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空の白い心電図

作者: 天笠唐衣
掲載日:2026/02/08

https://49829.mitemin.net/i1095233/

 私、羽田洋子(仮名)、中学二年の女子。不思議好きで、謎と不思議の月刊誌をよく読んでいた。


 友達の家からの帰り道、家の近くまで来たとき、ふと空を見上げた。

 ――外に出るたび空を見れば、未確認飛行物体が見られるかもしれない、とテレビで謎研究家が言っていたのを思い出す。


 最初は白い鳥かと思った。

 でも西の空に、アイスホッケーの球を横から見たような長六角形の白い光が、屋根の上を通り過ぎる。

 飛行機ではない。もっと速く、光は三十度上がり、六十度下がる。その波を三度繰り返した。


 息をのんで足を止める。

 光は空に波を描き、距離も大きさも読めない。

 ほぼ暗い空に浮かぶ姿は、静かに、しかし確かに存在感を放つ。

 (UFO見ちゃった…)

 体が震え、心臓は激しく鼓動した。


 急いで家に帰ると、私は叫んだ。

「ゆ、UFO見ちゃった!」


 母は笑いながら冗談を言う。

「連れてかれちゃうよ」

 父には光の形を描いて見せた。

「ふむ、昔俺も空に不思議な光を見たことがある」

 二人で紙の上に光の動きを再現する。

 言葉にできない興奮が、世界を少し広げた気がした。


 その後も夜空を見上げる。

 またあの白い光に出会えるかも——胸が高鳴る。

 でも現れるのは電線に映った車のライトだけ。

 同じ体験は二度とできなかったが、特別な夜の記憶だけが、心の奥に残った。


 夜、布団に入る前、日記に光の動きを描き写す。

「三十度上がって六十度下がる、三回繰り返す白い光」

 文字にすると、あの不思議な瞬間が少しずつ形になる。

 ページをめくるたび、また見られるかもしれない小さなワクワクが胸に広がった。

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