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勉強できてもできなくても

「なんか久しぶりって感じ!」


しぐぽんが笑う。

テスト前ということで部活はない。放課後久しぶりに八人で集まり、勉強することになった。


「しぐぽんなんか余裕そうだね?」


「うん!勉強得意だもん」


思わずいおりんの方を見るといおりんは静かに頷いた。

まじか。失礼だけど人は見かけによらない。

それに。


「まひろちゃん、ここはこうだよ」


「あ、ありがとう」


のんちゃんがつきっきりで教えているのはまひまひ。

これも意外だった。さっき小テストの結果を見せてもらったが、あまりの結果でとっさに言葉が出なかった。


それに、てっきり勉強が苦手なのはちづるんとしぐぽんかと。


「なんか失礼なこと考えてそうな顔やな」


察したのか、必死にシャーペンを動かすちづるんに睨まれる。


「でも部活二週間停止ってのは、運動部組にはきついんじゃない?」


「だから必死になってるんや」


ちづるんの手は止まらない。

あゆあゆも真剣にワークを解いている。


「そういうかなっぺはどうなん?ギター始めたんやろ」


うんまあ、オレの話はおいといて……。

って、無理か。


「そこそこって感じ……かな?」


ピースサインを決めてみせる。すると隣に座っている、あゆあゆにオレの小テストの結果をばら撒かれた。


「すみません、本当は勉強苦手です」


「てか、つくも君は大丈夫なん?授業中も寝てるんやろ?」


いおりんが現在進行形で机に突っ伏しているつくつくをチラリと見る。


「そうやで!ずっと寝てる!一番後ろやからって羨ましい」


うちなんて教卓目の前やのにと、ちづるんが頬を膨らませた。


「こいつはほっといて大丈夫」


「そうそう!つくつくはずっと寝てるのになぜかいい点取れるんだよね」


あゆあゆの言葉にオレも頷く。


「けっ!スーパーボーイめ」


ちづるんがさらに頬を膨らませた。


「あーもう勉強飽きてきた……」


勉強を始めて一時間ほど経った頃、ちづるんの集中力が完全に切れかけていた。

まひまひもパンクしているように見える。かくいうオレも、自分の英語のできの悪さに少し焦り始めていた。


「てかさ、勉強できる組はいいよな!不公平や!」


ちづるんが「な、まひろ」とまひまひに同意を求める。そして続けた。


「部活以外に楽しみないとやってられへん……。そうや!みんなの得意な科目と苦手な科目教えて」


そう言いながらちづるんは紙に何か書き始めた。


「これでよし!みんなでテストの点数勝負しよ!」


ただし!とちづるんは意気込むと


「もちろんうちらお馬鹿組、うちとまひろ、かなめにそして意外とあゆむ!四人には正直勝ち目はない」


悲しいかな、うんうんと頷くしかない。

それなのに勝負とはどういうことか。


「伸び幅で勝負するってのはどう?小テストの点数を参考に、そこから上がってればプラス、下がってればマイナス方式で勝負するねん。

これなら勉強できる組も頑張らなあかんくなるやろ?」


確かに、点数が低い方が有利な条件だ。むしろ今、満点に近い方がきついかもしれない。


「なんでそんなことは思いつくのにアホなわけ?」


いおりんが呆れている。


「でもめっちゃ面白そう!ちなみに一番になったらどうなるん?」


不利なしぐぽんもなぜかわくわくしている。


ちづるんは少し考える。


「じゃあ、なんでも好きなこと提案できるのはどう?」


「え!じゃあしぐ、文化祭でみんなと出し物したい!」


「まじか」


頑張るぞと目を輝かせるしぐぽんにあゆあゆが不安気になる。


「各々、やりたいことを考えつつ、勉強も頑張るってことで!つくももいいな?」


「ん……」


「ちなみにつくもの点数は……って」


ちづるんがつくつくから差し出された小テストの結果を見て叫ぶ。


「全部満点やん」


「そうだけど」


「ルール聞いてたか?」


「あんまり聞いてなかった」


「お前なあ」


つくつくとちづるんのやりとりにオレも、他のみんなも思わず笑ってしまう。


何はともあれ、ギター以外に勉強を頑張る、いや頑張らなくてはいけない理由ができた。

オレのやりたいことも考えておくか。


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