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~ IF ~  作者: 名城ゆうき
序章
13/30

10

「ボクもらんにゅうしたかったー」

「スバルは黙れ」

「うぅ、詠里えいりがこわいよ」

「今のは空気を読まなかったスバルが悪いよ?」  


 きらきらと羨望の眼差しで頬を赤らめながら嘆息するスバルに、詠里ちゃんがスパーンとにべもなく切り捨てる。それに呆れながらスバルを慰める千弦ちづるちゃん。頭を撫でてあげてるあたり、優しいと思う。

 もうちょっとスバルに厳しくしてもいいと思う。あ、でも結構繊細だからあまり怒りすぎると傷つくかも。


 などとほっと一息をつきながら僕は場に和んでいた。


 うん、なんとか殺伐とした雰囲気はなくなったしひと安心。

 ……ちょっと千弦ちゃんにごろごろと擦り寄り始めたスバルに冷気を漂わせながら睨む詠里ちゃんが怖いけど。うん、でもそんないつもと変わらない日常茶飯事に心が和むような気もしながら、傍から微笑ましげに彼女らを見る僕。

 そしてそんな僕達に、若干「自分たちを置いてほんわかしているし!!」と言う複数の視線が向けられたけど気にしない。僕、あえて気にしない。

 ……ってそう言えばはじめはどうしてるんだろう。


― 詠里のところだ ―


 振り返ると同時に『声』が僕に届いた。音で聞こえるものじゃなくて、念話とも言える。

 見るとすぐ後ろの壁に朔が寄り掛かっていた。近くってわかっていたけど、こんなに近くだと逆に位置がわからない……って言うか。

 もしかして朔気配消してた?

 とばっちり受けないように?


― …… ―


 そうなんだ!?


 って……別に責めてないよ! 

 ……あの二人の仲裁って普段、伊成いなりの役目だしねー。と言うか、それを心得てると言うか……。


「……詠里、もう大丈夫か?」


 不意に朔が体を起こして声をかけた。詠里ちゃんと千弦ちゃんがそれに気づいて振り向くと、自然と朔は詠里ちゃんのそばに腰を下ろして彼女を見る。 


「な、なんとかね。って言うかさっきからずっと覗き見しておいて今更」


 それに少し動揺しながらも、普段よりは優しく(当社比)受け答えをする詠里ちゃん。心配してくれたのは、ちょっと嬉しかったとかかな? あと態勢を整えようと、いつものように気丈に振舞おうと、ちょっと見栄張っちゃってるところが可愛い。

 これ言ったら照れて怒るから言わないけど。

 などと、ほんわかしていると少し、考える仕草をして朔が言った言葉にびっくりした。

 

「いや、なんか白夜が面白かったから」

「「え?!」」

「あと弱気な詠里もなんだか面白かった」

「…………っっ、なに、それ?」


 思わず、千弦ちゃんと僕は声を上げた。それに顔をしかめて詠里ちゃんは拳を握り締めながら口元をヒクつかせた。


「は、朔!?」

「だめだよ朔っ」


 慌てて僕とスバルは朔に抗議の声を上げて睨んだ。

 面白いとか……多分本音なんだろうけど、言ったら怒る。さっき白夜にからかわれて怒っていたばっかりなのに!

 そんな僕達の目線に気づいて一瞬、反省の色が目に見えた気がした。


「ああ、言い間違えた」

「どんな言い間違えかなぁ、それ」


 呆れた顔で言う千弦ちゃんと、朔を睨みつける詠里ちゃん。でも白夜の時みたいにすぐに詠里ちゃんは声を上げなかった。白夜びゃくやみたいに普段、からかうという行動をしない朔は、一応信頼されているから。……白夜よりは。だからこれ以上詠里ちゃんを刺激しないよね?

 じっと僕とスバルは朔を見た。分かってくれたかな。

 それにうんとうなづく朔。

 ほっとした。


「ちょっと詠里がしおらしくて可愛かった」

 

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」


 沈黙がしばらく部屋に続いた。

 ……あれ?


「……へ、え?」


 声をひっくり返す詠里ちゃん。


「うん、詠里しおらしくて可愛い」


 ふっと、柔らかい笑みを浮かべる朔。


 うん。

 僕も思ったよ。

 きゅっと服をちょっと掴んでしがみついてくる詠里ちゃん可愛かったよ?

 でもそれ直接言っちゃう朔は天然なのかな?

 いや、タラシ? あれ? 白夜の方がそのイメージあったけど朔も? あ、でも笑顔で今詠里ちゃん見た。ってことは天然というかわざと……かなぁ、なぁんて…………。


 …………………。


 …………………。


 うわああああああああ!ダメじゃあああんっ!


 二度も言った。しかも二度も言った!

