チェスターは転移門で購入した惑星に行く。
戦艦ビスマルクと随伴鑑の乗組員の訓練も終わり、首都星の宇宙港から出港した。
それから約1ヶ月。
俺が屋敷でだらけていると、バイオレットがやって来る。
「チェスター様。先日出港したビスマルクが領地惑星に到着しました」
よし、それじゃあ転移門を使って領地に行くか。
俺は転移門を開く。
バイオレットが俺の後に続く。
門を抜け、ビスマルク内にある俺の執務室へやって来る。
建設担当のルイスが、事前に惑星開発準備に来ている。
まず、地球のある太陽系で言うところの木星に相当する、巨大な惑星に開発基地を建設する。
その基地には、極小から特大まで、数種類の3Dプリンターみたいな物を設置。
その3Dプリンターで作った部品等を併設する宇宙ドックで組み立てる。
そして、組み立てた部品をドックから出して、宇宙空間で巨大な構造物にするのだ。
当然、作業員達の居住スペースもあり、かなり巨大な基地になっている。
そして俺の仕事は、惑星の奥深くまで掘ったトンネル内に、ダンジョンコアを設置する事だ。
ダンジョンコアは、貸し出しも譲渡も出来ない。
だから俺が直接設置しなければならない。
ダンジョンコアを設置したら、建設に必要な金属を得る為、鉱山の階層。
マグマの階層。
何も無いところから、何かを作り出すと、かなりの魔力を消費するらしい。
だから惑星にトンネルを掘った時に出る残土をマグマに投入する。
マグマの中で溶かし、分子構造を魔力で変化させて、必要な金属等に変化させる。
その方が、ダンジョンコアの魔力が節約出来るらしい。
ガブさんがそう言うから、そうなんだろう。
それから、作業員達の食糧確保の為、農地や牧場の階層を設置するのだ。
この場所まで食糧を運ばせるだけでも金が掛かる。
せっかくダンジョンコアを持っているから、有効活用するのだ。
俺は戦艦の窓から外を見る。
太陽系で言うところの火星に似た、赤い惑星が見る。
う~ん?
俺の頭の中にアイデアが閃く。
なあ、ガブさん。
宇宙に突き抜ける巨大な塔を建設する技術があるよな~
この惑星に何本も宇宙に突き抜ける塔を建てる。
そして、その塔を柱代わりにして、惑星をぐるっと丸ごと金属で覆ったらどうだろ?
金属を大気圏の代わりにするのだ。
そうすれば、宇宙コロニーを作らなくても、惑星で人が暮らせないかな?
《知恵を司る大天使ウリエルの力を使いますか?YES・No》
「YESだ!」
《…計算中…操作は出来ません…計算中…操作は出来ません…計算中…》
《計算が終了しました。可能です。但し条件があります》
条件?
《はい。金属で惑星をすべて覆った後、マスターが地上に降りてダンジョンコアの設置が必要です》
《ダンジョンコアの魔力を使い、人が生きるに必要な水等を生み出す必要があります》
《また、惑星を覆おう金属には、物理攻撃耐性。魔法攻撃耐性の魔法陣を設置する事をお奨めします》
成る程…惑星を覆う金属に亀裂が出来ると、惑星内の空気が漏れて、人が生きられなくなるからな!
よし!
計画の変更だ!
★★★★★
俺はバイオレットに指示をして、ルイスを呼ぶ。
そして計画変更の説明をした。
バイオレットに他のメンバーへの情報の共有を依頼した。
俺の説明を聞いたルイスが「承知しました」と答えた。
これで大丈夫だろう。
ルイスも納得してたみたいだし。
そう思っているとルイスが「それと、私からもご提案が御座います」
「まず第1に、太陽に1番近い惑星に錬金術の工場を建設します」
「錬金術?」
「はい。そうです。調べたところ、太陽に1番近い惑星の大気成分は水素・重水素・ヘリウムでした」
「そこで錬金術を使い、すべて重水素に変換するのです。宇宙船のエンジンは核融合炉。その燃料は重水素です」
「お~!成る程。燃料の自給が出来るって事だな!経費節約で良いじゃないか!」
「よし!ルイスの提案の一部を変更する。建設する錬金術工場にダンジョンコアを設置する。そうすれば、惑星を覆う大気が無くなっても、重水素を生産出来るからな!」
「ああ、それとダンジョンコアの事は秘密だ。だからバレない様に上手く偽装していてくれ!」
「承知しました」
「それから2つ目の提案なのですが。太陽の近くに複数の衛星を設置します。そしてマイクロ波に変換。領民が住む惑星に受信機を設置し、マイクロ波を電力に変換しようと思うのですが、如何でしょうか?」
なあ、ガブさん。
ルイスが言ってる事が、いまいち良く分からないんだけど…何か問題ある?
《要するに、太陽光発電をすると言う意味です》
成る程…それなら問題ないな!
しかもクリーンエネルギーだし!
燃料を使わないから、環境にも優しいくて、無駄金を使わないのが最高だな!
「ルイス。許可する。但し安全面には十分に注意しろ!2重・3重に安全対策を施すんだ!」
「承知しました」ルイスが頭を下げた。
ルイスとの話が終わり、俺は首都星の屋敷に戻り、そしてだらけた。




