初恋
は? 初恋?
そんなのあるわけ……あるわけ……小学六年生からずっとあの子のことが……って、何言わせるんですかー!
え? お前に聞いてない?
なら、最初からそう言ってくださいよー。まったく、もうー。
え? その子のことは今でも好きかって?
そ……それは……す……好きですよ。もちろん……。目が合っただけで悶絶しますよ、きっと。
え? どうして告白しなかったのかって?
いや、まあ、手紙は何通か送ったんですけど……結局、これからもずっと友だちでいようねという手紙が届いたので、告白する機会を失いましたね、はい。
え? その子のどこが好きなのかって? うーん、まずオーラが違いましたね。体から魅力が溢れ出ているというか、なんというか……。
あとは、そうですね。本能的に好きというか、私の中の遺伝子がこの人しかいないと口を揃えて私に訴えてきたからです。
その頃はその子と結婚した後のことを考えていましたね。もちろん、子どもの名前も考えていました。女の子なら、『夏樹』。男の子なら、『尖人』です。
あれ? 私はどうしてこんなことを書いたのかな……。その子のことを思い出しちゃったのかな?
あー、なんだか胸が苦しくなってきたので、今回はこれで終わります。
よろしければ、みなさんの初恋話も聞かせてください。では、失礼します。