#15
昼食は味見沢さんを筆頭にパーティの話でもちきりだった。
一番楽しそうにしていたのは、今羽さん……は二人いるから、華子さんと味見沢さん。
「はい、楽しそうにしているところ申し訳ないですが、先ほど皆様がつけている青いバングルのアップデートが完了しました。とっても嬉しい新機能を実装ですね」
「新機能って?」
「それは秘密です。来る時が来れば、すぐに使用します」
「また?」
「あ、それともう一ついいお知らせを。全員が、お互いに自己紹介を終わらせたみたいですね。良かったです。あとは、みんな自由に話してください」
「あの、星乃さん! えっと、お願いが、ありまして」
「オドりすぎ! あのね、星乃。アンタに似た子のコスプレ衣装、縫ったんだよね。そしたらさ、白石ちゃんがそれ着た星乃を撮りたいって」
「いいですか? ほんのちょっとでいいですから! 私の人生で、星乃さん以上に、あの服が似合う方に出会えないと思うので!」
「いいよ」
「よっしゃー! ほらほら、行こう! アンタの身長に合わせて作ったんだけど、着たまま手直しするし。あっ! アンタらにも後で見せたげるー」
そう言って、夜空ちゃんの背中を押して三人は筆先さんの部屋に戻って行った。
「夜空ちゃんの身長に合わせたってことは、雅ちゃんは最初から着せるつもりだったんだね」
「『かわいい』もののコスプレなんて、永久保存に決まってます~♪」
イブは笑って、また監視に向かった。
充電式のロボットだから、充電しているとき以外は、ずっと歩き回っているらしい。
「冷ちゃん、どーしたの?」
「別に。考えていただけよ」
「ふーん。でも、どんな服かな」
「コスプレって、大抵フリルとか、リボンとかたくさんあるイメージだけど」
どんな服なんだろ、楽しみかも。
にしても、筆先さんってコスプレの趣味あったんだな、意外。
「さあてと、俺はまたマンガ読み行くかな」
僕は部屋に戻って、執筆しようかな。
最後まで読んでくださりありがとうございます。