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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター3 諦めの絶望
57/69

#33

 みんなが机の前に立つと、イブは咳払いをして言った。


「それでは、簡単におさらいしまぁ~す。誰が殺したのかを話し合ったうえで、みんなの手元にあるタブレットを使い、多数決を取ります。そして、その多数決で一番獲得票の多かった人を処刑しますっ! 疑わしい人を適当に殺すのは絶対にダメだからね。それでたまたま当てたらすごいけどぉ、それじゃ、見てても面白くないしっ♪」


「イブは知ってるのか? 誰が殺したのか」


「ううん、知らないよ。だから、どんな結末に転ぶかはこの天才AIの頭脳をもってしても分からないので~す」


「自分で言うか? それ……」


「ほらほら、じゃあ、さっそく始めます。第一回の断罪を仕切るのは、聖奈君! 頑張ってね」


 これも最大多数の“生”を保つため。とにかく頑張らないと。


「じゃあ、始まり始まり~!」


 目の前にあるタブレットが起動し、タイムカウントが始まった。


「じゃあまずは、味見沢さんと一緒に行動していた吉野さんが、何であの時いなくなったのか聞かせて」


「私が持っていた高校の生徒手帳で手を切ったので、トイレで血を洗い流していたんです。『トイレに入る前に、私が先にトレーニングルームを探しておいて』と言いました」


「で、ほんとにいなくなってたのか」


 音寧君が不審そうに尋ねた。


「はい」


「でも、それでもお前が給湯室に一番近かったのに、なんでお前は東条を除いた俺たちと同じくらいに着いたんだ?」


「喘息持ちなので。走りたくなかったんです。それに、味見沢さんは常にテンションが高いので、大したことないことに驚いているんだろうと」


「ふうん」


 音寧君は煮え切らない返答に顔をしかねていたが、黙って、僕に「早く進めろ」と言った。


「えっと、味見沢さんから、東雲君を見つけたときのことを教えてもらおうかな」


「いいよ。文ちゃんが言った通りなんだけど。最初にトレーニングルームを探していたんだ。でも、いなくて、その向こう側にある給湯室に行ったんだよ。そしたら、ドアが重くて、やっと動いたと思ったら、血を流した駆君がドサッと。で、トマト驚いて、そのまま腰抜けて、座り込んじゃったんだよ」


「でも、それを証明する人いないですね」


 白石さんが言った。


「そうですね。皆さんは私を疑っているようですね。でも、それならもっと疑わしい人がいますよ」


「それは誰⁉」


 風早さんが言った。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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