言葉が通じない世界に転生してしまったようです……
……小説好きの私は分かった。
これが何の小説かは分からないが、いわゆる異世界に転生をしたって奴だ!
どういう世界なのかは分からないが、元の世界とは違うルールもあるかもしれないから、私は対応しないといけないなと思うのであった……
どうやらこの新しい世界の公爵令嬢フランソワが新しい私らしい。
フランソワはどうやら毒を煽って自殺したらしく、その結果、よく理屈は分からないが、死ななかったけど、精神が実質死んだせいで、私がきっと入り込めたのだと思う。
フランソワ……勝手に乗っ取ってしまったみたいだけど、私が別に狙ってやったわけじゃないから許してね?
それにきっと、もうこの世界で生きていきたくないのだろうから、私が代わりに生きることにするわ!
と言うわけでフランソワの肉体だけでなく、この世界のマナーの類も勝手に体が覚えていてくれているのである。助かるよ、明らかに私が知らないことばかりだろうから、恥をかくし、それだけならいいが、不審がられて最悪狂ったと見なされて監禁されたかもしれないから……
ということで、今日も貴族の社交界とやらに打って出るとする。
というかフランソワの体が行くように何か促している感じなのだ。
うん脳以外にも、脳とは別ベクトルである種の知覚があるって聞いたことあるけど、そういうことなのかしら?
まぁ詳しい理屈は分からないけど、フランソワのある種の経験が、私にとって都合がいいってことは間違いないってことね!
さっそく社交界に繰り出すと、ある令嬢が話しかけてきた。
どうやらこの令嬢話を聞いていると私と同じ公爵令嬢らしい……
なるほどなるほど、ボロが出ないように、今日は主に聞き役になるしかないわね……
するとこの公爵令嬢、足を偶然他の令嬢に踏まれたので、物凄い怒り出した!
「そこの豚女!何してくれるのよ!痛いじゃない!」
「申し訳ありません!」
相手は謝り出すも、ビンタをして水をぶっかけたりとやりたい放題だ……
止めたほうがいいのかと思ったが、状況が分からない中いらないことをするリスクを避けるために静観していたら、やっと気が済んだのか、令嬢が逃げていくことで騒動が終わった。
私はやりすぎでは?って思ったが、言うか迷っていたら、
「あいつたかが侯爵令嬢のくせに、この公爵令嬢の私への礼儀がなっていないのよ!」
などとブチ切れている。なるほど、この令嬢が異常者じゃないのであれば、この世界階級差は絶対的なのか?
私はその可能性があるから王族と接する時は注意したほうがいいと悟るのであった……
すると明らかに格が高そうな服を着たイケメンの男がこちらに現れる。
もしや王族では?私が緊張していると、公爵令嬢は
「王子、相変わらず今日も中身が無いカッコつけだけですね」何て嫌味を言ってるでは無いか!
え?王子様に!?
さらにこれ親しいならではのブラックジョークか?と思うと、王子は嫌そうな顔をして去って行った……
え?どうなっているの!?
「あいつ中身が無いくせにカッコだけなのよ、王子失格よね!」
何て言ってる。
え?どういうこと!?
「あのさ聞きたいんだけど、王子様相手にそんな口聞いていいの?」
「何言ってるのよ、カッコつけ王子に文句を言って何が悪いの?」
「そうだけど、さっきは身分差であの侯爵令嬢をボロクソ言ってたじゃない」
「そりゃそうよ、あいつはたかが侯爵令嬢のくせに私の足を踏んだのよ!許されないわ!」
「だったら身分が上の王子様にそんな口をきくのはまずいのでは?」
「何言ってるの、私は公爵令嬢なのよ!」
……この世界は公爵令嬢が王よりも偉い世界なの?
いやそれはないよね、だって一番いい席にあのさっきの王子はついているわけで……
……まずい今分かった。この小説、作者の頭がおかしい世界なんだ!
だから言葉が通じない!
だから明らかに身分差を言うのであれば、あの公爵令嬢はキャラ的に内面はともかく、表面的には王子には面従腹背すべきだし、
身分よりも個人的な気持ちを優先するタイプならば、王子に嫌味は言っても、あれほど謝っている令嬢を過度に責め立てるのは異常者以外おかしい。
でもこの公爵令嬢がそんな異常者風な雰囲気にはされていない……
ヤバい、言葉が通じない世界だ!
私はこの世界でやっていけるのだろうか、気が狂うしかないのでは?
もしかしてフランソワが自殺した理由って、悪役令嬢の類に設定されていて、皮肉にも作者が悪いとされたキャラが一番まともだったからなのでは?
私どうしたらいいのだろう……




