表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
34/69

#11

 リビングから出ると、よく似た二人がいた。


挿絵(By みてみん)


「おはようございます!」


 スカートを履いた子が僕に言った。


「華子、ここはテレビ局でも何でもないし、相手は一般人だから。それに、敬語も今はいいでしょ」


「あ、そっか! ごめんね、華子は今羽華子(いまはね かこ)


「別にいいけど」


「私は今羽未来(いまはね みらい)。“アイドルの星”って言われてる」


「未来はいつもこんなツンツンした感じなんだ。だから気にしないで」


「ツンツンなんかしてない。元からこんな性格なんだから仕方ないでしょ」


「あ、それとね、未来はね、華子と間違うととっても怒るから気を付けてね」


「え、でもどうやって見分けるの?」


「視覚的に分かりやすいのは、ヘアピンじゃない? 私は左。華子は右」


「そうだね。双子アイドルってこういう時、不便だよね」


「頑張るしかないでしょ」


「うん、じゃあね~」


 二人と別れると、あのギャルっぽい子がキッチンへ入って行った。


「料理するのかな。行ってみよ」


 夜空ちゃんが忍び足で近寄って、大声を上げた。


「わっ!」


「ぎゃっ! って、なんだ、あんたたちか」


挿絵(By みてみん)


「ごめんね~。無防備な人を、驚かせたくなっちゃうのが人間だよね~」


「心臓に悪いから、年寄りにはやめた方が良いと思うよ? そのままポックリ逝っちゃうかも」


「うん、もちろん若い子にしかしないよ」


 若い子は全員夜空ちゃんのターゲットになるんだな……。


「さあ、そんなことより! 君の名前は?」


「ああ、そういえば言ってなかったけ。筆先雅。書道家が何とかって言われてるけど、キョーミなし。あ、でもそのおかげでアタシの高校と家に金が入ってるんだよねー。それと、奨励金とか何とかって聞いたけど、金以外はどーでもいいし覚えてないや」


「どうしてそんなに執着するの?」


「そりゃ、金があればおいしいものがたくさん食べれるから。アタシはそのために古臭い書道やって、金稼いでるんだから」


 僕からすれば、結構ひどい言い方だと思うけれど、彼女にとっては書道もそれだけの認識なのかも。


「あ、二人も食べる? ふわふわ卵のオムライス」


「食べる!」


「あ、僕はいいよ……。お腹空いてないから」


「あっそ。じゃあ、うちらだけで食べよ」


「うん」


 僕は椅子に座って、オムライス食べてる二人の会話を聞いていた。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