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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター1 目覚める前の日常
4/69

ゲーマーの星(1)

「勝者は『Milky Way』です!」


「イエーイ! 一億ずつね」


「ちゃっかりしてんな」


 インタビュー後、すぐに支度して明日の夕方くらいには日本に着く。


「ん~、つか~れた!」


「全戦圧勝! やっぱ俺たち最強だな!」


「あんなにビビってたのに~?」


「うるさいっ!」


 ……そう言えば、三人が初めてチームを組んでから、一回も負けたことないなあ。


「で、お前の兄ちゃんはいたのか?」


「ううん。いなかった」


「やっぱり、誰かに依頼したら?」


「ううん、それじゃ意味ない。このコインがちゃんとつないでくれるはず」


「まあ、お前の兄ちゃんだし、お前が決めていいけどよ」


「帰る準備しよう」


「と言っても、私はゲーム機と、スマホしか持ってないんだよね。あ、あとこのヘッドホン」


「いや、それだけが珍しいだけ」


「まあね」


 そう言いながら、ゲーム機をケースにしまった。


「それに、お前はもう帰るんだろ?」


「うん。二人は観光でしょ? お父さんとお母さんによろしく言っといて」


「普通は娘が言うもんだけどな」


「じゃあね!」


 無理やり話を切って、待合室から出た。

 飛行機に遅れたら取り返しがつかない!


 幸い、私って意外と足速いんだよね。ずっと椅子に座りっぱなしなんだけど。


「間に合った間に合った」


 私は飛行機に乗って、アメリカから出発した。


「あー、ねみー」


 そう思って、私は眠りについた。



「夜空、後ろ向け。それと、目を閉じとけ」


「うん」


「見ていいぞ」


視線を落とすと、首に金色のネックレスがついていた。月のモチーフが描かれているコイン。


「いいか、夜空。お前と俺がまた会うまで、このコインは絶対に無くすなよ。ほら、俺も同じの持ってるから。これが俺とお前をつなぐものだ」


「どういうこと?」


「ほら、一月君。こっちにいらっしゃい」


「はい」


そう言って、お兄ちゃんは私から離れた。その瞬間、お兄ちゃんがどこかに行ってしまう、って分

かったんだ。


だから、私はすぐにお兄ちゃんが乗ろうとしている車に駆け寄った。


「待って! 待って、お兄ちゃん!」


「ダメよ、夜空ちゃん!」


そう言って、大人の女性が私の手首をつかんだ。


「お兄ちゃん!」


その瞬間、目が覚めた。


「あ……」


私の首には、コインが一枚ぶら下がっている。お兄ちゃんの存在を忘れないように、寝るとき以外は学校にもカバンにつけて通っていた。


そして、あれ以降、私は手首をつかまれるのが怖くなった。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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