表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/2088

私の前世は、ぬらりひょんかもしれない

 最近、気づいた。

 小学校までは、少し走るのが早い子だったが中学校になると私の存在感はものすごく薄くなった。まあ、小学校の高学年から、そういう傾向があったのだが、とにかく中学生になると、私の存在感はものすごく薄くなった。

 どのくらい薄いのかというと、目の前に立っていても気づかれないほどだ。

 部活の顧問の先生が部員を整列させた時、目の前にいる私のことを探していた。

 私と先生との距離は1〜2メートルほどしかない。それなのに、真正面にいる私に気づかなかった。

 その時から、私の存在感はさらに薄くなっていった。

 透明人間になったような気分だ。

 認識疎外でもしているのではないかと何度も疑った。しかし、家族や友人以外には、全く認識されない。まるでそこには誰もいないかのように……。

 なぜそんな現象が起きているのか分からないが、ぬらりひょんの祖先だとしたら、納得がいく。

 ぬらりとやってきて、ひょんと消える。

 それがぬらりひょんの名前の由来だからだ。

 そのうち、自動ドアにも認識されないようになってしまうかもしれないが、その時は自分でこじ開けるしかない。

 現在、エレベーターに乗るとまだ私が乗っているのに降りる前に閉められそうになるほど、存在感が薄くなっているため、そのうち私という人間は戸籍上にしか存在しない人物になるかもしれない……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