第三話 捨てられた犬の村
第3話
今日ははぐれた犬が、この村にやってきました。
リンちゃんっていうかわいい犬です。
リ「あわわ、ここはどこですか?」
ミ「えへへへ、どこでしょう」
リ「私、早くご主人様の元に帰らなきゃ」
ミ「どうにかうまく帰れるといいね」
ミ「じゃあ、リンちゃんによろこんでほしいから
みかんのコンポートを作るよ」
リ「ありがとうございます」
ミ「あっ、やっぱり焦がした。黒こげだー」
レ「はぁあ、ほっとけないものね」
ミ「わぁ、レイラ先輩じゃあーりませんか」
レ「もう、とことんダメなのね。
私がそれなりに作るから見てなさいな」
ミ「あざーっす」
レ「はい、できたよっと」
ミ「おお、うまそう」
リ「すごくおいしいです。ご主人様の元で
食べていたフルーツのおいしさを思い出しました」
レ「大変言いづらいことなんだけどさ、
あなたは主人に会えないと思う」
ミ「何でそんなコト言うんですか?」
レ「色んな犬のコに聴いたんだけどさ、
捨てられた犬ばかりなんだ。
みんな捨てられた犬なんだ。
もしかしたら、人間に捨てられて
どうにもならなくって困ってる犬に
この世の夢を与えたくて神様が
この村を用意したのかもしれない」
リ「じゃあ、ご主人様には会えないんですか?」
レ「私だって、ホントは会いたいよ。
ほんとのことを言うとさ」
ミ「どうしたらいいんだろ?」
レ「人間は薄情なのよ」
ミ「私はそう思いたくない」