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生きる覚悟

まだ描くことに慣れておらず、表現がくどかったり展開が遅かったりと散々ですが、大目に見てもらえると助かります。

自分の置かれた状況の過酷さに嘆いていた俺だったが、とにかく生きるためには安全な寝床を確保しなければいけないと考えて川の周囲を歩き始めた。


周囲は直径が2メートル近くもある木々が生い茂っており、足元はさまざまな種類の花や草が確認できた。


しばらく周囲を歩いていた俺は、直径が4メートルほどもある大木が横倒しになっているのに気付いた。

そしてその木には、人ひとりが辛うじて入り込めるほどの洞が、地上高さ2メートルほどの場所にあるのを発見した。


木のそばに歩み寄り、木のうろの縁に手をかけ中を確認すると、コケなどが繁茂していたが、背に腹は代えられないと、ここを当面の寝床とすることに決めた。


そして、寝床の安全を確保するために、入り口部分を覆うための蔦などを周囲の木々からちぎって集め始める。


1時間ほどしてようやく作業が終わり、少し不自然ではあるが木のうろを隠すことに成功した俺は、今度は自分の武装などを確認し始めた。


自分が持っていたのはゲームの時に取り付けた武装と同じようで、ボルトアクション式の有効射程が1.5キロほどのスナイパーライフルと、副武装として振り出し式のリボルバーを携帯していた。


背にはバックパックを背負っており、中にはゲーム中に回復薬として使用できたポーションが複数、FPSゲームとしては珍しいスタミナの概念があるゲームであったためプレイヤーの必須アイテムであったスタミナ上限を一時的に上げるレーションが5つ。


武器類は、片刃で刃の背側が鋸状になっているサバイバルナイフ1本、全体的に黒くつや消しされたダガータイプの投げナイフが5本ほど、スタングレネードが5つ、グレネードが10個ほど入っていた。また、スナイパーライフルの弾薬が約400発ほど、リボルバーの弾薬が300発ほど入っていた。


これだけでも10キロを超える重量をしており、特に体を鍛えてないただのサラリーマンである自分には重いはずであったが、身体能力も今のこのアバターの体に合わせてあるようで特に重いと感じなかった。


また、バックパックには暗視ゴーグル付きのヘルメットと顔全体を覆うことができるガスマスクがぶら下がっており、その迷彩柄のヘルメットに合わせるような、迷彩柄で統一された防弾チョッキや靴などの戦闘服を身にまとっていた。


改めて自分の容姿を川の水面で確認すると、そこには自分が時間をかけて作った傭兵風の目つきの鋭い男がうつっていた。


髪色は黒で、短く刈り込んであり、程よく日に焼けた肌で、鋭い目つき、右目には切り傷が縦に走っており、その容貌の鋭さをこれ以上ないほどに強調している。


体つきは頑強で、重厚な大胸筋、引き締まった広背筋は着衣の上からでも容易に確認できた。

身長は180センチを超え、まるで巌のようないかつい見た目だ。


今ある食糧ではもって数日であるため、食料となる植物などを調達したいところだったが、周りにある植物はどれも見たことがないものばかりで、毒などを考えれば切羽詰まるまでは手を出す勇気がない。


となると、あとは動物を狩るぐらいしかないので、自分の身体能力がどの程度なのかを改めて確認することにした。


川のそばの悪路で全力疾走したり、川にある岩などを持って力がどの程度なのか確認する。


そういった検証を行った結果、どうもこの体はかなり高い身体能力を有しており、ゲーム中に出来た機動などはそのまま再現することができた。


また、ゴブリンのような外敵と近接戦にもつれ込んだ時などを想定して体を動かしているときに気付いたのが、どうもこの体に備わっているのは身体能力だけでなく、近接格闘などの技能が備わっているようだということだ。


