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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター1 目覚める前の日常
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指揮者の星(2)

 次の日、公演が終わって、俺は片づけをしていた。

 誰もいない所に一人。この静かさが一番好き。


 俺は耳がいいから、ずっとヘッドホンを使っているけど、それでもみんなの悪口、影口全部聞こえる。

 だから、誰の声もしないこの静かさが一番気に入ってる。


 俺、結構何でもできるんだよな。ガキの頃に、父さんのおせっかいで楽器は一通りできるようになったし、口うるさい母さんのおかげで勉強もできるし。姉さんは俺に処世術を。兄ちゃんは人とケンカしたらいいのかを。


 でも、みんな「愛」はくれなかったな。“指揮者の星”として、世界中に名前が届いてからは。だから、女好きになったんだろうな。幸い、楽器もできて、高身長で、顔も良い俺だから、俺に唯一愛をくれる存在だから。まあ、例外もその女の中にいるんだけど。


 あいつが……かわいくないわけないんだよな。でも、俺よりも愛をたくさんもらって生きてきた奴だから、嫉妬してるだけかもしれない。


「あーあ、かっこわりぃな。これじゃ、兄ちゃんが天国で腹抱えて笑ってるわ」


 ……あーあ。いい人って、すぐ死ぬんだよなあ。何でだろ。悪人を長く生かせて、善人の命を短くして、バランスとってんのか? じゃあ、そうした神様はバカだな。善人の命短くしたら、この世に残ってるやつ全員。……いつか悪人になるっつーの。


 その時、ステージの証明が落ちた。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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