帝国宇宙軍陸戦隊レオン少将
俺はレオン。
帝国宇宙軍陸戦隊の少将だ。
帝国宇宙軍の1個艦隊を指揮するのは中将。
宇宙艦隊が制宙権を確保したら、俺達の出番だ。
強襲揚陸艦で敵地に強行突入する。
そして敵地を制圧するのだ。
だが実際には、敵地に強行突入した事は無い。
我々が出動するのは、主に2パターン。
1つ目は海賊基地の制圧。
帝国軍の宇宙艦隊が海賊基地を取り囲み、無条件降伏を呼び掛ける。
大概の場合は、降伏を受けいれる。
だが中には降伏せず、徹底抗戦を続ける海賊もいる。
その場合は、我々の出番となる。
もう1つのパターンは、海賊が客船等の民間船を占拠した時だ。
殆んどの場合、身代金目当て。
この時は、乗客が人質になっているから、如何に早く制圧するかが重要となる。
我々は空気の無い宇宙で活動出来る特別なパワードスーツを着ている。
このパワードスーツは、レーザー光線銃の攻撃を弾く特別な加工が成されている。
最先端技術で作られた高価で特別なスーツだ。
客船ジャックを行う海賊も、当然パワードスーツを着ている。
だから敵との戦闘は、自ずと白兵戦になる。
銃は通用しないから、槍で突くか斧で切り突ける。
槍は間合が長い。
しかし俺達が戦う場所は海賊の基地か、占拠された宇宙船の中。
狭い場所が多くて槍では戦い難い。
だから俺達は片手に盾を持ち、もう片方の手に斧を持って戦う。
俺達は日々体を鍛え戦闘に備える。
俺の実家は騎士爵家。
家を継げない3男坊。
だから俺は、帝国学園を卒業後、帝国軍士官学校へ進み軍人になった。
1個艦隊(1万5千隻)を指揮する中将に比べ、強襲揚陸艦は、海賊基地を攻撃する時でも、多くて数百隻から数千隻。
1個艦隊より、遥かに少ない艦艇を指揮する陸戦隊の司令官は、少将迄しか昇進出来ない。
だから既に少将の俺は、これ以上の昇進は出来ないと言う事だ。
別に不満は無い。
子爵家や男爵家の関係者は、どんなに出世しても中将止まり。
大将以上は、上位貴族の関係者しかいない。
帝国軍法には記載が無いが、上は上で政治が絡み忖度しているんだろう。
騎士爵家出身の俺が少将迄昇進出来たのだ。
もう十分だ。
このまま信頼の置ける仲間と共に帝国の為に働こう。
★★★★★
ある日、俺は軍令部に呼び出された。
軍令部で俺を待っていたのは、アゥディー大将だった。
それともう1人。
その男は憲兵隊中佐のリッツと名乗った。
憲兵隊が一緒に居る…しかも階級は中佐。
俺は、もの凄く嫌な予感がした。
そして俺は、アゥディー大将より「君には第4皇子チェスター殿下の格闘術・護身術・射撃等の教官を命じる」そう言われた。
そしてリッツ中佐が「これは一人言です。第1皇子・第3皇子は、訓練を途中で放棄されました。報告を受けた陛下は、大変残念がられたとお聞きしています」
「第2皇子は真面目に取り組み、訓練を卒業され、陛下はとてもお喜びになったそうです」
「この意味がお分かりですな?」
リッツ中佐が俺にプレッシャーを掛けてくる。
そしてアゥディー大将が「君に期待している。もう下がって良い」そう言われた俺は、部屋を出る。
俺の実家の騎士爵家は、フィッシャー伯爵家の寄子だ。
いま、皇宮では次期皇帝争いが激しさを増していると言う。
フィッシャー伯爵家は、第4皇子のチェスター殿下の派閥貴族だ。
陸戦隊の中で、チェスター殿下の派閥関係者では、俺が一番階級が上だ。
だから俺が選ばれたに違い無い。
…この俺が、教官係か…
どうせ断れないんだ。
やるしか無い。
それに俺が下手をすれば、実家に迷惑が掛かる。
俺は気を引き締めた。




