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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター3 血族の絶望
68/69

#44

「あら、みんないいですね。羨ましいです。私は水に入れば故障するので、入れないのですが」


 イブは、悔しそうな顔をして言った。

 やっぱり感情はあるみたいだ。


「ねえ、イブは好きなものってあるの?」


「断末魔ですかね。普通の人生じゃ、一回も聞けないじゃないですか♡」


「まあ、そうだろうね」


 断末魔なんて、人生で一回も聞きたくないけど。


「さあさあ、そんなことよりも。そろそろプールはお開きにしてくれませんか? これから食事の準備があるので」


 みんなプールサイドに上がり、イブからもらったタオルで体を拭いていた。


「私、もう帰るね」


 夜空ちゃんはそのままパーカを着て出て行ってしまった。


「あーあ、行っちゃった。あの、残った皆さんでプールの掃除係を決めてください。決め方はこのクジで。赤い印がついているものを引いた人が、掃除係です。拒否権はありません」


 まあ、クジ引きなら公平だろうけど、僕もやりたくないな。室内だとしても、掃除する時はズボンの裾をめくらないといけないから、寒いし。


 そう思いながら、みんなくじを引いた。


「あ、トマトだ~」


「私……ですね。掃除は嫌いじゃないので、構いませんが」


 味見沢さんと吉野さんになった。


「じゃ、よろしくですね~」


 部屋に戻ると、イブがテレビに映っていた。


「フフッ、相変わらず運悪いですね。無愛想な冷ちゃんとか、根暗な虚ちゃんとからまだしも、鍛えてる伊織君にプールの中に落とされても、全然萌えないよね~」


「そういうのどうでもいいよ。水面に顔面ぶつけて痛かったけどさ」


 そう言いながら鼻を押さえて上を見上げた。

 そんなとき、食事アナウンスが流れた。


「ああ、行かなきゃ……」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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