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ポール!君に決めた!

宮殿に戻った俺は、銀行設立に付いて思案する。


なあ、ガブさん。


銀行を設立するのに、絶対ボーデン公爵が関わってくるよな?


ハルベルト兄上にお願いに行かないとダメかな?


いくら兄とは言え、あまり借りを作りたくない。


《ボーデン公爵は関わって来ないと推測します》


そうなの?


だって帝国財務長官だよ?


《銀行の設立は、財務省の下部組織、金融庁の管轄です。現在の金融庁官は中立派のブラウン侯爵です》


《ブラウン侯爵は、ルールに厳しい人物で有名です。従って、ボーデン公爵が口出ししてきても、ルール違反だと言って突っぱねると推測します》


成る程…なら逆に言えば、ルール通りに手続きすれば、問題無いって事だな?


《はい。その通りです》


よし、ゴールが見えたぞ!


後は誰を新銀行のトップにするかだな…


う~ん。


俺は最近まで、宮殿に引き込もっていたから、人脈が無いんだよな~


さて、どうしたものか…


《マスター。帝国銀行のポールが良いと思われます》


ポールか…でも、あいつには俺の口座の管理を任せてるしな~


《マスターが公爵になった場合、現在、開設中の口座を帝国への納税専用口座として使えば良いと思います》


成る程!


それならもう、資金運用して貰う必要も無いし、ポールでなくても問題ないな!


俺は、一緒に宮殿へ戻った執事のクレストンを呼ぶ。


「クレストン!帝国銀行のポールを呼び出しといてくれ!頼んだぞ」


「承知しました!」


★★★★★


2日後、ポールがやって来た。


「ポール、久しぶりだな!」


「はい。殿下。ご無沙汰しております」そう言って、ポールが頭を下げた。


「今日の用件は、銀行設立の件だ。俺は自分の領地に銀行を設立する事にした」


「ポール!お前には頭取になって貰う事にした!引き受けるてくれるな?」


「私が頭取ですか?」


「ああ、そうだ。もう決めたから従ってもらうぞ!」


「殿下!本当に私でよろしいのですか?」


「もう決めた事だ。俺が土地を買った事は知ってるな?ただ、あの場所だけでは狭い。だから星を買った。そこに宇宙コロニーを建設して住民を移す予定だ」


「まあ、将来的には俺が公爵になるから、俺の領民って事だ」


「領民達にタブレットを支給する。これから設立する銀行に口座を開設して、タブレットに紐付けして貰いたい」


「領民達の給料の支払いや、納税等は総てタブレットを通じて行う予定だ」


「だから、ポールは口座の管理や帝国への納税手続き等を任せる」


「利益を出そうとしなくて良いからな!赤字さえ出さなければ文句は無い!」


「ああ、それから現在、俺が持つ帝国銀行の口座は、帝国への納税専用にするから、もう資金運用する必要な無いぞ」


「それと相談だ。俺の口座にある資金をすべて引き出す。その資金は現金で用意して貰いたい」


「現金ですか?」


「ああ、そうだ。領民達は口座が無いから、島では現金取引が主流なんだ。再開発中で住民に仕事を斡旋しているんだが、現金が不足気味だ」


「だから、現金で頼む」


「承知しました」


「後の細かい事は、財務担当のシュテフィーと言う女性がいるから、彼女と話してくれ!ポール!頼んだぞ!」


「承知しました…しかし、指示は本当にこれだけなんですか?もっと…あーしろ!とか、こーしろ!とか…」


「う~ん。ポール。お前は支配者と独裁者の違いって知ってるか?」


「支配者と独裁者の違いですか?いいえ、知りません」


「登山するとして、登頂(目的)に成功すればそれで良いと考えるのが支配者だ。逆に独裁者と言う人間は、登頂(目的)に成功するだけでは飽き足らず、いくつもある登山ルートの中で、自分が思った通りのルートを、思った通りに通らないと気が済まない。それが独裁者だ!」


「俺は独裁者ではなく、支配者でありたいと思っている。そう言う事だ!」


「ああ、これは仕事だ。仕事には期限がある。期限だけは守れよ!以上だ!」


★★★★★


宮殿から帰りの車の中で俺は考える。


殿下が支配者でありたいと言っていた。


今まで俺が担当していた客の事を思い返す。


何故?あと1日待たなかったんだ!そうすればあの株で、あと○○だけ多く儲かったじゃないか!とか、何故?もっと早く買わなかったんだ!そうすれば、もっと儲かったハズだ!とか、文句を言ってきた客がいた。


全員が貴族の関係者だ。


文句があるなら自分で運用しろ!って言ってやりたかった。


自分で運用して損をすると、誰にも文句が言えない。


自分で運用するのが怖いのだ。


そう言う人間は、俺が利益を出しても納得しなかった。


多分、殿下が言うところの独裁者タイプの人間なんだと思う。


自分で思った銘柄の株を、思った通りの価格で買って、思った通りの価格で売って、思った通りの利益が出ないと満足出来ないんだ…殿下が言うところの独裁者か…確かにそうかも知れないな。


まあ、済んだ事をあれこれ言っても仕方ない。


過去に戻れる訳でも無いしな…


それより、今後の事だ。


誰を引き抜くか?


貴族の関係者はダメだな。


殿下の領民は、不法移民の子孫達だ。


貴族の連中は、人とは見なさないだろう。


殿下は自分の領民達に対して、そんな態度は絶対に許さないと思う。


トラブルの元だ。


殿下を貴族とのトラブルに巻き込む訳には行かない。


やはり、平民出身者から選んだ方が無難だ。


さて…誰をスカウトするか…俺は車の中で思案した。

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