 

― なんてこと! 朔は天然ド直球殺傷能力バツグンの悩殺法真拳を使った! ―

― のうさっぽーしんけん。……今日もイチダンと華麗な手腕ダー! ―


 頭を抱えたくなりながらスバルの手を握った。と同時にスバルも僕のもう片方の手を握った。

 白夜と違ってからかうということをあまりしない、と言うことは言葉そのものに悪戯心はないが故、実直。

 その上改めて言うけど、朔は――美形だ。

 兄妹の贔屓目を差し引いても――――美形でカッコイイ。それが滅多にない微笑。

正直、言われてもいない僕もくらっときた。

 それが元々恥ずかしがりの詠里ちゃんがどうなるかなんて……。

 恐る恐る僕達は詠里ちゃんを振り返った。


「朔は普通だと思ってたけどあれは普通の人間の面を被った変態だった。そうよ、あれらは天敵、朔と白夜は天敵、天敵よ。天敵、天敵、天敵……」


 詠里ちゃんが若干壊れかけていた。ぷるぷると震えながら、ブツブツ言ってる顔がひどく動揺していて真顔になっている。ここで耳が赤くなっていることに気づかなければ怒っているようにしか見えない。でもこれは恥ずかしがっている、極度に照れている。必死で自分を保とうとしている。

 しかも詠里ちゃん目が潤んでるっっ。

 こら、そういう顔はけしからんよっ。あ、今の言い方スバルに似てるかなあはは。


「詠里! おちつこー! テンテキなら袋切って流しにぶちまいてポイして仕上げに燃やしたらいいんだよー」

「スバル、それは点滴」


 慌ててフォローするスバルにちょっと突っ込みながら、僕も詠里ちゃんの背中を撫でて落ち着かせようとした。これ以上詠里ちゃんをいじめちゃダメだよ。誰もこれ以上弄らないでよっ!。

 と思っていたが。


「確かにからかいがいがあるよね、詠里ってさぁ。そう言う意味では可愛いね?」

「…………」


 白夜のさりげない言葉で台無しだ。

 お茶を入れて詠里ちゃんに渡そうとした千弦ちゃんの手が固まる。


「お、おい詠里?」


 千弦ちゃんが声をかけても、完全に固まった詠里ちゃんは、震えて真っ青だった。

 しかも涙目。

 それを認めると、すっと千弦ちゃんの瞳が細くなる。

 無意識に僕はそばにいたスバルの手を握った。


「ちょおっとあんたらぁあ詠里が怯えて声も出ねぇじゃねぇかよぉ?」

「千弦ちゃんのドスの効いた声に俺も怯えて声が出なくなりそうになりましたぁー」


 超、怖い。ちづちゃんちょうこわいよー。

 流石にスバルも能天気になれず、手を握り返しながら笑おうとして失敗していた。

 なのに白夜ときたら茶化すように肩をすくめて語尾を伸ばしてそんなことを言ってのける。

 お願いだから白夜、煽らないでよっ。


「そのまま黙ってくれねぇかなぁ?」


 案の定、青筋を立てて笑う千弦ちゃん。

 ……ダメだ、ブチギレる15秒前。

 ああ、もう! それもこれも……!


「また乱闘モード始まったし! 朔の馬鹿! 詠里ちゃん苛めないでよ! 白夜がまた茶化してるし!」

「俺は別に悪くない」


― 嘘も言ってない、事実だし ―


 って念話で言わなくていいから!


― それはボクも思ったー ―


 スバル! 助長させたら駄目でしょうが!!

 キッと僕はスバルを睨んだ。

 それに少し拗ねたように唇を尖らせるスバル。でも僕も視線を外さない。


 時間はそんなに経たなかったと思う。


 けど、先に視線を逸らしたのはスバルで、そのまま朔の方へ向いた。視線を向けられた彼は、何? と問うように黙って見返してきた。それに更に口を尖らせたスバルは半眼になって朔を睨みつけた。


「朔はタラシだもん。でもミタラシは丁度いい甘さじゃないとボクもいやだけどねー」

「……」


 それに目を瞬かせる朔。

 ちらりと見ると、スバルは頬を膨らめせながら視線を下に向かせていた。気配はこちらを伺っているようだったけど。

 これでいいんでしょ?

