チェスターは、婚約祝いの確認をする。
西の宮殿に戻った俺は、まず、アドルフから貰った婚約祝いの確認をする事にした。
タブレットを開く。
首都星の土地だ。
これは…貧民街か?
それも2ヵ所ともだ。
俺が購入した貧民街の開発の目処が立ったと思ったら、また、貧民街の土地だった。
アドルフの野郎!
俺は地図を開く。
う~ん?
地図を拡大し、宇宙から見る。
地軸の上の方から眺める。
これは…!
俺が購入した土地と、アドルフから貰った土地。
その土地を線で結ぶと、正三角形みたいな形になる。
「なあ、ガブさん。アドルフから貰った土地にも宇宙港を作れそうじゃない?」
《はい。マスター。建設可能と判断します》
《また、マスターが新たにこの2ヵ所に宇宙港を建設すれば、それ以上、宇宙港を建設するスペースは無くなります》
つまり、俺が独占出来るって事だな?
《はい。マスター。南半球でも同様に3ヵ所の宇宙港を建設すれば、合計6ヵ所の宇宙港を手にする事も可能です》
よし!
じゃあ、他の貴族に真似されない様に、先手を打っておくか。
俺は次に、ゲルハルトから貰った惑星を見る。
この惑星は…
《はい。マスター。ワグナー公爵の寄子男爵が統治に失敗し、帝国宇宙艦隊に焼き付くされた惑星です》
あの野郎!
当て付けか?
俺がワグナー公爵令嬢ソフィアと婚約したから…
《はい。マスター。その通りです》
くそー!
俺が購入した太陽系まで、帝国首都星から約1ヶ月。
そこから更に4ヶ月くらい掛かる距離だ。
つまり、首都星から片道5ヶ月。
遠いなぁ~
まあ、当面は放置だな。
他の事で手一杯だし。
《マスター。ワグナー公爵を通じて、帝国宇宙軍辺境方面軍に、定期に見回りを依頼する事を推奨します》
何で?
辺境だし…焼き付くされた惑星だし、価値は無いだろう?
《海賊達の基地が出来ると厄介です。また、それを口実に、ゲルハルトやアドルフがマスターに攻撃を仕掛けてくると予想します》
それは面倒だな。
出来れば、彼奴らには係わりたくないし…
でも、何でワグナー公爵なの?
《はい。マスター。ワグナー公爵が帝国軍に根回しを行い、この地域を担当する辺境方面軍の大将は、ワグナー公爵の甥です》
成る程…同じ様な事が起こらない様、自分の甥を配置し、見回りさせてるのか…
確か?大将は4個艦隊の司令官だっけ?
《はい。その通りです。1個艦隊(1万5千隻)を指揮する司令官が中将。大将1名に付き4名の中将が部下に付きます》
4個艦隊あれば、定期的に見回り出来そうだ。
首都星を守るのが近衛艦隊。
その外側を守るのが、中央方面軍。
更にその外側。
1番外側を守るのが辺境方面軍だ。
新型艦も、近衛→中央→辺境の順で装備される。
つまり、辺境は1番最後になる。
現在の帝国は財政難だ。
だから辺境方面軍は、補給物資も後回しにされ、困っていると聞く。
金を渡すのは不味いが、補給物資なら大丈夫だろう。
食糧とか、消費されて証拠も残らないし…
それに皇子の俺に、文句を言える人物も限られる。
帝国軍も困っているみたいだから、もし知れても黙認し、どうせ何も言って来ないだろう。
ただ、厄介なのは憲兵隊だ。
でも憲兵隊には皇子に対する捜査権はない。
そもそも俺は軍人でもないな。
辺境方面軍に食糧や燃料等の補給物資を届けさせるか…そうすれば、熱心に見回りしてくれるだろう。
それより俺のスキルだ。
災い転じて福となす!
きっと良い方向に進み、俺に福を授けてくれるに違いない!
今から楽しみだな!
★★★★★
俺は念話を使い、私兵を管轄する軍務3長官を呼んだ。
軍務長官フリードリヒ。
統合作戦本部長マレーネ。
宇宙艦隊司令長官ハインリッヒだ。
「ゲルハルトから婚約祝いとして惑星を貰った」
バイオレットがタブレットを操作し、スクリーンに映し出される。
「これは…焼き付くされた惑星ですな?」
「ああ、そうだ。いま、首都星から近い太陽系の惑星開発で手一杯の状況だ」
「だから、当面はこの辺境惑星は放置する。だが、海賊達に基地でも作られると厄介だ。俺の評判が悪くなる」
「そこで、辺境方面軍に見回りを頼んで欲しい。見返りに食糧や燃料等の補給物資を融通してやれ!」
「はっ。承知しました」
3人が頭を下げた。




