閑話 第2.5章 議題『歪みの種類』
五十嵐:「歪みってさ、正直“ディストーション”一本で十分じゃない?」
六条:「いやいや! オーバードライブとディストーションは別物だから!」
弥生:「ファズは? ファズ入れないのは許されないよ!」
夏樹:「……もう、どれも“歪んでる”で良くない?」
六条:「良くない! オーバードライブはアンプを自然に押し込んだ感じ。ギターのボリュームを下げればクリーンに戻る。その“表情の幅”が醍醐味なんだよ!」
五十嵐:「でもさ、ライブで使うならディストーションの安定感だよ。常に一定の歪みが出る。音作りはシンプル。ミスってもごまかしが効くし」
弥生:「ファズは! ファズはね! あの“潰れた音”が唯一無二なの! バズバズ言うけど、逆にそれがカッコいい!」
夏樹:「潰れてるのにカッコいい……?」
六条:「夏樹、ファズは荒々しいけど、その分存在感がすごいんだ。ジミ・ヘンドリックスとか、あのサイケ感はファズならでは」
五十嵐:「でも、ファズは扱いが難しい。会場によっては音がぐちゃっとして埋もれる。実用性で言ったらやっぱりディストーションだよ」
弥生:「“実用性”とかつまんない! ロマンが大事でしょ!」
六条:「いやいや、ロマンも大事だけど、現場で音が消えたら終わりなんだって!」
夏樹:「……結局、“どの歪みが一番か”って話じゃなく、“どんな場面でどの歪みを選ぶか”ってことだよね?」
彩月:「……歪みは心。怒りならディストーション。優しさならオーバードライブ。狂気ならファズ。つまり、心の振幅そのものが歪みなのです」
夏樹:「ポエムでまとめるな! あと涎拭け!」




