ボーデン公爵家②
宮殿での仕事が終わり、首都星の屋敷に戻った私は、何時もの様に公爵としての仕事をしていると、嫡男のハンスが面会を求めて来た。
「お時間を取って頂きありがとう御座います!」
「挨拶は良い。要件だけを話せ」
「はい、父上。ゲルハルト殿下の元に忍ばせていたランスベルク伯爵から連絡が入りました」
「本日は、そのご報告に伺いました!」
「ほう…計画通りに進んだと見える」
「父上!ご存知だったのですか?」
「いや、知らん。しかし、そちの嬉しそうな顔を見ればわかる」
「顔に出ておりましたか?以後、注意致します!」
「それで、報告は?」
「はい、父上。ゲルハルト殿下に、とり潰されたホフマン男爵家が治めていた旧領地を購入する様、誘導に成功しました!」
「現在、帝国直轄地になっているので、父上の所に話が来るでしょう」
「ですから父上には、承認して頂きたいのです!」
「海賊に基地を作らせない為、ホフマン男爵家が治めていた旧領地に、定期的に帝国軍を派遣しているとお聞きしました」
「その費用も馬鹿にならぬはず」
「また、誰も買い手のなかった惑星を売却し、厳しい帝国財政の足しに出来ます!」
「そして、何よりゲルハルト殿下とチェスター殿下の関係を悪化させる事が出来るのです!」
「双方が争えば、それだけハルベルト殿下の皇太子就任が早まると思われます!」
「そうか!よくやった。ハンス!」
「報告は以上か?もう下がって良い」
「はい、父上。失礼します」
嫡男のハンスが退出した。
ゲルハルト・アドルフ・チェスター。
この3派閥が争ってくれるのは良い。
これで、ハルベルト殿下の皇太子就任が早まるか…
次の焦点は、帝国宰相の椅子に誰が座るか?
私か?
それともルーベンス公爵か?
私は正妻の父。
義理の父の立場だ。
ルーベンス公爵は、ハルベルト殿下を産んだ第1夫人(正妻)の実家。
やはり、私とルーベンス公爵の一騎討ちになるな。
ここは、息子達の言う通り、帝国財政が厳しい折、誰も買い手の無かった国有地の売却に成功し、帝国財政に貢献した事をアピールするか。
ルーベンス公爵より、宰相の椅子に1歩近付く。
だが息子達が失敗すれば、私の信用が落ちる。
私の手の者をゲルハルトとアドルフの元に追加で送るか…
もし失敗でもすれば、わしの信用が下がってしまう。
息子達の計画が、無事に成功しないと困る。
しかし、世の中は資金力が物を言うな。
ランスベルクの買収には随分と金が掛かったが、これで元は取れたか?
大概の事は金で解決出来る。
わしが宰相に就任した暁には、投資した金などすぐに回収出来るか…
さて、私の跡を継ぐのは嫡男のハンスか?
それとも次男のヨハンか?
それとも…




