの」柔らかな声に、どこか懐かしさが混じる。
「星霊?村の噂じゃ呪われるって…おじさんと何の関係だ?」
「ユウイチは私の最後の旅人。星船を隠し、私を封じた。村を守るためだよ。彼の夢が君に届いた。君の手と短槍があれば直せる。星の彼方へ行けるよ」
星船のパネルに短槍を近づけると、星晶が共鳴し、光が船全体に広がる。壊れた帆が軋みながら浮かび、形を取り戻した。「これ…動くのか?」
「君の意志があれば動く。私と一緒に、ステラリスを探しに行こう」ネクシーの言葉に、ユウトの胸が熱くなった。