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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
31/69

#8

「ねえ、夜空ちゃんは何が好き? あ、ゲーム以外で」


「ん~? マジック……かな」


「マジックできるんだ」


「大がかりなのはしたことないけど、カードとかテーブルマジックならね」


「ふうん」


「そっちは?」


「自分でも分かんないんだよね。自分から何かにはまったことないからさ」


「ふうん」


 階段を上がろうとすると、上からイブが下りてきた。


挿絵(By みてみん)


「おやおや、お二人おそろいですか。聖奈君はともかく、夜空ちゃんはいつも通りかぁいいですね~。顔が出ない実況者とかゲーマーじゃなくて、アイドルでもモデルでも何でもできそうなのに、その容姿を生かさないとは残念です」


 そう言ったイブは両手を顔に当てて、恍惚の表情を浮かべていた。

 関節が球体だからか、なぜか怖く感じる。


「何でそんなにかわいいものに執着するの?」


「そりゃ、鉄の塊のロボットでも、女の子ですから」


「じゃあ、カッコイイ男子は? ときめかないの?」


 夜空ちゃんがそう言った瞬間、イブは真顔になった。


「ああ、いいえ。女の子ですが、私が萌えるのは『かわいい』ものだけですから。カッコいいものは萌える対象になりません」


「ふうん」


「それと、お二人も他の方を探しているみたいですね。ふふ」


 そう言って、階段を下りて行った。

 僕たちは階段を上がると、給湯室の前にあるベンチに、金髪の子が座っていた。今度はイヤホン付けてる。


「あ、お前フード外したら、めっちゃ美人なんだな」


「どーも。君の名前は?」


音寧伊織(おとね いおり)。“指揮者の星”だ。指揮者も音楽もどーでもよくて、モテればそれでいいんだけどな。そこの黒髪。お前の名前も一応聞いとこ」


「東条聖奈だよ」


「何で指揮者になったの?」


「金があって、名前も売れとけばモテるじゃん? あ、楽器もそれ理由で習得した」


「すご」


「あ、でも女の子ならいいってわけじゃない」


「絶対詐欺に遭うタイプだね。じゃあね~。伊織君」


 そう言って、夜空ちゃんは逃げるように彼から離れて行った。


「やっぱり『美人』って言われるの慣れないな」


 自覚がないのかな。それとも、興味がない?


「トレーニングルームにも誰かいるね」


「あ、ほんとだ」


「入ってみよ」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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