 そう態度で言っているスバルは、ちょっと落ち込んでいるようにも、可愛いと言われた詠里ちゃんに嫉妬したようにも見える。多分、両方だ。加えるならちょっと詠里ちゃんを苛めすぎた白夜と朔に怒っているのもある。


 そんなスバルの心情を朔もわかったんだろう。

 くすりと笑うと、


「でも、一番は(可愛いのは)日和とスバルだから」


 微笑みながらスバルの頭を撫でた。


 ……。


「えへへ! わーい、そーしそーあい! ボクも(可愛いのは)朔が一番!あと白夜もね!」

「それは俺も嬉しいな?」


 キラキラと柔らかくて優しい笑顔を向けながら白夜はスバルの頭を撫でた。

 いつの間にか、千弦ちゃんと詠里ちゃんから離れてそこにいる彼。

 …………。

 一体なんなんだろう、スバルに感謝するべきなんだろうか。戦闘モードを霧散させてよくわからない雰囲気にしたことに。


 ただ。


 どうしてこうなった。 


 副声音が聞こえるような気がするのは気のせいじゃなくはないということではないんですよね。あは、なんか動揺して日本語が変。


「……あんたら四人って、言いにくいんだけど、変態の集まりなんじゃない?」

「詠里、言いすぎ。でもあたしもちょっと心配だわ」


 後ろから様子を見ていた詠里ちゃんと千弦ちゃん。

 二人の言葉がグサリとくるよ。

 はは、えーりちゃんが落ち着きを取り戻したことだけでもよかったとしなきゃいけないかなぁ。


「はは、僕も時々思う。これっていいのかなぁ……」

「日和、麻痺するな。良くない。……あれじゃ入る隙がなくなる。邪魔」

「だね、良くない。汚染されそう。それに果てしなくうっとおしい、目ざわり」


 僕の呟きにいつの間にやらそばに来た伊成と祷が口々にため息を落としていた。

 ……っていうかこの騒ぎの間二人はなにしていたんだろう。ちょっと声聞いてなかったけど……――――――けど。


「あ、あのお二人さん?」


 振り向いた先に見た二人は、苦虫を噛み潰したような顔で……白夜と朔を見る彼らの表情は真剣だった。と言うか、目が本気だ。言葉も怖い、よ? 特に後半声がワントーン低い。


「すでに祷と伊成が汚染されてる気がするな」

「やはり……あれらは天敵。……日和は宿敵」


 あ、あれー千弦ちゃん?詠里ちゃん? 何か僕も敵視されちゃったのなんでぇ?

 僕、泣きそう。そろそろドSな詠里ちゃんの言葉も傷つきそう。

 涙ぐんできた目元をそっと拭ったその時。


「ああでも」

「うん!」

「まぁ……」


 不意に同時に朔とスバル、白夜は僕の方に向いた。


「「「日和は中でも別格」」」


 その表情は3人とも、蕩けそうな程柔らかで確かに僕を笑顔で包み込むようだった。


 詠里ちゃんのちょっと痛い言葉の後の、三人の笑顔と言葉は強烈だった。思わず心がじーんと温かくなってしまった。

 でもさ。


「……あはは、これって喜んでいい所なのかなぁ? ふふ」


 ちょっと、この特別待遇は時々ダメなんじゃないかなぁって思うことがあるよ、僕。

 何がダメなの? って聞かれたら答えられなくなるような気がする時点で僕も危ないのかもしれないけど。愛されてるよね、ほんと……異常なくらい。

 それでもいいかな、なんて思っている僕もいる。乾いた笑みを浮かべた。大丈夫かな、僕。

 それにぽんっと誰かが頭を撫でてきた。

 見ると詠里ちゃんだ……ってえ、詠里ちゃん!? え? 詠里ちゃん!!?


「……ちょっとだけ、あんたのこと優しくしてあげてもいいかなって思った」

「身に危険を感じたら、いや、いつでもあたしらを頼りなさい。いいね?」


 うわあぁ、泣いちゃう。僕、泣いちゃう。

 続いて声をかけてくれた千弦ちゃんと、特に心配そうな表情を浮かべる詠里ちゃんに目の前が滲んできた。

 彼女が優しいなんて滅多にない。ヤバイ、僕胸があったかくてヤバイよ。


「……と言うかしばらく俺らの家に避難しろ。空き部屋なんて狭霧さんに頼めば……――――すぐ『式』を飛ばす」

「それがいい。今から『式』に家に荷物取りに行かせるから。あ、家に連絡入れないとね?」


 だから動揺していた僕は、突然話しだした伊成と祷の言葉が理解できてなかった。


「……んあ?」

「それなら私と一緒の部屋でいいわよ。女の子同士だし困ることがあったら便利だから……いいわね?」

「もちろんだよ」

 なんだかわけのわからないうちに詠里ちゃんは何かの了承を祷から得た。

 それにふわりと微笑むと彼女は僕を見る。そして顔を寄せると小さく呟く。


「……あんただけ祷達と同棲なんて、許せない」

「え、詠里ちゃん?」


 またもや突然、通常通りの冷たい態度(に加えてナゼカ低い声)になった詠里ちゃんに僕ははっと気を取り戻した。

 ……って、え? 今同棲って言った?

 あ、確か詠里ちゃん今祷と伊成の家でお世話になってるのは確かだけど……え?

