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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
47/69

#24

 屋上から戻ると、みんながそれぞれの部屋の前に立っていた。


「あ、大丈夫か?」


「うん。あんまり覚えてないけど」


「まあ、一晩寝てれば何とかなるでしょう。それよりも、お互いを知った今からデスゲームが本格的に始まります。そこで、統率をとるためにルールが書かれた電子生徒手帳を作りました。はい、どーぞ!」


 イブが配ったのは薄い手帳。

 開くと、ページが無く、小さなモニターから、映像が映されている。


「使い方はスマホと同じです。画面のアイコンをタップしたり、スワイプすることで使えます。ルールが登録されているコンテンツのアイコンは真っ黒のアイコンです。他は適当にタップしてみてください。そこに書いているルールを破ったら、ペナルティが課せられますので。では! おやすみなさい! あ、ちゃんと鍵かけないと、仮面被ってチェーンソー振り回してる人が現れるかも!」


「『十三日の金曜日』ですか」


「お前情報古いな」


「あー、ねみー。おやすみー」


 みんな部屋に戻る。

 僕も部屋に戻った。


「はー、疲れたな。それに、まだ頭痛い。あ、でも、この手帳に書いてること見とかないと……」


 手帳を開いて、真っ黒のアイコンをタップする。


「お、開いた」


 そこにはこう書かれていた。


 以下のルールはこれからお前らが生活するになるこの月銀学園での生活におけるルールです。これを破った場合は、学園長にして傍観者であるピエロンからハンデが与えられますので、自分の首を絞めないようにお気を付けください。


1.この月銀学園においてイブに逆らう事は許しません。


2.夜十時以降は《夜時間》となり、学園の施設が使えなくなります。

  ※トイレ、給湯室は例外です。


3.施設を破壊した場合は、いかなる理由があろうとハンデを与えます。


4.学園の中の施設は《夜時間》以外、自由に使ってもらって結構です。

  ※屋上のプールは《夜時間》でも使用可能です。息抜きとしてお使いください。


5.この学園から日本国憲法、及び法律的な範囲で合法的に逃げ出すことはできません。

  ※嫌なことでも、やらなくてはいけない。それがこの世の真理です。


6.断罪は誰か一人を殺し、それを殺した実行犯である《罪人》を見つけ出す話し合いのことです。

  ※参加者は平等な投票権を持っています。


7.死体を三人以上の人間が同時に見つけた場合、死体発見のアナウンスを一回流し、捜査のための時間を取った後、断罪が開かれます。この時に、断罪室にお集まりください。


8.皆さんで話し合い、最終的に《罪人》である実行犯を見つけ出した場合、《罪人》は処刑され、残ったお前らで生活を続けて貰います。


9.正しい《罪人》を指摘できなかった場合、《罪人》以外の全員がおしおきとなり、《罪人》はここから脱出できます。


10.イブは《罪人》に有利になるよう助言をしたりなどの、《罪人》の有利になる協力は一切しません。


11.殺し方は問いません。オーソドックスで在り来たりな刺殺、銃殺、撲殺などでも、推理小説であるような凝ったトリックを使っても構いません。しかし、「これが欲しい」などのリクエストは受け付けません。学園内にあるものを使ってください。誰か一人を殺せばOKです。


12.このルールは今後、イブの判断によって追加される可能性もあります。ルールを増やされ、息苦しい社会のような学園生活にならないことを祈ります。


「あはは、すごい皮肉だなあ。でも否定もできないよね~」


 そう思いながら、ベッドに入った。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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