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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
35/69

#12

「アメリカに住んでるんでしょ?」


「うん。お母さんたちも向こうにいるからね」


「アメリカの食文化ってどんな感じ?」


「とにかく量が多いって感じ。でも、味はいいし、構わないけど。そもそも、食事の時間忘れてゲームするから、食べないことも多いけどね」


 その後も食べ終わるまで、ずっと二人の話を聞いていたんだけど、眠くなってきてそのまま寝ちゃった。


「いいなあ、日本は窮屈すぎるんだよねぇ。なんか、感情持ってるロボットって感じ」


「そうだね。日本とアメリカじゃ、考え方も全然違うよ。でも、日本のアニメとかマンガを好きな人は、アメリカにもたくさんいる。文化も違うのに、そう思うのは不思議だなって思う。ごちそうさま、おいしかったよ」


「お粗末さまでした~。教えてくれてありがとね」


「うん、。あ、それと茶髪のボブの子とか、どこにいるか知ってる?」


「ああ、文のことか。図書室にいるんじゃね? アタシが会った時もそこだったし」


「図書室か。分かった。聖奈君、起きて起きて」


「ん~、食べ終わったんだ」


「うん、図書室にまだ話してない子がいるかも、らしいよ」


「分かった」


 僕は目をこすって、立ち上がった。

 図書室は、学校のよりもずっと広くて、蔵書もたくさんある。


「いたいた。ボブカットちゃん」


 椅子に座って、熱心に百科事典を読んでいる茶髪の子がいた。


挿絵(By みてみん)


「……そう言えば、お二人の名前を聞いておりませんでしたね。私は吉野文(よしの ふみ)と言います。都内の図書館で司書として働いている“司書の星”です」


「司書って、大変って聞くね」


「そうですね。しかも忙しいわりに薄給ですから」


 受け答えはどことなく冷たくて、淡々としてる。あんまり話すのが好きじゃないのかな。


「私から話すことはもうありません。話したければ、そこにいる三人にどうぞ」


「あ、うん」


「じゃ、文ちゃんの邪魔にならないようにしよ~う。ねえねえ、そこの三人」


「ああ、お前らか。普通なのと、無駄に美人なの」


「ふ、普通って……」


挿絵(By みてみん)


「んで、名前か。俺は明智碧葉(あけち あおは)。“モデルの星”だ」


挿絵(By みてみん)


「あ、僕は景山(かげやま)まふゆです。タロットカード専門の“占い師の星”です。他もいろいろできるんですけど、一番当たるのはタロットカードです」


挿絵(By みてみん)


「僕は氷室一颯(ひむろ いぶき)です。スイスの父と一緒にウィルスの研究をしてる“研究者の星”です。まあ、僕より父の方がずっとすごいんだけどね……」


「そんなことないだろ。一颯もすごいと思うよ」


「ん、僕もそう思うよ」


「で、みんなは漫画を読んでたんだね」


「普段は小説しか読まないから、久しぶりにな」


「僕は漫画しか読みませんね。小説みたいな文字が多いのは、どうしてもお経に見えちゃって……」


「お経?」


「はい。僕の家系は住職の家系なんです。お経を読むことも多かったみたいです。僕も小さい頃から聞いていましたから」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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