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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
37/69

#14

「ねえ、イブを壊せば、私達は解放されると思う?」


 僕の部屋に入った夜空ちゃんは、ドアを閉めながらそう言った。


 ――イブを壊せば、解放される。そんな安直な考えが通るとは思えない。

 この施設を用意するのにも、あのイブ自身を作るのにも、かなりの資金が必要なはず。


 個人で用意するなら、それこそ「金持ち」の例えで使われる「アラブの石油王」並の資金を持っている人じゃないと。


「無理、だと思う」


「……私もそう思う。人殺しを強要するなら、向こうもかなり練っているはずだから。それこそ、世の中で起こりうる“想定外”を全部カバーした感じの。みんなは誰も死なないと思っている。でも、もし誰かが我慢できずに殺したら、みんなはそれでも『待っていれば、誰かが助けてくれる』って」


「いや、殺してでも出たいって考えるんじゃないかな?」


「さあね。でも、生きないと、だね。だって、生きたいって思ったでしょ? あと、これは内緒ね」


「でも、伝えた方が……」


「ダーメ。だって、まだ均衡は崩れてないでしょ?」


「え、でも……」


「ほら、テンプレでよくあるでしょ? ()()()の世界の警察は無能だって。だから、デス()()()に巻き込まれている私たちも、警察を頼りにしちゃいけないんだって」


「え、じゃあなんで僕には」


「教えな~い。でも、君は死んでほしくないからね」


 そう言って、ベッドに座った。


「僕も、夜空ちゃんには死なないでほしいな」


「聖奈君って、そういうことサラッと言えるタイプの、天然女たらしだね……」


「え、どういうこと?」


「説明しても意味ないだろうから、気にしないで」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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