#41
部屋に戻ると、ドアについている小さなポストの中に何かが入っていた。
「お兄ちゃん分かった」
そう書かれていた。送り主の名前が書かれていないけれど、夜空ちゃんだろうな。
お兄ちゃん……。分かったんだ。って、えぇ⁉ ついに見つかったんだ……。
気がつけば、隣の部屋をノックしていた。
「開いてるよ」
部屋には、髪を結び直している夜空ちゃんがいた。
「どしたの?」
「お兄さんって……」
「ああ、それね。碧葉君だよ。でも、覚えてないみたい。十歳の頃に急にそれ以前の記憶がなくなったんだって。で、私も覚えていないってわけ。でも、カフェオレ飲んでいた時にあのネックレスが見えたから、間違いないんだけどな……。まあ、向こうもモデルだもの。混乱させるわけにもいかないから、お兄ちゃん探しはこれで終わり! こんなに近くにいるとは思わなかったけど。でも、小さい頃からお兄ちゃんとは全然似てないし、説明できないんだよね。ネックレスが同じなら、弱いけど証拠として言えるかもしれないけど。向こうの今の名前は『碧葉』だもん。最初の名前の『一月』をもじって、作った月のネックレスの話をしても、信じてくれないだろうし」
「ほんとにそれでいいの?」
「いいのいいの。見つかっただけで大満足。でも、一緒に探してくれた君には、伝えておかなくちゃなって思ったんだ」
見つかったのなら、良かった……。でも、お互いがすれ違っているみたいだった。
でも、僕は手伝っただけで何もしていないから、二人のことは誰にも言わないでおこう。
「分かった。じゃあね」
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