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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター1 目覚める前の日常
23/69

書道家の星(1)

「筆先さん、ちょっといいかしら?」


「何ですか、せんせー」


 そう言って、体育館まで連れてかれた。

 白い布と、青いバケツに入った墨汁、筆が置いてある。


「何ですか、これ?」


「この横断幕に書いてほしいの。『目指せ! 阿姨野(あいの)高校 甲子園出場!』って」

「ダサッ! え、マジでそれ書くの?」


「お願い!」


「まあ、いつも世話なってるし、それくらいならいいですよ」


「よろしくね」


「はいはい」


 あたしは、カバンを置いて、靴下を脱ぎ、筆を持ち、墨汁につけた。

 そして、手本の書体を覚えて、一気に筆を動かす。


「よし、出来た」


「出来ましたよー!」


「ありがとー!」


「はいはい」


 体育館から出ると、野球部の人がいて、バカでかい声で礼を言われた。


「別にいいよ、このあたしが書いてあげたんだから、絶対に勝ちなよね~」


「はい‼」


「だからうるっさいって」


「すみません‼」


 あー、ダメだこりゃ。


「じゃあね~」


 書道なんて古臭くて、全然使うとこないのに、何で日本ではそれを教えるんだろ。


「ま、あたしはそれが特技なんだけど」


 でも、これ使えるのって大会だけだよね。後はどっかのパフォーマンスとか。

 大会はともかく、テレビとかでパフォーマンスしたら、あたしか学校に金入るしいっか。

 古いとか新しいとか関係なく「それができる人」が少ない場合は、重宝されるんだよね。


 そう思いながら、パンケーキ屋に入った。

 写真にとって、SNSにアップすると、すぐに反応が来た。


「おいしそ」


 あたし、反応は見ないから、意味ないけどね。

 友達でもない人のコメとかどーでもいいし。


 「おいしいし、満足満足♪」


 金を払って、外に出ると、どこからか祭囃子が聞こえた。

 クソ寒いのに祭りとか、時期ズレすぎじゃね?


「せっかくなら、音の聞こえる方向に行ってみるか」


 面白そうだし。

 そう思って、太鼓の音が聞こえる方へ歩いた。


「おっ、どんどん近くなってる」


「ギャルの姉ちゃん、どこ行くの?」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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