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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
36/69

#13

 図書室から出ると、廊下の壁にもたれて、金髪の子が座っていた。

 今度はヘッドホンをかけている。


挿絵(By みてみん)


「あ……。お前らそういやいたっけ。あ、お前、フード取ったら美人じゃん。そのままの方がよくね?」


「私もそう思うよ。でも、顔出したまま外歩けば、絶対知らない男の人に声かけられるからね」


「それはそれですごいと思うけど、お前からしちゃただの迷惑か。って、名前言ってなかったな。音寧伊織(おとね いおり)。“指揮者の星”だ」


「指揮者ってことは、音楽できるよね。何で音楽?」


「俺の親が音楽系の世界の人だから。まあ、俺からすれば女の子と遊ぶための道具でしかないけど。そのために、楽器は一通りできるようになったし。楽器できるヤツってモテるじゃん? ギターとかベースとか」


「暇なんだね」


「親曰く、俺は器用だからいっつも暇なんだと」


「じゃあ、何で耳隠してんの? そのヘッドホン、頭にかけてるだけでしょ?」


「俺耳がいいから、普通の奴よりも音が大きく聞こえんの。それがうるさいから、こうやってしてるんだけど、大して意味はない」


「ふうん。そういうの持ってる人って、生活も大変って聞くけど」


「いや、そうでもねえよ。そういう人は俺よりも、もっと部分的な能力だと思う。じゃ、俺はもう違う男と仲いい子には手を出さないから」


 そう言って、フラフラとどこかに行った。


「えっと、ってことは、付き合ってる女の子とかは引き抜かないんだね。良かった、安心したかも。誰彼構わず、話しかけてるわけじゃないんだ」


「これで、全員だね」


「うん、そうだね~。ねえ、部屋に戻ろう」


 そう言って、僕の腕に全体重をかけてきた。


「うわっ!」


「やっぱりからかい甲斐あるなあ。全部予想通りで面白い」


「そこ褒められても……。あの、それより、早くどけて」


「ごめんごめん」


 その時、廊下にある大きなモニターにイブが写った。


「はぁ~い、施設のいたるところで探索しているみなさぁ~ん。殺すためには情報収集! ということで、今日の夕食の時間、一階のホールに集まってください。パーティしましょう! 休みに着く暇が無くて申し訳ないですが、トマトちゃんはパーティで使う料理をお願いします」


「イブ、また何かするつもりだね」


「うん……。行こう」


 僕の部屋に戻るとき、何か話している絵藤君と東雲君がいた。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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