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星が降る夜、一つ学園の中に閉じ込められて  作者: アーヤ
チャプター1 目覚める前の日常
15/69

写真家の星(2)

「行ってきます」


 いつもの焼きそばパンを買って、学校に行った。


「白石先輩!」


「ああ、美墨さん。どうしたの?」


「今日はコンテストの説明なんですよね?」


「え、ああ、うん」


「それって、コラージュも良いですか?」


「ん~、どうだろ。先生に聞いてみるね」


「ありがとうございます」


「美墨さんは、編集もできるの?」


「はい、最初はコラージュにはまっていたんですけど、素材を作るのも良いなと思って、写真部に入ったんです」


「へえ。あ、先生だ」


 私は顧問の蘇芳先生に話しかけた。


「おはようございます。あの、一年の美墨がコラージュも大会では良いかと」


「ああ、いいぞ。写真がメインだったらな」


 良かった……!


「ありがとうざいます」


 私は美墨さんに伝えた。


「やった!」


「良かったね。それじゃ、私はここで」


 そう言って、私は彼女と別れた。三年の先輩たちも大学受験とか就活で、忙しいからもう部室には来ない。でも、部室にはこれまで所属していた先輩たちの写真がアルバムとなって、保存されてる。部員はそれを見ることができるけど、どれも本当にキレイに撮られていた。


 でも、今年入部したのは美墨さんただ一人。彼女が卒業したら、いやそれまでに人数不足で潰されるかもしれない。それだけは絶対に阻止しないと。


 そう意気込んで、教室に入った。今回の大会で好成績を残したら、人数不足が原因で廃部になることはない。


「あ、来た来た。丸メガネ」


 そう言って、みんな私を見てクスクスと笑ってる。でも、もう慣れたから怖くない。

 いつも通り、席に着いた。


 ……私は目を閉じて、耳を澄ませた。みんなの笑い声は聞こえない。大丈夫。全部私のためだから。

 普通に授業を受けた後、写真を撮って、また現像する。これだけだ。学校が終わった後、美墨さんと写真を撮ればいいだけ。


 そう思って、私は一日を過ごした。


「白石先輩、今日はもう帰りますね。えっと、使いたい素材はもうそろっているんです。早く仕上げて、手直ししたいので」


「分かった。じゃあね」


「はい、さよなら!」


 じゃあ、私は何を撮ろうか。

 そう思いながら、学校の屋上に上がった。


「あ、星撮ろうかな」


 ド田舎のここは、星がはっきり見えるから。

 カメラを構えてシャッターを切った瞬間、流れ星が写り込んだ。


「すごい……。こんなの狙って撮れない」


 私はこの写真に満足して、家に帰る準備をした。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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