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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター3 血族の絶望
62/69

#38

「もしもし」


 目を開けると、イブが立っていた。


「がっつり寝てましたね~。みんなもうご飯食べて、自由に行動してますよ~」


「えぇ! ねえ、今何時か分かる⁉」


「えっと、あ、ちょうど九時が過ぎた頃ですね。断罪が終わってから、丸一日寝てたんですよぉ~。私、てっきり死んじゃったのかと思って、脈計っていたんです~。生きてるようで良かったです~」


「そう言われれば、お腹減って来たなあ」


「へぇ、やっぱり人間は簡単な仕組みなんですね。聞けば空腹感が襲ってくるなんて」


「そうなのかもね」


 そう言って、僕は屋上から降りた。

 ご飯食べて、シャワー浴びて部屋で……何しよう。


 リビングには誰もいない。

 僕はキッチンに立って、冷蔵庫を見ていた。


「……何作ろう?」


 お母さん同窓会とかで、夜がまでいない日は、夕食を自分で作っていたっけ。

 だから、料理は結構自信あるかも。少なくとも、砂糖と塩を間違えて、すごくしょっぱいマフィンを作ったことのあるお父さんよりかは。


 結局早く作れるホットケーキになった。

 僕が小さい頃から、日曜日の朝食は決まってホットケーキ。それもはちみつたっぷりの。


 何で日曜日に作っていたのか……。理由は分からないけれど、お母さんのホットケーキは絶品だった。

 今は作ってくれなくなったけど。今度、作ってもらおうかな。


「おっ、ホットケーキか。うまそ」


「うわっ!」


 びっくりした……。


「な、なんだ。音寧君か」


「そんなバケモンみたいに驚かなくても」


「ごめん」


「まあ、許してやるけど。一日寝てたら、さすがにお前も腹が減るか」


「あ、音寧君も食べる?」


「いや、俺はいい」


「そ、そう……」


「じゃ。あ、二階で風早が歌うんだってさ。集中したいから、誰も入るなって」


「分かった」


 そう言って、音寧君はリビングから出て行った。

 一人でホットケーキを食べて、お皿を洗って……その後どうしよう。


 そう思っていると、どこかからアップテンポでこもった音源が流れた。


「あ、風早さんが歌い始めたんだ」


 風早さんは突拍子のないことを言い出すけど、やっぱり歌や音楽には真剣に向き合ってるんだなあ。

 歌声は聞こえないけれど、伴奏だけ聞いて僕はそう思った。


「僕も勉強しようかな」


 勉強と言えば、やっぱり図書室!

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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