実際、ゴブリンを倒した時も、いくらゲームで慣れていたとはいえ、リボルバーをスムーズに取り出し条件反射的に照準を合わせて撃つといった動作は俺には無理だと気付いた。


だが、どうもまだ俺がこの体に馴染んでいないせいか、多少そういった技能を発揮するのがぎこちないということも分かった。


「身体能力などが高かったのは不幸中の幸いだな」


そう独り言ち、俺は今後の行動方針を考え始めた。


いくら武装などがあるとはいえ、弾数は有限であるから、できるだけ早く人里を見つけないと破滅することはたやすく理解できた。


なので、可及的速やかに、食用の動物を狩り食料を確保したのち、川沿いを下って人里を探すことにした。


そんなことを考えているうちに日が暮れてきてあたりに夜の帳がおり始めた。


俺は急いで、レーションを口に含んで腹を満たしたのち、日が完全に落ちる前に寝床に入り、体を縮こまらせ目をつむった。




翌日、朝日が昇り始める少し前の薄暗い時間帯に目を覚ました俺は、木のうろの中から周りを確認し、異常がないことを確認したのち、外に出た。


川の水で顔を洗った後、レーションを半分に分けて片方を食べたのち、さっそく昨日立てた方針通り食用の動物を探すことにした。


周囲を警戒しながらリボルバーを手に持ち川沿いを下りながら動物の姿を探すべく周囲に目を走らせる。


そうしていると、川下の約200メートル先にシカのような動物が川辺で水を飲んでいる姿を確認できた。


俺はすぐその場に身を伏せると近くにあった大岩の上まで匍匐前進で移動し、岩の上でスナイパーライフルを静かに構え照準をシカに合わせる。


こちら側が風下にあたるようで、シカは匂いでまだ俺の存在に気付くことはなく水を飲んでいた。


トリガーに指を這わせながら、照準がぶれないように息を軽く止めると、引き金を勢いよく引き絞った。


弾丸はシカの胴体に吸い込まれるようにあたり、シカは傷口から血をとどめなく流しながらその場から離れようと動き始める。


俺はそれを逃がさないように、リロードを行ってぶれた照準を再度シカに合わせ、息を止め弾を打つ。


2度目に撃った弾はシカの足の付け根に命中し、シカはその場で地面に倒れた。


俺はシカがその場から立ち上がることができないのを確認してから、銃を背にかけシカが倒れているところまで軽く走った。


シカはまだ息があったようで、地面に横たわりながら、息を苦しそうに喘がせながらその場から逃げ出そうと懸命にもがいている。


俺はその様子を見て、これが改めて現実だということを認識されられた。言いようのない罪悪感に苛まれながらも、生きるためだと自分に言い聞かせてシカの頭にリボルバーの照準を合わせる。


震えそうになる手に力を入れて、俺は引き金を引いた。


その後俺は、その場に倒れ伏し、動かなくなったシカの死体の首を手にしたナイフで掻き切り、血抜きを行った。


その場にはむせ返りそうなほどの血の匂いと、首を切った時の生々しい感触が手に残って俺は何度も吐いた。


だが、血の匂いにつられて外敵がやってくるとまずいので、ただひたすらうろ覚えのサバイバル知識を使って、解体作業に没頭した。


解体したシカの食べられそうな部分を川の水で洗い流し、ここに来るまでに摘んでおいた幅広の葉っぱで肉をくるんでバックパックに入れた。


そして、シカの亡骸の角の先をナイフを使って削り取り、ポケットに入れその場を後にした。


精神的に疲弊しきった俺は、一度拠点に戻って、木のうろの中に身を滑り込ませ目を閉じ、泥のように眠った。



目を覚ますと、日が真上に登りちょうど正午ごろのようだった。


寝て少し落ち着いた俺は、さっきの出来事を振り返り、毎回憔悴していては生き残れないと自分に強く言い聞かせ、折れそうになる心を奮い立たせた。


覚悟を決めると、自分が空腹であることに気付き、さっき狩ったシカの肉を食べることにした。


俺はこれまたうろ覚えの知識で、その場にあった木と蔓で、錐と弓のようなものを作り、木を回転させた摩擦熱で苦労して火を起こした。


火でシカ肉を焼いてナイフで一口サイズに切り、口に放り込んだ。



焼いたシカ肉は、少し鉄臭かったが、俺には忘れられない味になった。



ちなみに、ゴブリンを殺した時よりもシカを殺した時のほうが動揺が大きいのは、ゴブリンを最初に狩った時はまだゲーム気分が抜けきらずどこか非現実的な感覚で動いていたからです。

そこら辺の描写を入れようか迷いましたが、とりあえずこのままでいくことにします。不自然なようであればまた手を加えたいと思います。

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