#32
「で、二人は何見つけたの?」
「給湯室を適当に探してたよ」
「え、給湯室ってマ? え、よくあんなとこは入れたね」
「トマトちゃんは心神喪失って感じだし、青藍ちゃんはトマトちゃんに付き添ってるから、二人いない中での捜査だしね。だから、二人がいない分も動かないといけないし」
「ふうん。まあ、それもそうだけど」
その時、捜査時間終了のアナウンスが流れた。
「あーあー、マイクテスト。はーい、捜査時間は終了で~す。あ、人数確認のために、断罪室の前にお集まりください」
「さあ、私達も捜査は終わりにして、一階に行こう」
「全然緊張してなさそうだね」
「どんだけタフなんだよ」
断罪室の前に来た。
「なあ、服部。もうちょっと笑ってくれないか」
「あら、また怖がらせたかしら。ごめんなさい」
「別に謝らなくていいけど」
「彩斗君って、ずっとそのリュック持ってるよね。何入ってるの?」
「え、面白いのなんかはないよ。スケッチブックと、シャーペンと、あ、あと定規だけ。まあ、定規もガキの頃から使ってるから、印字も薄くなってるし、ガタガタになってるけどな。あっ!」
手が滑って、落ちた定規を僕が拾った。
「はい、どーぞ」
「サンキュー」
「あ、トマトちゃん来たよ」
「あはは、みんなごめんね。まだ本調子じゃないけど、結構よくなったよ」
「みんな揃ったね」
「本当に話し合いをするんですね……」
「大丈夫だって。みーんな“星の称号”を持ってるんだから」
……って、あれ。おかしいな。変な感じするなあ。
懸賞パズルの答えになる部分みたいな、絶対に欠けちゃいけないところが欠けてるような感覚。
「ほら、行こう」
――最大多数の幸福のため。疑って、話し合って、進まないといけないんだ。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
パンパカパーン!