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死の商人、ミザリー商会③

「ミザリーお姉ちゃん!今回の取引は、どうだった?」


「ああ、ぼちぼちだ」


口ではそう言いながらも、満更でもない表情だった。


ミザリーは基地に戻る前に、数ヶ所の海賊基地を周り、商売をしてきた。


ミザリーの輸送船から、沢山の荷物が基地に下ろされているところだった。


「そーだったんだ…お兄ちゃんは、まだ戻ってないよ!」


「そうかい、分かったよ」


「サラ。お前が元気そうで、何よりだ!」


ミザリーは、妹のサラにそう声を掛け、自身の部屋に入って行った。



★★★★★



それから2週間後、ミザリーの弟ジャックが戻って来た。


ジャック率いる船団も、大量の荷物を積んでいた。


ミザリーはジャックを出迎える。


「ジャック、商売はどうだった?」


「ああ、ぼちぼちだ!」


ジャックが答えた。


ジャックは、旧帝国領内で活動する惑星間取引商人である。


そして正式に商国から認められた商人でもある。


登記上の本店を商国に置いている。


しかし、裏では姉弟で海賊御用達の商人をしていた。


ジャックが旧帝国領内で、ミザリーが現帝国領内で、それぞれ海賊相手の商売をする。


ミザリーが手に入れた宝石やネックレス等の盗品を弟のジャックに引き渡す。


盗品を帝国領内で売りさばき、そこから足が付くのを避ける為、ジャックに引き渡すのである。


ジャックは、ミザリーから受け取った盗品を商国や自由民主共和国・自由惑星連合等で売りさばき現金化する。


逆にミザリーは、ジャックから受け取った盗品を帝国へ運び、貴族や富裕層に売却し現金化する。


こうして盗品を足が付かない様に現金化していた。


ミザリーとジャックが会議室に入って行く。


情報交換と、情報の共有化をする為である。


話は帝国領内で活動するグレーバー海賊団の話になる。


「グレーバーが代金の一部を商国通貨を希望しやがった!」ミザリーが言う。


「奴ら活動拠点を旧帝国領内に移すつもりかな?」とジャックが聞く。


ミザリーが「今すぐじゃ無いだろうが…将来はそれも視野に入れてるんだろう…そうじゃなければ、商国通貨を希望するハズが無い」


旧帝国領内では、自由民主共和国・社会人民共和国・自由惑星連合の3ヵ国が戦争と停戦を繰り返している。


従って直接貿易が出来ない。


そこを埋めるのが商国である。


3ヵ国は商国を通じて貿易をしている。


つまり商国通貨が無ければ代金決済が出来ない。


従って旧帝国内では、商国通貨が基軸通貨となっている。


地球で言うところのアメリカドルである。


グレーバー海賊団が商国通貨を希望したと言う事は、活動拠点移す事も視野に入れていると言う事である。


それに備えて、ミザリーはグレーバー海賊団の情報をジャックに伝える。


2人の打ち合わせは、夜中まで続いた。

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