前へ目次 次へ 11/26 翌日への前打ち 翌日。 校門をくぐる前から、胃のあたりが軽く重い。 見学だけ、のはずだ。 普通に、見て、普通に、帰る。 ……はずだ。 放課後。 指定された階段を上り、渡り廊下を渡って、角を曲がって。 そこで、吸音材と遮音材でぎっしり覆われたドアに出会う。 こちらと向こうの“気圧差”を調整するような、分厚い沈黙。 これから何が起こるかなんて、分からない、知らない僕がノブに手をかける。 扉は、抵抗なくゆっくりと開く。 中から、音の匂いがした。