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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター3 諦めの絶望
55/69

#31

「じゃ、次どこ行く?」


「駆君の部屋は?」


「え、でも、人の部屋に入るのって気が引けるなあ」


「もういないんだから、しょうがないよ。それに、最大多数の幸福のためには、証拠集めないといけないんだから」


「分かった」


 駆君の部屋に入って、机や椅子など色々と調べた。


「あ、ベッドの下に手紙が入っていたり」


「いや、そんな分かりやすい所にはないと思うけど……」


 夜空ちゃんはマットレスの下に手を入れて探していた。


「あ、あったよ」


「え、マジ……」


 驚いている僕を尻目に、夜空ちゃんは便箋を取って読んでいた。


「へえ、見てみて。これ、駆君をおびき寄せるためのエサだよ」


挿絵(By みてみん)


「これも保管しておこう」


 僕はビニール袋に入れて、部屋から出た。


「操作から一時間が経過しました。ただ今から、より強力な証拠を見つけるために、図書室の奥にある研究室を開放しました。氷室君が待っていますので、鑑定してほしいものがあれば渡してください」


「あの粉と、この便箋だね。指紋ついてるかもしれないし」


「うん。届けてくるね」


「あ、ちょっと待って。もし誰かにすれ違って、何を見つけたのか聞かれても誤魔化してね。証拠隠滅されるかも」


「分かった」


 図書室に向かう途中、絵藤君と服部さんとすれ違った。

 そう言えば、二人はペアになってたな。


「お前もなんか見つけたのか」


「うん。まあ、関係ないと思うけどね」


「まあ、色々持って行った方が良いんじゃね?」


「そうだね。じゃあね」


 僕はそう言って図書室に入った。

 図書室の奥の部屋は解放されていて、氷室君が座っていた。


「これお願い」


「分かった」


 図書室から出ると、筆先さんと夜空ちゃんがいた。


「あれ、何でいるの?」


「氷室が鑑定係になったから、あたしは一人になったってわけ。そしたら、星乃ちゃんが来たの」


「ほら、何してるか気になって」


 ああ、確かに。筆先さんが東雲君を殺した可能性だって十分ある。

 夜空ちゃんが、それを監視するために動いたのかもしれない。


「筆先さんはどこにいたの?」


「トレーニングルーム。ほら、あいつってずっとそこで走ってたから」


「何か見つけた?」


「もう氷室に渡したけど、ダンベルを見つけた。しかも凶器確定のやつ」


「何でそう思ったの?」


「氷室が六階から薬を何個か持ってきて、ルミノールだっけ。血を見つける液を作って、そこにあるダンベルに全部吹きかけてたの。そしたら、一個だけ反応するダンベルが置かれてたから、それが凶器確定ってわけ。だって鈍器なんだろ?」


「なるほど」


 筆先さんの言っていることに矛盾しているところは無いな。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ふぅ、一話が短いので溜めといたのを一気読みしてきました。 ついに殺人事件発生からの探偵パートですね! [気になる点] 死体を3人以上が同時に見つけたらアナウンスが流れるなら、常に3人で行…
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