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不遇スキル「わらしべ長者」で殺せぬ勇者 〜魔力ゼロでも無双します〜   作者: カジキカジキ


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24/60

王都2

「すごい活気だね!」


 翌日、早くに起きて街の雰囲気が知りたいからと店の外に出てみたんだけど。

 朝早くから働く人達で通りは凄く賑やかになっていた。


 食べ物を売る人、野菜を売る人、焼いた肉を売る人、とにかく人・人・人。僕が育った町は大人と子供で五百人くらいって聞いた事があったんだけど、王都にはどの位の人が住んでいるんだろう?


 ニヤは人が多すぎてさっきから僕にしがみついているし、イヅミはあっという間に引っ込んでしまった。


 特にこの辺りは、職人街に続く通りとも交差している関係で出店が多いという話し。お昼のお弁当用に買っていく人も多いんだって。


 城壁の外には畑が広がっていたし、街には職人さんに、飲食店、地方から色々な物を運ぶ商人さん達、やっぱり王都は凄いんだな。


 北門は、僕たちが来た方向で、畑もあるけれど交流の馬車の行き来が多い門。

 

 東門は、職人街と材木商。東側には大きな川もあり山から木材が運ばれてきたり、海からは魚が運ばれてきたりするから特に賑わっている。

 

 西門は、街の人たちが多く住んでいる。門の外は見渡す限り畑になっていて、そこへの出入りの人が多い。昨日見た夕日も、西の畑に沈んでいたね。

 

 南門、ここを見にきた時から雰囲気が変わった。王都の中央から南側、1/4位が強固な壁で仕切られているんだ。所々にある通用門ですら、しっかりと武装した兵士が見張っている。その壁の奥は貴族街と王城があると聞いたけれど、それにしても雰囲気が物々しいよね。


 結局南門はその姿を見る事は出来なかったので、諦めてコンドール商会へと帰ってきた。


◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆


 ここは、ある山の山頂付近。


 ある一人の男? が、倒れて今にも死にかけている存在に話しかけていた。


「|How pathetic 《ぶざまだな》, Izabella.(イザベッラ)


Noisy(うるさい), disappear(きえな)


「|Don't say that 《そう言うなよ》, I brought(せっかく) |you something nice 《いい物を持ってきてやったんだ》.」


 男はイザベッラに近寄るとその右手を取り、何もない空間から取り出した宝石のような物を、その手の甲に押し付けた。


Gaaaaaaaaa(ガァアアアア)!!!」


 ・

 ・

 ・


 暫くして、手の甲をさすりながら立ち上がる女。


「|I won't thank you 《礼は言わないよ》」


 男は、両手を広げて問題ない事をアピールし。


「|If you'regrateful 《お礼なら》, | please tell the Demon King《魔王様に言うんだな》.」


 突然、鋭い目つきで男に詰め寄る女。


「|What do you mean 《どう言う事だ》?!」

 

「|The 『Life jewelry』was 《その『命玉』は》 |prepared by the Demon King. 《魔王様が用意されたんだ》.」


Shit(くそっ)! |You guys didn't stop why 《お前達は何故止めなかった》」


Stopping(止めたさ)!」


「|But couldn't stop it 《でも、止められなかった》」


 男は両手を下げ、力不足を呪った。


「|It also reduced the demon King's life 《また、魔王様の命を縮めてしまった》」


 二人の会話を聞いているのか、足音を立てずに近寄る黒い影。体高二m、体長は五m近くにもなるその影は。この近辺の山々を縄張りにする熊であった。


 熊は、さらに二人に近寄ると。


「グガァーーーーー!!」


 後ろ足で立ち上がり、恐ろしい咆哮を上げる。


 その雄叫びは、縄張りを犯された怒りか、二人に恐怖を感じたせめてもの抵抗だったのか。


「煩い」


 ドシュ!


 女の右手の手刀が、熊の心臓を抉り出す。


 滴る血を舐め、心臓を丸呑みにする女。


「ちょうど良い、腹が減っていたんだ」


 女が、その顔の大きさからは信じられない位の大口を開けると、熊の巨体が消えるように吸い込まれていった。

 

◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆


「南門への行き方ですか?」


 コンドール商会へと帰ってきた僕たちは、番頭のジーンさんに南門を見られる方法が無いかと尋ねてみた。


 ジーンさんは暫く考えていたけれど。


「すみません、やっぱり何も思いつきません。そもそも平民はあの壁の向こうには行けませんし、貴族から呼ばれても手前の貴族街まで、たしか南門は王城の向こう側だと聞いた事がありますから、どうやっても見る事は不可能なのではないでしょうか?」


 王都に住んでいても見ることは出来ないのか……。


「あ! 王都の外に出て、ぐるっと回って南側に行ったらどうですか?」


 ジーンさんは苦笑い(にがわらい)しながら首を横に振り。


「アベルさんは見た事がないからだと思いますが、王都を囲む城壁は南側で南東と南西に伸びてずっと大陸の端まで繋がっています。城壁の上には兵が監視していますので、どうやっても無理ですよ」


「えええっ?! じゃあ、この大陸の南側に住んでいる人達はどうしているのですか?」


 ジーンさんは、左右を見回して誰かに見られていないか確認してから、少し小声で話し始めた。


「詳しくは言えないのですが、例えばこの大陸がこのテーブルだとすれば。この国は、この角、この辺に当たるそうです。なのでここから南にはもう大陸は無いのですよ」


 ジーンさんの説明では。四角いテーブルを斜めに置いた時の一番下、そこが南の端だとすれば、この王国はその角に一番近い国で、その先には国はなく海が広がっている。


 そして……その海を渡った先には。


 ・

 ・

 ・


 ジーンさんに淹れてもらったお茶を飲み、少し落ち着いた僕は、肝心な事を聞き忘れていた事に気が付いた。


「そう言えば……僕の友達が三年前に重戦士のスキルを授かって、騎士になれるからと王都に来ている筈なんですが。そう言う人達は何処にいるんですか?」


「?」


「たぶん、他の領地からも同じ様に戦えるスキルを持った子供たちが王都に集められて、勉強してるって聞いたんですけど?」


「勉強?……ああっ!」


 それまでポカンとしていたジーンさんが、勉強と聞いて何か理解したようだ。


「それは、唯一塀の向こうに行ける方法になりますね。各地から集まった優秀な子供達は、塀の向こうにある王立学園で色々な事を学んでいるらしいですよ」


 優秀な子?


「王立学園には、スキルは普通でも優秀だったら入れたりするんですか?!」


「確か、そう聞いていますよ? 但し、優秀な子にもそれなりのスキルがあるみたいですが」


 そうか、王都で学校に行けるのは、戦いで役に立つスキルを持った子供だけだと思っていたけど、頭の良さも関係あるのか。


(アベル? 何を考えているのにゃ?)


(イヅミ、もしかしたら塀の向こうに行けるかも知れないよ)


いつも作品を読んで頂きありがとうございます。

次回からは、第二章「学園編」が始まります。

魔法や魔族に関する事を学園に入って色々知ったアベルは、勇者になる方法を見つけ出す事が出来るのか。

第二章も楽しんで読んで頂けると嬉しいです。

フォロー、応援も宜しくお願い致します。

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