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「。」シリーズ

句点。

作者: 杠 音韻

「。」シリーズの第八作目です。

タイトル↑の「。」シリーズから他の作品が読めます。

「何処へ行かれる稀代の王よ」

「召される召される天へと昇るぞ」


人々次々口々叫ぶ。


阿鼻叫喚の旧市街、荒む砂煙も地に堕ちる。

あれよあれよと天は見開く。

世代の隠然、帝へ王へ。

下された終わりの鐘。


「終演だ」


王の口から漏れるお言葉、狂者信者も血祭り死祭り。


笑い泣き咽び呻き叫び狂い焦り足が(もつ)れる。


黄色の弧を描く地平線、彼方に逝け往け王を探せ。

怒る民衆終わった旧市街、今日も嘘。

ラルラリ落ちた花梨の花、光線飛び出る赤い閃光。


「もう終わり」


「助けて」


「食われる」


「消される」


人々人々、天を見下げた。


乱れて壊れて濁った空は、黄土色光りピカピカピカピカ。

アンテナ這う這う洗脳落胆驚嘆劇、役は(おご)りだ。

地底へ飛び立つ泥舟は、神をも恐れず天へと昇る。

九の星の先、塔の上。


ちょうど、十二の頃。


何列何番惑星へ、狂わせ脳。

至って「NO」とは何ぞ?

劣勢狂星の星の民は、皆々様へと頭を下げた。


結果は簡単。


俺達は見棄てられたんだ。


壊れる壊れる。

揺れる揺れる。

奏でるオワリ、告げる終焉。

写し出される最後の日。


壊れたニンゲン心も壊れる。


髪を喰らい肉を噛み目玉を抉り狂気を叫び心を殺し笑い泣き笑う笑う笑う。


楽しい楽しい。

笑顔は絶えない。

抱き抱えていた赤子を喰う母親。

手斧を振り回す信狂者。

手の肉を噛み千切る少女。

笑いながら首を裂く青年。

腹を裂き胎児を投げ棄てる妊婦。


皆ミンナみんな壊れていく。


狂乱氾濫、いつもの楽しい旧市街。

句点苦点はもう飽きた。

佇む少年右手を掲げ、己の額へ鉄砲向ける。

残弾一発、次の世界へ夢を捧げ。


引き金を引いた。


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