 え、待って。

 すると詠里ちゃんの後ろから肩に手を置くと、千弦ちゃんが仕方なさそうに笑った。


「なら一応その他諸々の二人についても心配だから、この際三人で住まない?」

「え? え?」

「それ、いいんじゃない?」


 真顔で指を立てる詠里ちゃん。

 ちょっと待って。


「じゃ決まりな!」

「狭霧さんおっけーだってさ」

「ちょっなんだか話が進んでるよ!? しかもおっけー!?」


 爽やかな笑顔で共に親指を立てる祷と伊成はうなづいた。いや、そんな微笑ましいような顔を浮かべられても! って頭撫でられても誤魔化されないから!?


「チョット待って!!!」


 そこに声が上がった。

 見るとふらりとスバルが震えながら悲しそうに、苦しそうに胸の服を掴んでこちらを見ていた。

 あ。


「またボクを仲間はずれにする!! いいよね?! ボクもヘンタイだけどいっしょに住んでいいよね!?」

「……自分で変態って認めた」


 その詠里ちゃんの言葉にチクリと胸が痛くなる。

 見るとボロリとスバルが涙を零したところだった。

 慌てて僕はスバルの手を握る。その手を握りながらもう片方の手を詠里の方へ伸ばした。

 少し狼狽える彼女は懇願するように涙するスバルを見てオロオロしている。


「う、くっうえぇっ、詠里ぃ、うえっ、千弦ぅっ」

「わ、わかったからその汚い鼻水を押しつけないでっ。……もう、しょうがないんだから」

「スバルを入れないわけないだろ?」


 苦笑しながらも手を振り払わず笑う詠里ちゃんの顔は優しい。千弦ちゃんもハンカチで目元を拭ってあげながら笑っていた。

 それに安心したのかふにゃりと笑うスバル。 

 そしてちらりと、恐る恐る伊成と祷を見る。


「ふたり、も?」

「ご、ごめんスバル。いいよ、スバルだけは」

「ああ、スバルはいいよ。おいでよ」


 赤い目をしたスバルはその言葉に心から安堵して僕に抱きついた。


「よかったねー、日和」

「う、うん」


 確かに乱闘にはならなかった……勝手に同棲することになってるけど。

 まぁ、ええっと、詠里ちゃんの部屋は離れだから……そこの空き部屋を使うことになるだろうから完全なる同棲とは違うだろうけど。

 いや、言い訳だよね、これ。誰に対してのって? 聞かないでよ。

 うん、どうしてこうなった。


「ははは、つくづくあの双子は気にくわないよ、朔。実にね」

「まぁ、無暗やたらと非常識にしゃべったからな」

「それにしても許せないなぁ」

「……白夜、そろそろ落ち着け」

「だってうちの可愛い可愛い日和とスバルがあの糞五槻宮(いつきのみや)の双子の家に同棲だとよ?」

「だから落ち着……………………許しがたい」

「だろ?」


 ごめん、会話聞こえてる。

 めっちゃくっちゃ聞こえてる。

 ちなみに五槻宮というのは祷と伊成の苗字。

 って同棲はしない、よね? これ冗談だよね?

 ……なんだか僕、寒気がしてきたよ。あーそれにしても今日天気いいなぁ。


「……スバル、日和」


 空に浮かぶ雲に目を向けて想いは馳せていると、不意に詠里ちゃんが声をかけてきた。


「ん?」

「なぁに?」


「………………ありがと」


「「へ?」」


 僕とスバルは変な声をあげてしまった。

 

「千弦もいつもながら、ね」

「どうもー」


 どうやら聞き間違いではないらしい。

 千弦『も』ということは、本当に感謝の言葉だということで……それを理解した僕とスバルは顔を合わせた。

 それに詠里ちゃんはぷいっと顔を背けると、「お手洗い」と言って部屋を出た。

 そんな様子をくすりと笑うと、ちょんちょんと僕達は千弦に肩をつつかれた。

 顔を上げると、彼女は嬉しそうに机に頬杖を付きながら微笑んでいた。


― 二人とも、詠里を励まそうとしてわざとふざけたり、いつもより朔に言い返してたり話を逸らしたりしたでしょ? ―


「っ!」

「うぬ?」


 届いた念話に僕達は再び顔を合わせる。


― ばれちったね ―

― んー、お見通しかぁ ―


 こてんと肩に頭を乗せてくるスバルに、僕は頬をかきながら周りを見た。白夜と朔は取りあえず、落ち着いた(落ち着けた)らしい。今の話を聞いて察したのかもしれない。白夜は不遜にクッキーを口の中に放り込み、朔はお茶を皆の分を入れ直しながら祷と伊成の前にも置いていた。

 一時、休戦、かな?

 ……うん、今日もなんとか平和な一日が始まりそうだ。



 …………。


 ……って同棲の話どうなった!?




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