表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター2 始まるわけのない絶望
30/69

#7

「じゃあね」


 僕も外に出ようかな。


「あ、ねえねえそこの黒髪君! 名前教えて~」


 日本人だから、ほとんどの人は黒に近い色じゃないかな? と思いながら、声の聞こえる方向を向いた。

 そこには、さっき朝食を作ってくれた子が立っていた。


「東条聖奈だよ。“作家の星”って言われてるよ、世間では」


挿絵(By みてみん)


「トマトは味見沢(あじみさわ)トマトだよ。さっきも言ったけど“コックの星”だよ。よろしくね!」


 初めてまともに話すけど、距離が近いな。

 でも、別にいっか。


「うん、よろしく」


「じゃあね~」


 そう言って、走りだした。


「さっき危ないといったのに、もう走ってるわ」


「えっと……?」


服部冷(はっとり れい)よ。よろしく」


挿絵(By みてみん)


「よろしく……」


 大和撫子って感じする子だ。


「……何かしら? 顔に何かついてる?」


「え⁉ あ、ごめん、何でもない!」


 そう言って、逃げるようとした時、クスッと笑ってこう言った。


「走ると危ないわよ」


「何で走るって分かったの?」


「さあ? 何でかしら」


 そう言って、颯爽を歩き、どこかに行ってしまった。

 感情が読めない人だ。でも、今笑ったところを見る限り、感情を隠しているだけのような気もするけど。


「あ、聖奈君! まだここにいたんだ」


「うん。でも、それってそんなに驚くこと」


「いや、でも、こういうデスゲームでは『普通でどこにでもいるありきたりな主人公』が、動いて話が進むからね。ゲームの中では」


「で、その『普通でどこにでもいるありきたりな主人公』が僕……」


「そういうこと」


 反論もできないが、ちょっと凹んだ。


「みんなの名前まだ知らないでしょ? 一緒に行こう~。私、一人嫌いだから」


「え、でも実況する人は一人でしょ?」


「でも……。って、ほらほら引きこもりの話なんて聞いてないで、みんなを探そ」


 あーあ、ごまかされちゃった。


「で、誰と話したの?」


「味見沢さんと、服部さん」


「あ、私も一緒!」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