#20 明智碧葉&白石虚&皇青藍編
「白石の名前の由来ってなんだ?」
「え?」
「『虚』って、珍しい名前だから。気になっただけ」
「私の名前は、父の祖父がつけたんです。祖父は勘が鋭くて、父も祖父を信じて意味も聞かずに、この名前をつけたそうなので、私も父も分からないんです。曾祖父も亡くなってしまいましたから」
「ふうん。まあ、俺だったら絶対知りたいと思うけど、お前はそうでもないのか」
「そうですね……。白石虚って語感が良いので、気に入っていますから」
「ふうん。皇の名字は変わってるよな。漫画で言うなら、強キャラって感じ」
「そうですね……。わたくしの名前は神父様がつけて下さったので。その神父様の名字が皇なんです」
「まあ、お前には似合ってるな。その神秘的な感じ」
「ふふっ、ありがとうございます」
「それと、皇ってハーフか? 日本人っぽくない顔だからさ」
「はい、そうですよ。父が日本国籍のクォーターです。母はヨーロッパの方らしいです」
「そうなんだ」
「でも、それならクォーターともハーフとも言えないな」
「グローバルな血ってことですね」
「はい。色んな血が入っているので、父はわたくしのことを『地球』と呼んでました」
「明智さんの名前の由来は何なんですか?」
「何だろな。俺の名前の印象って『女っぽい』しかないんだよ。――あ、そう言えば女っぽい名前で女顔いたな。おーい、東条!」
あ、僕のこと呼んでる。
「なあに?」
「お前の名前の由来は?」
「えっと、ちょっと待って……考えるから」
僕の名前の由来、小学生の頃の宿題で聞いたことがあるんだけど……。
「あ、思い出した。『聖母マリアみたいな優しい子になってほしいから』だったと思う」
「名は体を表す、だな」
「そうなってればいいかな。そんなことより、僕ってそんなに女の子みたいな顔してる?」
「うん」
「ええ」
「そうだと思います」
えぇ~?
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